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つまり、佐藤の本棚。

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今まで読んできた本にまつわる「記憶」の記録です。
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#文学

【完全版】夏目漱石「こころ」あらすじ解説

はじめてちゃんと読んだ「漱石作品」が「こころ」という人も多いのではないでしょうか? 何度読み返しても「こころ」の奥が揺さぶられる、名作文学作品ですよね。 今回は「こころ」のあらすじを【完全版】と称して、じっくりと解説してみました。録音を始めてみると想像以上に熱がはいってしまい、一時間を越える長さとなってしまいました。編集して48分にまとめたのですが、それでも一度に視聴するのは大変かと思いますので、前後編の2つに分割してお届けします。 前編は「上 先生と私」「中 両親と私」

モモ(ミヒャエル・エンデ)あらすじ解説

ミヒャエル・エンデ作「モモ」のあらすじを解説した動画を公開しました。はじめて読む人も、ひさしぶりに読む人も、読書を楽しむきっかけにしていただけたら幸い。 内容 ・モモのあらすじ解説 「第一部 モモとその友だち」から「第二部 灰色の男たち」まで ・表紙のイラストから、作者の世界観を楽しんでみる 他 講師【佐藤のプロフィール】 広告コンテストの入選をきっかけに、教育業界からコピーライターに。「日常の何気ない瞬間から幸せを拾い上げる文章」と評価を受ける。起業歴19年の経験を活用

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芥川龍之介「羅生門」あらすじ解説

人間の「エゴイズム」を考察した名作文学「羅生門」について解説してみました。今、この時代に再読してみると、あたらしい発見があるかと思います。 内容: 羅生門のあらすじ解説 羅生門を読み解く「ポイント」 ・わずかな時間で人は変わる ・エゴイズムとは? ・作者(芥川龍之介)の背景 他 ・解説:佐藤学長(ミヤダイ) Twitter https://twitter.com/sa_ttaka

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【文学入門】芥川龍之介「鼻」のあらすじ解説

鼻(芥川龍之介)の「あらすじ」を解説する動画を作成しました。「コンプレックス」「2つの矛盾した感情」など、今読み返してみても様々な発見と考察が可能な名作です。 ・解説:佐藤 Twitter https://twitter.com/sa_ttaka ・芥川龍之介の「鼻」は青空文庫さんで読むことができます。 https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/card42.html

「本の題名」の考え方 【夏目漱石の場合】

以前、別の記事でも解説しましたが、夏目漱石作品の「題名」はシンプルで記憶にのこります。さぞ、念入りに熟考して決めるのだろう・・・と、思いきや実は「かなり適当」につけているものも少なくないようです。 今回は、個人的に気になった「2作品」を紹介してみたいと思います。 ・彼岸過迄「彼岸過迄」という題名は、その名が表す通り「彼岸過ぎまで、連載するつもりだから」が理由とのこと。内容に関係なく「執筆の日程」で決めてしまったのですね。「それって適当すぎやしませんか? ・・・いや、でも『

夏目漱石 前期三部作「三四郎 それから 門」あらすじ解説

夏目漱石の前期三部作「三四郎 それから 門」のあらすじを、動画で解説しました。しかしながら、一本10分前後の内容のため、すべて閲覧すると30分以上のボリュームとなっています。 制作者としましては「三四郎」から順番に閲覧していただきたいのですが「30分も見ていられない」という方は最後の「門」の冒頭を見ていただくと、なんとなく全体像がわかるようになっているので「ざっくりでOK」という方は「門」の動画をご覧ください。 ※いうまでもありませんが「あらすじ」なので、いわゆるネタバレ

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はじめて「夏目漱石」を読むなら、この3冊がおすすめ

夏目漱石の小説を読んでみたい!というあなたのために「3作品」を選んでみました。「文学って難しそう」「我輩は猫である、は最初のページで挫折した」人も、この3冊なら一気に読める!はず!自宅時間の有効活用の参考に、ぜひご覧下さい。

「宮澤賢治 最後の手紙」 社会人のための日本文学入門(6)

今回紹介するのは「宮沢賢治の手紙」です。宮沢賢治というと、銀河鉄道の夜、風の又三郎、注文の多い料理店など、多くの素晴らしい作品がありますけれども、今回は「手紙」をとりあげ、言葉について色々と考えてみたいと思います。 それでは、さっそく紹介します。 どうか今のご生活を大切にお護り下さい。 上のそらでなしに、しっかり落ちついて、一時の感激や興奮を避け、  楽しめるものは楽しみ、苦しまなければならないものは苦しんで 生きて行きましょう。 (宮澤賢治 柳原昌悦氏宛の手紙より一部抜

古本をめぐる冒険「春と修羅 宮沢賢治」

わたくしが「古本の装丁」に興味を持つきっかけになったのが「春と修羅」でした。しかし当然のことながら、初版本はとても手がとどく金額ではありませんでしたので、復刻版を探すことにしました。何軒か古書店を巡ったり、ネットで検索したりして、ようやくこの一冊に出会えた時は「お宝を発見!」したような気分になったことを覚えています。 布の表紙にアザミが描かれています。賢治は「青黒いザラザラの布」を探していたらしいのですが、実際に見つけてもらったのは「まったく違った色の布」だったそう。すると

古本をめぐる冒険「性に目覚める頃 室生犀星」

最初に「性に目覚める頃」という題名を目にした時「性教育に関する内容なのか。それとも性欲に悩む主人公の葛藤を描いた作品なのだろうか」と。そして、機会があれば読んでみたい、と感じたことを覚えている。 今年の春に金沢へ旅した時、雨宝院で「この作品は、編集者のアドバイスで変更したそうです」と教えていただいたのだが、編集者の方は良い仕事をされたと思う。この題名だけでも(もちろん、すばらしい作品であることはいうまでもない)魅力が大幅にアップしていると感じる。実際に私も、こうして紹介

古本をめぐる冒険「吾輩は猫である 夏目漱石」

多くの日本人が知っている小説のひとつといえば「我輩は猫である」であろう。書き出しの「我輩は猫である。名前はまだ無い。」も、空で言える人も多いと思う。そんなにも著名な作品であるにも関わらず「読んだことがない」「あらすじさえ、わからない」という人も多いのではないだろうか。 いや、別に責めているわけでも上から眺めているわけでもない。このようなことを書いている私自身「我輩は猫である」を完読できたのは、社会人になってからだった。それまでに何度も挑戦しては、途中で挫折してしまっていた。

最終回:佐藤の本棚100冊目「明暗 夏目漱石」

こんにちは、コピーライターの佐藤(さったか)です。100冊を目指して更新してきた「佐藤の本棚」。ようやく100冊目に到達しました。時代は平成を越え令和となってしまいましたが、なんとか締めくくることができました。 予定通り「佐藤の本棚」は、ここで更新を終了します。次は何に挑戦しょうか? いや、わざわざ挑戦する必要もないのですが、何かしら新しい「はじまり」を探ってみたいと思います。 さて最後の100冊目に登場するのは「夏目漱石 明暗」です。どうぞご覧ください。 明暗 夏目漱

((僕の手元には「一冊の古い本」だけが残った)

今から15年以上前の話。その時僕はある古本を探していた。数ヶ月ほど地元の古書店を回ってみたものの見つけることができず「縁があれば、いつか出会えるかもしれない」と半ばあきらめの気持ちになっていた。 当時ホームページに設置していた掲示板に「〇〇を探しているけれど、なかなか見つからない」と書き込んでみた。何か新しい情報が得られることを期待したわけではなく、ただつぶやいてみたのだった。 数日後ある方から「〇〇なら、△△に在庫がありましたよ」とコメントが書き込まれた。それを

佐藤の本棚98冊目 中原中也「夏と悲運」

こんにちは、コピーライターの佐藤(さったか)です。この文章を書いているのは8月の1日。つまり夏真っ盛りの時期です。子供のころは30度を越えると「やばい! 今日は暑いぞ!」と騒いだものですが、最近では30度はあたりまえで、35度を越える日も珍しくなくなってしまいました。 ちょっと外を歩くだけでも、暑さに押しつぶされて、背中が丸くなっていきます。すごい勢いで冷蔵庫の氷が消費されていきます。家に帰ってシャワーを浴びる瞬間が至福の時です。みなさんどうぞご自愛下さい。 そしてこの「