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忙しい社会人のための 佐藤式「読書術」

はじめに 「もっと読みたい。でも時間がない」

時折、受講生の方から「先生は忙しそうにみえるのに、どうやって読書をしているのですか?」という質問をいただきます。そして、最近この質問を受けることが増えてきたように感じます。

実は、私(佐藤)も「もっと本を読むにはどうすればいいか?」と試行錯誤をしてきたタイプの人間です。連休の前には必ず書店に寄り「よし、今回の休みはこれでしっかり勉強しよう」と意気込み、気になった本を数冊購入して帰宅。

しかし「買ったこと」で満足して、床の上に未読の本が山積みになってしまい「床が抜ける! なんとかしなさい!」と家族に注意されてしまうような時間を繰り返していたものです。そして、おそらく、なにも起こらなければ「未読本の山に囲まれた」まま生活をしていたかもしれません。

・2011年3月。
宮城県仙台市で震災を体験した私は、自宅の本棚が崩壊している状況を目の当たりにしました。床が本の海になり、汚れて破損し読めなくなった本も大量にあります。その時私は「せっかく購入しても、読まなければ意味がない。読んでいない本を処分することは、ほんとうにせつないことだ」と感じたのでした。

・・・なんだか、ここまでの文章を読み返してみると、とてもシリアスなトーンに感じてしまいますが、今回はそのような内容ではありません。私はいつもどおり、ヘラヘラ(?)とした表情で書いていますし、特別なできごとも起きませんのでご安心下さい(話を戻します)。

そのような訳で「もう少し、ちゃんと読書ができる方法を考えよう」と、いくつか試行錯誤を繰り返したあと、数年前にメールマガジン(現在、一般非公開)に4回にわけて連載したところ、とても好評をいただきました。

今回は、当時の内容に加筆し「忙しい社会人のための 佐藤式読書術」と題し、全4回の構成で、みなさんに解説してみたいと思います。「今年は、もう少し本を読む時間を確保したい」「本を買うのは好きだけど、未読の本が山積みになってしまう」そんな風に考えているみなさんの参考にしていただけたら幸い。

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第一回 佐藤式読書術「買った時が、最高のタイミング」

セミナーの後に定期的に受ける質問のひとつが「先生は忙しそうに見えるのに、いつそんなに本を読んでいるのですか?」です。この質問を受けた時、私は「購入した本は、その日のうちに最後まで一気に読む」と答えるようにしています。

ルール(1)購入した本は、その日のうちに読むべし

これは最近私が体感していることなのだけど、年齢を重ねるごとに「集中力&持続力」が格段に弱くなっていることを実感することが多くなりました。中学生~高校生くらいの時は、新書ですと3時間程度で読み終わり「ああ、もう読み終わってしまった」という感じでしたが、最近では気がつくと3〜4日くらいかけて、ようやく読み終わるという状況になっています。

しかも読み終わるのは良い方で、最初の数ページだけをパラパラとめくり「続きは後で読もう」と、数日は横においておくのだけれども、週末に新しい本を買ってしまい読みかけの本は棚の隅の方へ、を繰り返すようになってしまっていたのです。これでは「本を読むのが好き」というよりも「本を買うのが好き」という感じです。買った段階で満足してしまっているのですね。

そこで自分に設定したルールのひとつが「購入した本は、できる限りその日のうちに最後まで読む。とにかく読み終えることを重視する」ということでした。購入した時点が「その本を読みたいという感情のピーク」なわけで、そこからは急速に下降していくわけなので「興味の感情が高いレベルを維持しているうちに、最後まで読んでしまおう」と思ったわけです。勢いを重視する、ってことです。

ただし、この方法だと今度は「最後まで読まなければいけない、という苦痛」が生じる可能性があります。楽しいはずの読書が「宿題が終わらなければ遊びに行ってはいけません」と同じになってしまっては本末転倒です。そこでさらにひとつ「今の自分が興味がない、今ひとつ理解できない、と感じた部分は流し読みをしてもよい」というルールを設定しておきました。

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