見出し画像

組織開発が目指すところはどこですか?~組織開発の4段階を考えてみた~

年末ということもあり、お客さまや同業の方々と夜の席をご一緒することが増えました。酒の力も借りて、本来私がいつも思っていることをその場に投じ、白熱議論することがあります(てへっ)。その中でも組織開発の文脈で、私の考えていることを整理しました。もしよろしければお付き合いください。今回は(も?)敵を作るかもしれないですが、そんなことは一切気にせず行くぞ~!テッテレー!

▼”組織開発って何ですか?”という問いに対し、明確に答えられない人が多くありませんか?
初めてお会いした時に相手方から自己紹介される際によくお話されることがあります。それは
”組織開発を専門にしておりまして…”。
その時私は、よくこのように伺います。
”そうなんですね!ちなみに、組織開発って何をもって組織開発と言われているんですか?”
↑嫌な質問ですね、ごめんなさい。

そこで行きつく先は、1on1やコーチングの、いわゆる最後の手法の部分の話が非常に多いです。
はじめにお伝えすると、私は1on1やコーチングの手法を批判しているわけではありません。組織内の関係性向上において、必要な領域だと心から思っています。ただ、組織開発を1on1やコーチングで一括りにして論じてしまうのは、非常に浅はかだとも思っています。

▼今、”組織開発疲れ”が起こっている
視点を少しかえて、事務局を務める人事の皆さんからお話を聞くことは、年単位で組織開発に取り組んだ結果、
”これ以上何をするべきなのか?”
”どのような変化が起こってきているのか?”
”どんな果実を得ることが出来たのか?”
という声が、内外から聞こえてくる、ということです。年末なので、来季の予算を編成する際に、経営陣から問われるのは至極当然な成り行きなのかもしれませんね。事務局の皆さんは本当にpureで、会社のことを考えて組織開発を推進されているので脱帽なのですが、なかなかに社内調整は難しいようです。

▼組織開発のレベル4
そんな時、たまに意見を求められます。私はそこを専門にしていないので適切な解ではないかもしれませんが、あえて私なりにまとめてみます。


レベル1:反応
組織開発を行って、個々人が思っていることや考えていることが周囲に言えるようになった、風通しが良くなった気がする、という声があがる。会社にいくことが億劫ではない。このような感情的な反応が出ている状態
レベル2:行動
今までは自分の仕事だけしていたが、誰かが困っていることを助けに行ったり、左中間に落ちている問題を拾いに行ったり、と利他精神に基づく自発的な行動が伴っている状態
レベル3:率先
会社からの公募や立候補などに率先して取り組み、組織に良い意味での影響(を発揮している/しようとしている)状態。ここまで行くとリーダーシップ論とだいぶ被る。
レベル4:結果
組織開発の一連の流れの結果、事業的な側面(業績の向上や新規プロジェクトの成功 等)の具体的な数値が向上している状態


組織開発を専門にしている方が答えられる解や、多くの会社で行われている組織開発もゴール感は大体がレベル1です。
それが駄目ではないですが、もっとその先も考える必要があるのではないかと思います。同時に、これら組織開発の領域は定量化しづらい領域です。そこにエンゲージメントスコアがあるわけですが、エンゲージメントスコアが上げたら業績がどのように上がるのか、というところまで設計したら最高なんだけどなぁ~と思ったりします。

・・・

書きながら改めて感じているのですが、レベル1がゴールだとしたら、やっぱり弱い。
難しいかもしれませんが、如何にレベルをあげられるか。ココに専門性やスペシャリティが生まれてくるはずです。
はっきり言うと、やっぱり組織開発の出口はレベル4の事業における結果に紐づけることが理想であって、そこを蔑ろにしてスタートさせてしまうプロジェクトが非常に多いのではないでしょうか。勿論、レベル1を期待値として持っているお客様だったらいいかもしれませんが、それだけではもたない…。

そして、社員の皆さんは、確かに会社に行くことが苦で無くなるのはいいけど、通常の業務の他に1on1もしているんだから、最後は評価されて給与待遇があがってほしい、と深層面で思ってしまうのはごく自然な感情変化でしょう(もう少し加えると、関係の質が向上するからといって、結果が向上するとも思いません。仕組み化や個々人の能力開発の方が、業績は上がると思っています)。

頑張っていただいた方に報いるのは組織として当然だと思います。そして、ある種”見返り”が会社から無ければ、エンゲージメントは反比例して下がると思いますね、組織開発という期待値を上げる活動をしているがゆえに、その反動として。

私が感じている違和感、それは、組織開発と言われる多くが感覚論/感情論をもって語られている、という現状です。それは、文化論/宗教論的な要素も多分に含まれます。本当にこれは価値観のレベルなので良い悪いはありませんが、私はたぶん理(ことわり)主義なんだと思います(とある先輩に教えて頂きました)。

追伸、
組織開発のレベル4ってカート・パトリックの効果測定のレベル4にもじったわけです。
あ、ちなみにパトリックという言葉が僕は好きです。

パトレック、パトレック、パチョレック・・・

←ポンセ パチョレック→

この二人は伝説。カッコ良すぎた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?