見出し画像

【最終審査】

吉本新喜劇金の卵1個目オーディションの最終審査は、合宿でした。

合宿は、高槻の山奥にある旅館で行われました。
到着次第携帯電話は取り上げられ、外界とは完全に遮断されてしまいました。

旅館を入る時から審査が始まります。
最初の審査は、出ギャグ。
それぞれ、旅館を入る時にオリジナルのギャグを考えて、中に入っていきます。

合宿中は分刻みのスケジュールで、発声・ダンス・殺陣・マラソンなどのレッスンがあり、その他にも、宮沢賢治の小説を朗読リレーして、全員が完璧に朗読できるまで寝かせてもらえないなど、いろんな試練が待ち構えていました。

オーディションは完全にガチンコで、僕達は合宿で何をするのかも、これから何が起こるのかも、何一つ知らされていませんでした。

寝起きドッキリでHGさんが登場したり、○×クイズで泥プールに飛び込んだり、小籔さんのネタを見て笑ってしまったら朝食が没収されたりなど、様々なコーナーがありました。

そして最終テストは、二チームに分かれて新喜劇を上演しました。
僕はヤクザ役。
半日で新喜劇を作り上げなければならないので、台詞を覚えるだけでも必死でした。

最終テストの後、合格発表まで別室で待機していました。
やれることは全部やったので、不安よりも、ワクワクのほうが大きかったのを覚えています。

そしていよいよ結果発表!
金の卵1個目オーディションでは、合計10人が合格しました。
合格発表の時には、緊張と疲労で、倒れた人もいてました。

この時合格したメンバーで、今でも新喜劇に所属しているのは、吉田裕・太田芳伸・松浦真也・佐藤太一郎・森田展義・前田真希の6人。
他のメンバーも、東京で活躍したりしています。

オーディションに合格し、正式に新喜劇に入団したのが2005年9月1日。
ここから新喜劇座員としての道がスタートします。

新喜劇も演劇も、舞台の上で演じるのは同じ。
野球とソフトボールぐらいの違いだと思っていたのですが、数々のカルチャーショックにブチ当ることになります。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?