うちやまさとし

外資系企業の情報システム部門などを経て1989年からデータクエスト(現ガートナー)でI…

うちやまさとし

外資系企業の情報システム部門などを経て1989年からデータクエスト(現ガートナー)でITアナリストとして国内外のITベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任、2019年2月に会長/エグゼクティブ・アナリストに就任 。

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  • これからのDX

    デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する記事をまとめています。

最近の記事

なぜ「新しいDX戦略」を出版したのか?

6月25日に新刊「未来ビジネス図解 新しいDX戦略」が出版されました。ここでは、本書の出版の経緯と「はじめに」の部分をご紹介します。 本書の出版のきっかけと経緯本書を執筆したのは、ちょうど一年前に出版した前著「未来IT図解 こらからのDX」がきっかけです。前著の企画は、国内でコロナウィルスの感染が拡大する直前の2020年1月7日に編集者の方から、会社の問い合わせフォームを通じてメッセージを頂いたことから始まりました。そして、翌週の1月16日に会社の会議室でお話を伺いました。

    • テクノロジーをもたない会社の攻めのDX

      日頃感じていたDXに対する問題意識デジタル技術を活用することによって飛躍的な成長を遂げる会社がある一方で、逆に世の中のデジタル化が進むなかでビジネスそのものが成立しなくなって危機に陥る会社もあります。世界中でデジタル化が急速に浸透する中、日本は1960年から1990年の高度成長期に形成された業界構造、事業形態、組織文化を温存し、停滞の30年を過ごしてきたことでデジタル後進国と言わざるをえない状況を生み出してしまいました。デジタル化する社会に適応した企業に転身できるかどうかが、

      • 触ってみるから始めるDX

        実体験からでしか得られない学びがある20年程前、インターネットの台頭によってEコマースやネットビジネスがにわかに注目された時がありました。企業ではEビジネス推進室を設置するなど、現在のDXと似たような盛り上がりを見せており、こうした取組みの推進者に向けたセミナーも盛んに行われていました。ある講演会でEビジネス推進者である受講者に対して「皆さんの中で、本でもチケットでも良いのでネットで買い物をしたことがある人は挙手してください」と問うたところ1割程度しか手が挙がりませんでした。

        • 発想を変えてDXに挑む

          「改善」「拡張」を超えるゼロ発想を手に入れるドイツで地下鉄に乗ろうとして改札機がないのに驚きました。入り口から階段を下りたところに券売機はあるのですが、改札はなくそのままホームに行くことができます。話を聞くと、時々見回り員が来て、切符を持っていない人は罰金を徴収されるそうです。高額な改札機の導入や保守費用と、無賃乗車やキセルによるリスクマネーを天秤にかけて後者を選択したのでしょう。結果として顧客にとっても快適な体験を提供しています。改札機の性能を高めることに猛進しているとこの

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        • これからのDX
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          バーチャル時々リアルは成り立つか?

          コロナ禍で疑似体験したアフターデジタルの世界観これまでの世界観では、リアル(店や対面)で接点を持つ人が、たまにデジタル(EコマースやSNS)でもつながるというのが一般的な考え方でした。しかし、モバイルやIoTの浸透によってあらゆるデータが捕捉可能となると、リアルの世界がデジタルの世界に包含されます。『アフターデジタル』(藤井保文・尾原和啓著、日経BP社)では、このような世界をアフターデジタルと呼んでおり、デジタルで常に接点があることを前提とし、リアルな接触はその中の特別な体験

          バーチャル時々リアルは成り立つか?

          イノベーション人材は研修では育たない

          ~ 私がITEGや内山塾を立ち上げたワケ ~ ■ 他流試合のススメ日本企業は新しい取組みを開始する際に、研修から入る傾向が強いように感じます。確かに人材育成はとても重要です。筆者もデジタル人材向けのイノベーション研修などを手がけているため、うれしいことではあるのですが、少し違和感を持つこともあります。 とくに大企業では、社外講師を招くなどして座学中心の社内セミナーやワークショップ形式の実習を用意し、上司推薦などで招集して行う研修が多く見られます。もちろん啓発的な意図や気づき

          イノベーション人材は研修では育たない