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カマタマーレ讃岐サポーターの熱狂

カマタマーレ讃岐

カマタマーレ讃岐は現在J3のカテゴリーに属する香川県のJリーグチーム。2011年JFLリーグ昇格後、J2に昇格するもJ3降格後は下位に低迷。2021年シーズンは最下位に終わっている。

先日、私の会社にカマタマーレ讃岐サポーターを名乗る男性がアポなしで連日訪れた。理由は、「このままではチームがダメになるから当時の話を聞かせてほしい」とのこと。サポーターも危機感を感じるほどの現状なのだろう。しっかり話すことができなかったので、今回はその1人の熱狂する男性サポーターに向けて伝えたいと思う。

OBの立場から感じるカマタマーレ讃岐の現在

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ここで簡単に自己紹介。私はカマタマーレ讃岐に2007〜2010年シーズンに渡り選手として在籍。チーム名がカマタマーレ讃岐に変わって2年目のシーズンで鹿屋体育大学卒業後に加入した。

2010年に日本で最も過酷な大会「地域CL」を勝ち抜きJFL昇格を果たした同年に現役引退。現在は香川県でパーソナルジムNOVASなどを運営する株式会社ノバスの代表取締役。

忖度なしで言わせていただくと、今のカマタマーレ讃岐の印象は「弱くて面白くない」の一言に尽きる。

批判しているつもりはないがこの言葉しか出てこない。

私の会社に訪れたサポーターに伝えたいことは、あなたみたいな熱狂的なサポーター(仲間)をあなた自身の力で増やすことだ。熱は必ず伝染する。当時5人程度しかいなかったサポーターがここまで増えたのだから絶対に可能だ。

私は選手やスタッフのことを把握してないので何とも言えない。ただし順位だけで判断すると勝ち試合が少なく最下位終わっている。

過去と現在を比較して議論するより、現実を受け入れて一歩でも二歩でも前に進むしか道はない。最善の策は勝ち続けることだ。

経営者視点から讃岐を調べてみた

カマタマーレ讃岐の取締役に香川県・高松市・丸亀市が入っていることはご存じだろうか。

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2016年時点の株式比率では3自治体で合計26.05%になる。
この事実は香川県が発表している包括外部監査結果報告書から確認できる(2022年2月現在の事実は把握してませんのでご了承ください)。

ここまで記すとお気付きの方もいるだろう。我々、香川県民の税金が出資金として計上されているのだ。

この背景には債務超過やJ2に昇格するための条件などが重なって現在の形となったと考えられる。

サッカーチームをビジネスとして考えてみる

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行政から出資を受けている以上、カマタマーレ讃岐は地域振興の一つとして期待されている。しかしながら県民の盛り上がりはイマイチだ。

行政の力で経営がしやすい状態にありながら、なぜこのようなことになるのか。個人的には、地方のスポーツチームをモデリングすることや協賛体質から協業体質へのシフトチェンジがポイントになると考える。

モデリングするスポーツチームはスポーツX株式会社藤枝MYFCを5年でJ3昇格後、地元企業に譲渡。現在はおこしやす京都ACを運営している。

社員の方とお話をする機会があったのだが、「15万人商圏でJリーグチームをつくれる」。社長でもない社員の方が自信を持って言われたときは、さすがに驚かされた。

会社業績は、社長の自信と社員の自信から掛け算のように膨れ上がる。事業計画に自信と実行力が備わっていたので、チームだけでなく会社に面白さを感じた。

協賛から協業へ

私は、ブランディングと実働のリターンが見込めない協賛金を出すことに対して、とても強いアレルギー反応がある。

以前、古くからの友人が協賛のお願いに来たのだが、「子供たちの未来のために」「子供たちにサッカーの環境を提供したい」とお願いしてきた。

1年目はどこまで頑張れるのか興味が湧いたので、応援の意味で協賛させてもらった(とくに見返りを求めてない)。

2年目の協賛更新は、ある程度の人間性の成長を期待していたのだが、今の環境にたいする愚痴しか聞かされなかった。ここで私は、お情けで協賛更新に来たのだなと判断した。

その瞬間、アレルギー反応が沸騰した。「子供たちのために」「子供たちにサッカーの環境を提供したい」という大義名分は理解できる。しかし、友人がしなくても私個人でもできるのだ。

まとめると、「お情けの協賛より、協業できる面白い提案を聞きたい」。

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カマタマーレ讃岐に話を戻すと、スポーツチームの収入源はスポンサー収入である。このスポンサー収益の構造を変えるだけで面白いことになると感じている。

先ほどお伝えしたスポーツX株式会社は、このような企画に長けていて、協業という地域密着の仕方でしっかりとマネタイズできている。

フロントが強いと全てが好循環する。協業という新しい形で香川県を盛り上げてほしい。個人昇格ではなく、チームとしてJ2昇格、J1昇格とステップアップすることを願っています。

今回は、1人の熱狂する男性サポーターがきっかけで私の想いを綴りました。
サポーターの方には感謝申し上げます。



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