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情報処理技術者試験の第三の壁:論文の壁

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プロジェクトマネージャを受験するも返り討ちに合う

情報処理技術者試験の高度資格を2つ取得したこともあり、他の高度資格も取得できるだろうと調子に乗っていた時期がありました。

「壁」を乗り越えた後って自分が成長した実感があるのでイケイケな気持ちになってしまうのです。

試しに、プロジェクトマネージャ試験を受けてみることにしました。

水道橋にある某大学の校舎で受験しました。

午前試験と午後1試験をこなした後、2時間で論文を書くことになります。

普段パソコンのキーボードで文字を打ち込んでおり、鉛筆の筆記に慣れていないため、鉛筆を持つ手が段々と痛くなっています。

変に体に力が入っているのか、足に力を入れてしまい、強く踏ん張っていました。

悪戦苦闘しながらの論文試験は、寿命を縮めるような 2 時間でした。

論文試験後に教室から出て校舎の階段を下りる際に、まるで生まれたての小鹿のように足がプルプルしました。
それほど疲労困憊でした。

初めての論文試験で、書き言葉の難しさと、3000文字程度書かなくてはいけない分量に圧倒されたのでした。

これは対策をとらないと受からないと思いました。

論文対策を検討

当時は、三色ボールペン法で読めるようになっていたけど、書くことが苦手でした。

書店でヒントを探したところ、書くことの苦手意識を克服するために、役立つ本が見つかりました。

また、子供の頃から私は字がきたない子でした。
論文試験のために克服できる方法を探したところ、ようやく役立つ本が見つかりました。

さらには、論文試験の分量にビビらなくなる方法が見つかりました。
「オウム返し」の法則です。

情報処理技術者試験の論文問題は設問が長いです。
お題が1ページ分もあります。
この長さを逆に利用します。

回答の構成は設問に直接答える形で行います。
設問の文章を使うのでオウム返しになります。

論文試験でありがちな失敗は、設問に答えないで自分の経験を書いてしまうことです。

コミュニケーションができていないとみなされます。

設問に答えることが大事です。

ちゃんと答えている姿勢を採点者に分かりやすくアピールするために分かりやすくオウム返しする。

オウム返しすると設問が長い分、文字数が稼げます。
また、オウム返ししながらその試験で求められる「技術者の観点」を入れてアピールします。

情報処理技術者試験の論文試験でのオウム返しの法則は、複数の人が提唱していたと思います。
その一つは下記の記事になりますが、具体的で分かりやすいです。

技術者の観点とは

情報処理技術者試験では、試験で求められる技術者像があります。

情報処理技術者試験に合格すると、技術者「らしい」考え方が身につきます。
いわば技術者の観点を持つことになります。

私や周りの合格者を見て得た勝手な解釈ですが、以下のような観点を持っています。

  • ネットワークエンジニアは、OSI参照モデルやTCP/IPの階層構造で成り立っていることを意識して、それぞれの階層で何をやっているか理解している。

  • セキュリティエンジニアは、暗号化と復号化の仕組みを理解して、人間の運用を含めた一番弱い鎖がシステムの弱点になることを意識している。

  • アプリケーションエンジニアは、システム間のやり取りにこだわる。

  • プロジェクトマネージャは、事前のリスクを意識して対策を打つ

  • ITストラテジストは、要件を分かりやすく整理することにこだわる。

上記のテクニックを身に付けた後にTACの模試で実践してみたところ好評価

論文試験のテクニカルエンジニア(システム管理)の模試を受けてみました。

TACの三好隆宏先生が添削してくれました。

端的に「合格レベルにある」と講評してくれて嬉しかったです。

当時はまだまだうまく書けていないところがあったと思いますが、余計なところは指摘せずに、必要なレベルに到達していることを伝えてくれる点に凄みを感じたことを覚えています。

ところで、情報処理技術者試験対策では、二人の有名な三好氏がいます(他にもいらっしゃったら申し訳ないです)。
TACの三好隆宏先生と、ITコンサルタントの三好康之先生です。

当時のTACの情報処理技術者試験講座のパンフレットを読むと、三好隆宏氏が統括していたと思います。
今は中小企業診断士の講座を担当してらっしゃるようでした。

テクニカルエンジニア(システム管理)に合格

試験は、TACの模試の手ごたえ通りに、合格しました。

苦手だった論文試験を克服して、壁を乗り越えた実感がありました。

その後の試験で、論文試験のアプリケーションエンジニアにも合格しました。

プロジェクトマネージャ試験にリベンジ

もうひとりの三好先生の本を使用しました。

『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ』(三好康之著,翔泳社)

またも合格です。

もはや冒頭に記載した、初めての論文試験で生まれたての小鹿状態になった自分は過去のものになりました。

むしろ、論文試験は自信を持って書けるようになっていました。

午後1の試験の方が傾向から外れるような難問が出題されることもあり、そちらの方が苦手だと感じるほどでした。

ついに最高峰ITストラテジストに合格

当時の会社は開発の全工程にかかわる機会がありました。

要件定義の場にも参加したので、ITストラテジスト試験の内容にも興味がありました。

一般的にはITストラテジストはプロジェクトマネージャと並んで、高難易度の資格に位置づけられるようです。

しかし、情報処理技術者試験の最高峰だから難しいわけではないと思います。

会社の同僚を見ると、高度と論文試験の壁を越えられる人は、他の試験を受けずにITストラテジスト試験だけを受けて、いきなり受かっていました。

ITストラテジストは、試験範囲が絞られているので他の高度試験は必須ではありません。

経営的な知識も必要になるが、社会人の一般常識の延長にあります。

また、論文自体は特別難しいわけではありません。
ストラテジストらしい論文が書ければ合格することができます。

結果的に高度7冠を取得

業務でかかわる分野についてはとりあえず試験を受けていました。
論文系の試験の後で受けたものもあります。

データベーススペシャリストと応用情報技術者も取得しました。

応用情報技術者は、結局最後に取得しました。
高度試験取得後ですが、どの程度試験が難しかったのか確認したくなったのです。

応用情報技術者は意外と難しいと思います。
範囲が広く浅いのです。

私は高度試験の資格を取得後に改めて受けました。
高度試験と違い、受験生の年齢層が若くて新鮮な驚きがありました。
高度試験の範囲がまんべんなく出題されるので、それぞれの高度試験の知識を使って合格しました。

高度試験 -> 応用情報技術者という一般とは逆の順序で合格して思いましたが、いきなり応用情報技術者で広く浅く勉強することは興味が湧かない人もいるかも知れません。

そういう人は、いきなり高度試験に挑戦してもいいと思います。
応用情報と高度試験の難易度にそれほどの差はありません。

仕事に疲れて実家で有給を消化した際に起こった運命的な出来事

IT 業界に限らないかも知れませんが、働いていると身体や心に負荷がかかってつらくなるタイミングが訪れると思います。

30代、40代になって、20代の頃若い頃と同じように仕事をすると無理がきかなくなってきます。

私も仕事で心が疲れたことがありました。
上司に相談して、たまっていた有給を全部使わせてもらって実家で休むことになりました。
当時役立った本が下記でした。

実家では何もせずゆっくり過ごしていました。

次第に回復してくると、居候みたいで居心地が悪く感じます。

そんな時に日本中を揺るがす出来事が起こるのでした。

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