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自分の基準を持つ

知り合いと話をすると、「ものごとを決めるのが苦手」、「自分が何をしたいのかよくわからない」といった悩みをよくうちあけられます。実は、自分も若い頃そういった時期がありました。

具体的に言うと。。。。。

  • 他人の意見に流されやすかった。

  • 行動の優先順位がつけられなかった。

  • 将来どうありたいのかわからなかった。

  • かといって当時の状況には満足していなかった。

このような悩みを抱えると、やりがちなのが自分探し。てあたり次第に自己診断テストを試したり、人によっては占いに頼ったりと迷走しやすくなります。挙句、出てくる結果は「優柔不断なところがあるが、芯は強い、夢中になったら粘り強く、とことん突き詰める」といった毒にも薬にもならない答え。誰でも夢中なときは突き詰めてるんだから粘り強いものです。。。

こんな状況を打破してくれたのは、一度立ち止まり、自問自答しながら自身の「基準」を明確にすることでした。

自身の「基準」ってなんだ?

己が譲れない、最重要視している要素です。これらを整理して考える癖をつけると、意思決定が早くなるだけでなく、自分が今後すべきことが明らかになります。

今日は毎日の生活の身近な例と、より難易度の高い老後のお金に関する例の2つを用いて、説明しますね。


例1:ショッピング

簡単な例でいうと、買い物です。かつて、洋服を買いに行くと、いつも迷って最終的に決められなかったり、店員さんに勧められて買ってしまい、あとで後悔するということがありました。

今は意思決定が早いし、後悔することもほとんどありません。

なぜか?自分の基準が明確だからです。

では例として、春や秋に軽く羽織る上着を買う場面を想像してください。私の「基準」は以下のとおりです。

  1. 家で洗えること。

  2. アイロン不要でシワにならない。

  3. 普段履いている黒やチャコールグレーのパンツにあう。

  4. よって色は紺、グレー、紺、ベージュ、カーキ。白は汚れが目立つのでだめ。

  5. 生地はやわらかめ。厚手の硬いものは着心地悪いのでだめ。

  6. フィットはレギュラーかちょいリラックス。流行りのオーバーサイズはだらしなく見えるのでNG。

  7. 値段は1万円前後。気に入れば2万円まで。

  8. 一目に触れやすい羽織ものなので、人と被らないもの。大量生産のユニクロやMUJIでないもの。

  9. 職場でも、休日のお出かけに来ても、おかしくない。ちょっといい目のレストランでも恥ずかしくない。

と、ここまで自分の「基準」、すなわち譲れない要素が明確であれば、大抵迷いません。理由はこれらの基準が一つでもクリアできないものは、機械的に、自身の買い物レーダーから外れるからです。

むしろ、ここまで「基準」が多く厳しいと対象となる製品はかなり限られます。その限られた2、3の製品を試着して、自分が最も気に入ったものを買えば、後悔はないでしょう。

また、自身の基準があれば、たとえ店員さんが勧めてきても、流されないですみます。

  • 「白もあると便利ですよ。汚れても洗えますし」
    → 汚れが目立つものは最初から選択肢にない。「白もあると便利」というのは店員さんの基準。

  • 「オーバーサイズ流行ってますよ」
    → 若者ならともかく、おっさんはだらなしなくなるからだめ。

  • 「要ドライクリーニングですが上質素材です。」
    → 家で洗えないものは対象外。

自身の「基準」が明確であれば、店員さんの基準ですすめられても、惑わされることはありません。

では次に、より難しい意思決定の例をみてみましょう。

例2:老後資金の確保の方法

ここでは、より切実で重要な意思決定の例についてお話しします。

現在あなたは47歳で65歳の定年まであと20年弱。定年後に年金だけでは心許ないと考えています。そこで、自分の「基準」を「定年後に毎月10万円の不労所得の確保」と定めます。

この「基準」があることによって、自分がこれからすべきことが明確になる。この場合、逆演算とかリバースエンジニアリングといった、ゴールから逆算する方法を使って、今後のアクションが明確になります。

  1. 平均的な資産運用益が年率4%と仮定すると、毎月10万円、年間120万円の不労所得を得るためには定年時に3,000万円必要。(120万円/4%=3,000万円)
    例:3,000万円を年利4%の米国債で運用し、120万円の金利を毎年得る。

  2. 現在の貯金が500万円。これを定年までの18年間の間、年率4%の株や債券で運用すれば、定年時には倍の1,000万円になる。

  3. となると、定年時に必要な3,000万円まで、あと2,000万円を手当すれば良い。

  4. 退職金が1,000万円ほど見込める。よって、あとは残りの18年間で1,000万円を手当できれば、定年時に3,000万円は用意できる。

  5. 1,000万円/18年/12ヶ月=約5万円。よって、来月から、毎月5万円を積立貯金していく。

この方の場合は、自分の老後の基準を「不労所得を10万円得る」と設定したことにより、今後の取るべきアクションが明らかになりました。「毎月5万円を貯める」のです。

これさえ決まれば、あとは自分なりにさらにアレンジすることもできます。例えば、退職金が1,000万円から減額するリスクもないとはいえません。そこで、安全策として、毎月の5万円に加え、年2回のボーナス時には10万円づつを追加で貯金すれば、18年間の間に360万円ほど老後資金を上乗せできます。

また、毎月の積立預金の代わりに、投資信託への積立も老後資金の上乗せにつながる可能性があります。

よって、自身の「基準」を明確にすることにより、異なる基準を持つ他人の意見に影響されることなく、自身が今後とるべきアクションが見えてきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日常の買い物でも、老後の資金計画といった重要な局面でも、直感やその時の気分ではなく、ご自身の「基準」に基づいて意思決定をすると、あとで後悔するような判断をしなくなります。

そのためには、普段から「基準」を常に意識しながら生活し、自身にとって優先順位の高い要素は何かを知っておくと良いでしょう。そうすることによって、少しずつ意思決定の速度も上がっていきます。また、自身のことをより正しく認識でき、また迷いや他人に流される事も減り、行動にも一貫性がでてきます。ぜひ試してみてください。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ありがとうございます😄