見出し画像

初の社労士試験の振り返り・フリーランスの勉強備忘録

8月22日、初の社会保険労務士の資格試験が終わりました。私が社労士試験を勉強し始めた理由や勉強中の大変だったこと、仕事への影響や反省点などを振り返りnoteします。

こんな人に見て欲しい
・社労士試験を受けようと思ってる人
・フリーランスで何か資格勉強をしようとしている人
・人事労務、採用などのお仕事をしている人 など

社労士試験を受けた背景①労務トラブル

私の本業は、主に中小企業の採用支援です。パーソルキャリアで求人広告営業、スタートアップでの人材紹介や派遣業、自社の採用人事の仕事がメインキャリアだったため、本来は労務の勉強をする緊急性はありませんでした。

ですが、個人事業主になる前にいた会社などで労務トラブルを体験し、自分自身で人事労務の手続き関係を対応したことが、大きなきっかけとなりました。当時は10名以下の少数の企業に在籍していたので、会社がやってくれないことは全部自分で調べて、会社に手続き対応してもらうように交渉する必要があったのです。

住民税や社会保険の手続き、入退社手続き、健康診断の未実施など挙げればキリがないですが…大手企業なら当たり前にあったものが、何一つない状態に疑問を持ちました。「会社がやってくれないから」で終わらせるのではなく、自分で知識を身に付けなければ、何も進捗しない現実を痛感したのが、勉強を始めたきっかけの一つです。

社労士試験を受けた背景②採用ができない原因と労務環境の関係性

もう一つ、社労士試験の後押しをしたことは、採用と労務は切り離せないという点です。企業の採用支援を行う際、採用HPの制作や求人媒体の運用、採用広報や面接スキルアップなどに着手しても、入社前後の手続きの雑さや、入社後の労働環境の悪さで早期離職する方が本当に多いです。

とりわけ中小企業、若手起業家の経営する企業は、「このくらい大丈夫でしょ」「そのうち就業規則とかやるからいいでしょ」という感じで、労働基準法はあってないもの、利益のみを追求という夢みがちな傾向があります。

このままだと、採用支援するにも説得力がないというか…正しい知識をもとに、正しく経営者・人事の方を導いてあげないと、自分自身の存在意義が薄そうと思ったのも、試験を受ける決心を後押ししました。

とある経営者に「試用期間中はいつでも人を切っていいですよね」と言われたり、有名なスタートアップ経営者に「月60h以上、当たり前に残業できる人じゃないと採用しないですよ」とドストレートに言われたり…
何のための法律なんだろう?と疑問を持ったからこそ、知識をつけたいと思いました。

社労士試験を受けた背景③フリーランスとして前に進んでいる実感がほしい

もう一つ、自分ならではの理由は、フリーランスとして前進している実感がほしいというものがありました。個人事業主として順調にお仕事をもらい、特に収入には困っていなかったものの、何となく自信が持てない時期もありました。

会社員時代のように人事考課やキャリア面談がないので、自分が成長しているかどうかの物差しがない点に、やや不足感を持っていました。であれば、誰が見ても頑張ったねと明確にわかる資格試験に挑戦するのも手段なのでは、もう少し自分の気持ちもすっきりするかなと思ったのが背景にあります。

実際の勉強法と反省点・10か月の振り返り

今回の反省点は、主に次の項目です。

・圧倒的に勉強時間が足りていない
・1回の勉強に対する集中力が低い(長時間続かない)
・択一問題集を解き始めるのが遅かった(本腰入れたのは年末年始と春先)
・選択式の対策、法改正の対策までできなかった
・仕事と勉強の両立がきつかった(稼ぐことが最優先に…)
・家族への理解、協力をもっとすべきだった(一人時間をもっと確保したい)等々

勉強法が悪かったとか、使った教材がダメだったとは一切思っていません。一番の要因は、超基本的な「勉強時間の捻出・習慣化」だったと思います。めちゃくちゃ恥ずかしい振り返りですが、これが本当にできなかったし、最後の最後まで集中できなかったのが敗因です。

勉強時間が捻出できなかったことを、さらに細分化しつつ、時期を追って振り返ってみたいと思います。

◇10月~11月:初期

社労士24に出てくる用語、文章そのものが全く理解できない。言葉が難しすぎて動画講座を2回聞いてもさっぱり分からず集中できない→一気に動画視聴するのがきついため、小間切れで科目講座の視聴をなんとか進めた。

◇12月~1月:択一解き始め

やっと用語に慣れてきて択一を解き始めたけど、問題を解くことに慣れていないので時間がかかる。時間がかかるとやる気が落ちる、年末年始のまとまった時間だけめっちゃ頑張れたけど、1月になると仕事が始まりペースダウン。

◇2月~5月:トラブル期

試験勉強中に繁忙期や、ご家庭の事情で手が止まる方も多いと思います。私の場合は、超想定外ですが2月1日に父親が急死し、2~3月は家の手続き回りで実家との往復祭となりました。。。
さらに、3月は採用の仕事の超繁忙期(売上通常の3倍…)
そして4月、5月は実家の愛犬がまさかの骨折、手術もあり、精神的に勉強と向き合えず。つらかったです。

◇6月~8月:直前期

遅れに遅れた勉強を取り戻すのが難しく、正直なところ「今年は諦めよう」という思いが何度も何度も出てきて、完全に精神的な弱さとの戦いの日々。直前対策講座を申し込んだのも7月後半。模試は1回のみ解いただけ。

自分のやっていた勉強法・反省点

今回は初めての受験で、教材は資格の大原の社労士24を使用しました。これは飽き性な私には非常に合っていました。講義の各所に、金沢先生の語呂合わせや小細工が仕掛けられているので、動画そのものが楽しかったです。

勉強バランスは、動画視聴6割+択一2.9割+テキスト読み込み1割+選択式0.1割という感じでした。圧倒的にテキスト読み込みと、選択式が足りなかったのも反省点です。

用語が分からないまま択一問題集を解いても、何も進まないと思ったため、10か月のほとんどを動画視聴に費やしたなぁと思います。編集・ライターの仕事をしているので、動画内容をブログに書き起こして覚える作戦もやりましたが、時間コストかかりすぎるので辞めました。

また、択一問題集は2周~3周解くところまでしか終わらなかったので、最低でも5周解かないとお話にならないのも理解しています。しかし1周目はだいたい択一問題集の正答率が45~50%、2周目は60~65%ほど、3週目には70~75%に確実にアップしていったのはモチベーションを後押ししました。これから勉強する人は、正答率など数値で記録していくと良いかもしれません。

資格試験の仕事などへの影響

試験を振り返ると、基本的には反省点だらけで自己嫌悪が止まらないのですが、資格チャレンジで仕事には良い影響がいくつかありました。

一つは、社労士関係の仕事スカウトをいただいたこと、もう一つは金融(社会保険の知識が少し関係する系)の仕事と縁があったことです。

勉強を開始後、SNSでひたすら「今日はこんな勉強をした」「社労士のこんなことがわからない」「労務の仕事をしたい」など、素直に発信を続けていたところ、なんと社労士向けサービスを展開する大阪のFlucleさんからお声掛けをいただけたんです。

Flucleさんのおかげで、社労士資格を持っていないにもかかわらず、人事労務まわりのコンテンツ制作に携わることができました。

もう一つは、社労士というより金融領域にはなりますが、今年の5月にSHEの新規事業、SHEmoneyプランナーの1期生に受かりました。こちらは、ミレニアル女性に対する金融教育の事業になりますが、金融の中にも社会保険というテーマがあったことで関わることになりました。

まだ資格合格したわけではないですが、勉強と発信という行動を続けた結果、仕事にもつながったのは想定外のことでした。この2つの仕事以外にも人事労務に関するメディアにて記事連載を持つ話などもいただいています。始めは落ちるのが恥ずかしくて勉強宣言するのを躊躇しましたが、今となってはOPENに宣言しながら勉強チャレンジして良かったと思っています。

試験の自主採点結果

試験前日は、本当に苦しくてしんどくて「明日行くのやめたほうがいいかな」と最後まで悩んでいました。100%落ちると思いながらも、ここまできたので試験問題の回答はとにかく全部埋めてくると決めて、会場に向かいました。

結果として、選択式の自己採点は次の通りです。

労働基準法 4/5
労災  3/5
雇用  5/5
労一  2/5
社一  3/5
健康保険  4/5
厚生年金  4/5
国民年金  1/5

回答用紙にちゃんとメモしていない箇所があり💦健康保険と厚生年金はもしかしたら3点かもしれないです。でも、自分が感じた手ごたえ以上に、なぜか点数がとれていました。一方、午後の択一はもう全然意味不明で、日本語を読むのが苦痛で、途中貧乏ゆすりが止まらず何度もくじけそうになりました。。。

お手洗い休憩を1回挟んで、何とか最後まで解き切ったのがちょうど試験開始から3時間たった頃。体力の限界で、試験時間30分を残して途中退出しました。

今後について

結果は見なくても自分ではわかっているので、来年の2022年試験に再チャレンジしようと思っています。自分の弱さ、苦手ポイントも痛いほどわかったので、秋口からは通学のコースに切り替えて、強制的に勉強する習慣を身に付けたいと思っています。

私は、「個人事業主だから自分で稼がなきゃ」を言い訳にして、どんな仕事も断らずにガンガン予定を入れる癖があります。個人事業主1期目の倍近く売上はあがったのは〇でしたが、受験生としては×でした。。(バランスが難しいよね)なので、仕事を強制的・意識的に減らすのはもちろんのこと、嫌でも勉強する環境をつくるために、通学コースに入会したいと思います。

最後に…社会保険(金融・税金など)の勉強の大切さ

振り返りの途中でチラッと書きましたが、今年の2月1日に父親が急死しました。最後に会った日は一緒にランチを食べていて、めっちゃ元気だったのですが、私達夫婦と別れた直後に駅のトイレで心筋梗塞での急死でした。

まさかの出来事で本当につらかったものの、社労士の勉強をしていたことや、1社目が生命保険の営業職だったことがこのときに非常に役立ちました。

遺族厚生年金や遺族基礎年金、葬儀の手配や、健康保険の葬祭費、役所まわりの手続き全般、ライフラインや団体信用生命保険、民間の生命保険、車の手続き等々…本当にありとあらゆる手続きを全てやりました。役所や年金事務所に電話しつつ、書類も全部自分で書いて提出し、1か月~2か月かかったものの、何とか無事に終わりました。

まさか、こんなところで自分の勉強知識や、仕事の経験が活かせるなんて想像してなかったのですが、改めて学ぶことの重要性を痛感しました。何があるか分からない人生です。日本、この社会で暮らしている以上は、大切な人を守るためにも、日本の社会保障(社会保険)のルール、税金や金融まわりの最低限の知識をもつことが重要だと思います。

2022年受験の皆さま、よろしくお願いします

今年初受験だった皆さまお疲れ様でした。そして、来年も再チャレンジする皆さま、どうぞよろしくお願いします!!SNSでも受験仲間と励まし合い、皆さんの勉強投稿に刺激をもらってここまで来ました。来年こそは自信をもった状態で、試験本番にのぞみたいと思います。


1人ひとりが安心してその人らしく働ける世の中づくりをしていきます!社労士勉強中の励みになります…応援よろしくお願いします\(^o^)/