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「リモートワーク」の メリット & デメリット を考察する。未来は、まるごと「仮想現実」の中に?

今からおおよそ15年位前の話です。ある経営者の方に「佐藤さんは、どうして仙台で仕事をしてるのですか? 東京には出てこないのですか」と質問を受けたことがあります。

その時私は「メールと電話とインターネットがあれば、自宅でも仕事はできますし」と、答えました。その方は、うーん、そうなんですか。そういう仕事の方法もあるのですかね? と今ひとつ納得がいかない様子でした。

まあ確かに「毎日、職場に出勤するのが仕事」という時代に「メールとネットがあれば」などと口にするのは、どこか中途半端というか、鼻につく言い方だったのかもしれません。

「リモートオフィス」とは、なんだ?

先日、noteの「お題」で「リモートオフィス」という言葉を目にしました。どうやら職場に出勤せずに、自宅などで作業をするスタイルを、そのように定義するようです。

ふふん。現場に行かずに仕事をするなんて、オレは15年前からやってるよ。移動先のカフェやホテル、時には車の中から電話やメールを使って打ち合わせ。そして納品。そのスタイルで仕事をしてきたよ。

と、鼻息荒く思ったわけです。そして、このような仕事のスタイルが、選択肢のひとつに昇格する時が近づいているのかもしれないな、と年寄りめいた気配でしみじみとしたのでした。

リモートオフィスのデメリット?

しかし、リモートオフィス(リモートワーク)には、デメリットもいくつか存在します。今回は、それを私の体験談から語ってみましょう。まず、一つ目のデメリットは、

1 怠けてしまう

と、いうことです。
いかんせん、人間というものは「誰かの目」がないと怠けます。弱いです。誰の目もなく、ひとりで黙々と仕事ができる人は何をやっても成功するでしょう。しかし、私のような凡人レベルだと「すぐに休憩」してしまいます。

一仕事おえると、事務所の床に置いてある毛布にくるまって仮眠。大丈夫、誰の目も気にすることはありません。なにせ一人ですから。そして、気がついたら部屋の中が真っ暗。でも誰も起こしてくれません。なにせ一人ですから。

成長するには、他者の自我と接触することで、自我を明確にすることが必要なように、一人では怠けてしまうし「このくらいでいいだろう」と思ってしまいます。なかなかむずかしい。

2 現場で得られる「情報量」は圧倒的に多い

やはり、現場に立ってみないと、わからないことは多いです。
クライアントから資料をいただいても「そこに書かれていないこと」、つまり現場の人たちが「当たり前すぎて、見落としている点」に、発想のヒントが眠っていることは少なくありません。

また、現場に立つことで、そこにいる人たちの表情や、口調、立ち振る舞いを見て得られる情報を、私たちは無意識のうちに汲み取って判断しています。目の前の情景を言葉を尽くして説明するよりも、一枚の写真から得られる情報量が多いように、この差を埋めることは、なかなかむずかしい。

3 孤独との戦いは、意外とモヤモヤする

私は、ひとりで本を読んだり、釣りに行ったり、旅をするのが好きです。「そんなに一人が好きか?」と、若い頃はよくからかわれたりしました。

しかし、そんな私でも「ああ、今日は誰とも会わなかった」という日が続くと(メールなどで交流はあったとしても)なんとなく、暗くなってきます。学生のころ、休日で誰とも話さなかったりすると、モヤモヤする時がありましたよね。翌日、学校に行って友達と話すと、あっというまにすっきりする。そんな感じです。

しかし、メリットも多々あるわけで。

もちろん、今、ここにざっくりと書いたデメリット(のようなもの)は、それぞれに改善策があります。

怠けるなら、他者の視線がある場所へ行けばいいし、現場の情報が必要なら「最初の一回は、可能な限り現場へ行く」などと決めればいいし、孤独感は・・・まあ、大勢の中にいても孤独は感じる時があると思うので(笑)趣味のサークルでも習い事でも、複数の居場所を見つけておけばいい。このようなスタイルで仕事をする人が増えれば、改善方法も増えていくでしょう。

なによりも、移動する時間をカットし、日本全国各地からの依頼を並行して作業するには、このスタイルが私には最適だったと思います。実際に、文字通り「北海道から沖縄」まで日本全国から依頼を受け、仕事をしてきましたが、このスタイルだからこそ、ひとりでこなすことができたのだと思います。

未来は「仮想現実」の中に

5Gの時代になり、VRゴーグルを着用して仮想オフィスで仕事をする時も、さほど遠くはないかもしれません。自動運転の車内を事務所にして、移動しながら作業するのも楽しそうです。旅をしながら仕事をすることも、夢ではないでしょう。

ちなみに筆者の目標のひとつが、世界中を旅しながら、旅先でVRを活用して講義をすることです。世界中に住んでいる1000人以上の受講生を相手に、講義をしてみたい。リアルタイムで質疑応答などやってみたい。現実の世界では1000人が受講できる教室を探すのは困難ですが、仮想世界なら大丈夫(なはず)。しかも、5Gならね。

そもそも、この世界を「脳が投影した仮想世界」と考えるならば、仮想も現実も肉体も精神も、鶏が先か卵が先か、のような感じで、つまり未来はまるごと「仮想現実」のなかにあるのかもしれません。現実と仮想現実の境界線が、ゆるやかにかつ迅速に消滅していくのでしょう。筆者自身、よくわかっていませんが、なんとなくそういうことです。

ああ、今「デメリット」をもうひとつ、思いつきました。

4 仕事とプライベートの境目が、あいまいになる

ワーカホリックの人は、横で止めてくれるパートナーが必要かもしれません。すべての場所が、仕事場になるのですから。

(注)本記事は、あくまでも筆者の個人的体験に基づく内容です。また本来の「リモートオフィス(リモートワーク)」の主旨とは異なる場合がありますので、ご了承ください。

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