ラーメン凪 創業記 第21章:香港編⑤確執、全譲渡。さらば香港！
ラーメン凪 代表 生田悟志が高校卒業から凪創業に至るまで、そしてその後の多店舗展開までの波乱万丈な創業記！？
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香港編 ①謎の香港人からの誘い・②出店準備・③オープン！・④ファクトリー開設
2012年春
待望の香港3号店が開店！
メディア露出や口コミなども手伝い、この頃の豚王は「並ばない香港人を並ばせる日式ラーメン店」として香港内でのブランド力を確固たるものとしていた。
あれよあれよと3店舗で毎日1,500杯以上を売上げ、懸念していたファクトリーの採算ラインもしっかり超えていった。
世界のキアヌ・リーブス氏も来店してくださり、マトリックス大好きマンとしては感無量。
「裏豚王」という月イチイベントなんかもやってみたり。なんと動画が残ってましたー！
そんなこんなで外から見れば順調そうな展開をしていた香港ですが。。
香港以外も2012年7月〜10月ごろはまさに出店ラッシュ。
ジャカルタ出店、台湾出店、日本では埼玉 大宮に出店。まさに矢継ぎ早です。
香港パートナーとのすれ違いが表立って出たのもこの辺りぐらいからでした。最初は「なぜ台湾やジャカルタでやるのか？」ということからでした。
凪側は他国から出店オファーをもらった時点で、最初の海外パートナーである香港パートナーに出店意向を確認しました。
それがどうだか、決定してから「聞いてない」と言い始めまして。というかそれも定かではありませんが。言葉が違う以上、言った言わないになるわけです。
凪側へのリクエストも強くなり、原材料の見直しなど迫ってきました。
「この香港でもジャパンクオリティであるべきだ」と主張する僕らと真っ向対立。何度も契約解消の話がをいったりきたり。
ま、ジャパンクオリティとか言いながら、日本から送る商材の醤油ダレや唐辛子に”ワビサビ”や”バットマン”、”夏帆”(女優さんの、当時大好きでした笑)といった名前を付けてパートナーから怪訝な目で見られていました笑
そうした軋轢がちょっとずつ進み始めて、ジャカルタ、台湾出店と続いたところで、いよいよ香港パートナーとギャップが明確に。もうこれは仕方ないですよね。香港パートナーからすれば自分たちが凪を見つけて芽を出させてやったぐらいの感覚です。たくさんお金出させましたからね。
しかし僕ら凪は自分たちがやってやった感覚です。
もうこうなるとお互いにストレスでしかありません。
台湾、ジャカルタでは51:49の持ち株比率で、現地パートナーと組んで運営しています。それは香港での失敗があったので、かなりガチガチの条件を組んでも契約が出来たからです。
では香港はどうだったか？
口約束的な形からスタートしました。
ブラックボックスである『味』については、凪が管理会社を立ち上げ、絶対に機密が漏れないようにしました。領収書や経理関係も全てです。
香港パートナーとモメる一番の原因になったのが、
「パートナーとして組んでいるにも関わらずなぜ材料を公開しないのか？」でした。
しかし、この件はそもそも最初からの約束で納得済みのはずでした。
次第に彼らの要求が強くなり、凪の仕入れ先の肉屋に勝手に電話して値段交渉を始めたりしてきました。
この瞬間から「もうパートナーとは信頼関係が失くなってしまったのだ」と思いました。こうなるともう商売どころではありませんってことで豚王の株の譲渡を決めました。
株譲渡後も凪のセントラルキッチンから豚王へ材料を下ろすかどうかですが、まーやりたくない。何故ならば、香港パートナーは今のラーメンの原価を下げて利益を出したいと。アホくさい。投資家とはこーゆーものですけど、最低ラインの内容では、そらあかんやろ。
でも多分それでも、売れるのがブランドです。
豚王は既に3号店を出店し、3店舗とも行列店。香港において日式ラーメンの”一番手”、ブランド店になっていました。
考え抜いた結論は「全てを手放す」ことにしました。
重要な要素の「基ダシ(ラーメンのタレ)」や「スパイス類」は凪から商材として卸すことで、味のブラックボックスは保ったままに。
ちなみに売却額ですが、相場は決算利益の4倍とか言われてるのでしょうか？相当額になりますが、所持した株40％と工場全てを渡す事にしました。
そこまでしなくても良いのですが、「勘違い」と「思い込み」によって変な方向に行くリスクは今後のモノづくりに必ず影響すると思いましたので「全て無償」にてお引取り頂きました。
よって、2013年2月を持って香港豚王は、凪の手から離れる事になりましたとさ！（その他の国では関係ないのですけどねー）
その後、凪独資で「ラーメン凪 香港」を出店。
香港一番弟子のネルソンが2021年の今日も凪の味を守り奮闘してれくれています！
香港編、完。
パートナー選びは慎重に！笑
つづく！
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