『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる』を読んで。

『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』を読みました。

著者の幡野広志さんは、34歳にして、がんで余命3年と宣告された写真家さんです。noteでもたくさんのファンがいらっしゃる方なので、私がご紹介するまでもなく、ファンの方は多いでしょう。

幡野さんとお会いしたとき、
「がんで余命3年なんですが、いま忙しすぎて過労死しそうですよ! アハハ」と自己紹介なさっていて、そのアハハにみんなも、アハハとつられて笑っていました。

「死」について語っているのに、
「がん」について語っているのに、
私たちは「笑って」いました。

これまで、腫れ物に触るような「死の話」しか知らなかった私はかなり度肝を抜かれたんです。
自分の死にも、周りの人たちの死にも、蓋をして。見ないようにして。なるべく避けるようにしてきた私。
あの場を経験して、死について、もっとじっくり考えてみたいと思うようになりました。

この本は、幡野さんが息子さんに書いた、丁寧な、丁寧な、手紙です。
わたしが読みながら小田急線で、号泣したのは、この本に書かれたことが、「悲しいから」「辛いから」「苦しいから」ではありません。(実は私は、自分がそんな感情にとらわれるのではないかと思い、購入後、なかなか読み始めることができませんでした。)

むしろ、それとは真逆の感情が詰まっています。言葉で表現すると、なんだろう。希望でしょうか? 笑顔でしょうか?

一冊を通してテーマとされているのは、「優しさ」です。
私は最近「愛情」の難しさについて、ずっと考えていました。その中で、この本と出会い、
<「愛情」+「想像力」=本質的な「優しさ」>
という公式なのかもな、と思ったのでした。

そして、私も優しい人間になりたいし、優しい人の近くにいたい、と強く感じたのでした。

あぁ、なんだか拙い感想文になってしまった…。
この本を、子どもと接するすべての大人に読んでほしいと思った気持ち、どう表現したらイイんだろう?
子どもが、大人が、幸せに生きていけるように。届いてほしいと思っています。

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