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ならいごとの旅 in 台湾(2)住み開きの種子博物館で植物とともに生きる暮らしを学ぶ

受け継がれるタネを訪ねる物語

「たねはどうしていますか?」

旅先で畑仕事をしているおじいさん、おばあさんを見かけるとつい聞いてしまいます。きっかけはブータン王国で農業インターンをしていたときに見た種採りの光景でした。

きゅうりやなす、かぼちゃ、果実から取り出された色とりどりの種たちが桶に入れられ、ずらーっと並んでいました。トウモロコシは5種類、マメは10種類以上、用途別に使い分けしながら屋根裏に保存します。屋根の下は煙でいぶされるので、保存がきくのです。

じゃあ、にんじんやだいこん、ほうれん草はどうやって種をとるのだろう。不思議なものを見つけた子どものように私の好奇心は広がっていき、ネパール、インドの種採り農家を訪ねる旅が始まりました。

今回は、台湾でのタネを訪ねる物語。中でも一番印象に残ったのが、台南にある「千畔種子博物館」でした。

住み開きの種ミュージアム

そこはまさに街中にある秘境。台南のまちなかにあって、表向きは完成な住宅街。中に入ると、とっても不思議な空間が広がっているのです。入り口に吊るされた数々のタネは圧巻!

台南のまちなかに佇む種子博物館の玄関

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去年にも案内してくれたお母さんと再会。「前にも来たよね」って覚えてくれていました。

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5年前にイギリスから帰国した息子さんが、ガーデニングのお店をしていた自宅を改装してオープン。500種類の植物のタネを展示しながら、植物の苗をはじめ、化粧品やお香、雑貨も販売されています。

もうけようと思ってやったわけではなくて、いろんな人が出入りするオープンスペースを作ろうと思ったら自然とこうなっていた。これはビジネスではなくて生き方。いまはひっきりなしに人が訪ねてくるといいます。

口紅に使われる赤いタネ、お香を作る樹皮、植物エキスを抽出する花。食用になるタネー。博物館のお母さんが、人と植物の関わりを解説してくれます。

「息をしているのが聞こえるでしょう?」

聴診器で木の息づかいを聞く。

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セルフビルドのたてもの

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ところせましとタネやドライ植物が転がっています

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お香や蒸留水の製造も自宅でおこなう

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お線香やアクセサリー等、手仕事はおばあちゃんが担当
2年後くらいに、農園へのツアーや、採集ワークショップなど企画していきたいとのことでした。

種子のある暮らしをシェアする

ご家族で植物を暮らしに取り入れる生き方をオープンにして、お客さんとの交流を図られている種子博物館の活動がとても素敵で印象的でした。

アクセス

千畦種子博物館Qianqi Seed Museum
台南市北區東豐路451巷29-1號 No. 29-1, Lane 451, Dongfeng Road, North District, Tainan City, 台湾 704 

電話: +886 6 236 0035 (中国語)

※参観時間が日によって決まっているので、お電話して予約したほうがいいです(開放時間以外は閉まってます)。中国語ができない場合は、中国語のわかる友達に頼むか、ホテルのフロントでも予約してもらえると思います。

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