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海外の個別株を選ぶ基準

先日の投稿で四季報オンラインを使った中小型株の選定方法について投稿しました。

今日は海外の大型株を選ぶ際の条件についてお話しします。

もうかれこれ20年以上、米国株式に投資して資産運用をしています。たまに、人にどの銘柄を買ったら良いか、相談されることがあります。その際、まずはじめに、自分は短期売買はせず、原則として買ったら売らないで保有し続けるとお伝えすることにしています。理由は簡単で、短期で大きく儲かる銘柄かどうかなんて、わからないからです。

長期保有を前提に株を選んでいることを理解してもらった上で、自分の持っている株を買った理由を説明します。アドバイスではなく、あくまでも私の選定基準やストーリーに共感できたら、似たような方法で、あとは相談者の基準に適う銘柄を見つけてもらえたら嬉しいなと思っています。今日は実際に私が保有する銘柄についてお話ししますね。

選定基準

海外の個別株を選ぶ基準ですが、自分の子供のように長い時間をかけて育てられるかを最初に考えます。自分にとって、株は人間と同じで、良い時もあれば、悪い時もあり、一喜一憂せずに、暖かく見守るのが一番です。

テスラ株

出会いはコロナ前です。イーロン・マスクがインタビューで自動運転技術について話しているのを聞いて、衝撃を受けました。ただの電気自動車屋じゃない。トヨタのような工業製品として車を作ってる会社でもない。車が無人で自動運転できたら何が起きるかを妄想しました。人材不足が懸念されるタクシーも配送業界はもはやドライバー不要。ドライバーどころか、産業自体がなくなるのでは?そんなことを考えながらテスラ株に惹かれていきました。ただ、当時のテスラ社は黒字化されておらず、株を買うのはちょっとリスキー。と思っていたら、コロナショックで絶好の買い場がきました。それ以来、今日までテスラ株ホルダーです。

「え、テスラ株、まだ持ってるの?なんで400ドル超えた時に売らなかったの?」と投資仲間に聞かれることがあります。確かに最近はピーク時の半分以下の株価に下がったこともあります。

でも株価なんて、株主が企業に勝手に期待したり、失望したことが数値化された結果であって、テスラ社やイーロン・マスクのビジョンは全然変わってないんですよね。一貫して自動運転の実現に向けてブレずに開発を続け、彼が経営するNeuralink(脳科学)、SpaceX(ロケット)、xAI(人工知能)とのシナジー効果も促しながら、自動運転精度を上げています。また、テスラは電力の供給会社でもあるので、AI事業で今後急増するであろう電力需要にも応えてくれそうです。長期的には社会インフラになり得る企業といえるでしょう。

これらの理由から、テスラ株はとても手放す気にはならないです。むしろ株主として夢を見させてもらって感謝してます。今後も長く付き合えたらと思います。

フェラーリ株

「テスラ株にフェラーリ株、車好きなんだね」とよく言われます。いえ、違います。テスラ同様、フェラーリも自動車メーカーとは見ていないです。2020年3月のコロナショックで株価が暴落した際、自身の消費財やテック中心のポートフォリオに厚みを持たせる良い機会と思い、ラグジュアリーインダストリーを調査しました。理由は利益率が高く、今後は中国市場の伸びに期待できると思ったからです。

当初はルイヴィトンの親会社であるLVMH社の株に投資したいと考えていたのですが、日本の証券会社からフランス株式市場に上場されている個別株を購入するための手段がほとんどありませんでした。代わりに、米国市場で上場しているティファニー(現LVMH傘下)やコーチを傘下に保有するタペストリーなども検討したのですが、あまり将来性を感じず、見送りました。

そこで、発想を転換して、ラグジュアリーインダストリーから投資先を探すのではなく、他の産業でハイエンド製品を作っている企業を検討したところ、フェラーリ株に行き着いたのです。同社は調べれば調べるほど、LVMHとはまた違った魅力を持つラグジュアリーブランド企業であることがわかりました。当時、コロナ禍で車の製造ができず、業績は悪化していましたが、バックオーダー、すなわち購入待ちの客が列をなしているため、コロナ後の早期回復は確約されているも同然。また、伝説も多いです。フェラーリは需要よりも1台少ない数を供給し、高価格を維持。誰もが正規店で買えるわけではなく、過去の購入実績から新モデルを買うことを許可されるそう。

そのせいか、2024年6月の日経新聞によると、純利益は一台あたり1,400万円、純利益率はなんと20%。ROEについては脅威の44%(欧米平均20%)です。2016年に上場してから時価総額は10倍になったそうです。

フェラーリ社は派手な印象がありますが、ビジネスの観点からは非常に手堅い株です。知り合いが勤める富裕層の資産を管理するスイスのプライベートバンクでも推奨銘柄のひとつに挙げられています。安定した財務状況と数多くの魅力的なストーリー、右肩上がりの株価。以上の理由により、いつまでも大事に持ち続けたい株です。

まとめ

以上になります。株価は上がったり下がったりと、人間と同じで、良い時も悪い時もあります。自身の子供のように、長い期間大事に育てられそうなストーリーに出会ったら、ぜひ投資して見てください。

免責事項:
当記事は特定の銘柄の投資を奨励するものではありません。また、内容の正確性を保証するものでもありません。投資はご自身の判断で自己責任でお願いします。

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