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イノベーション人材は研修では育たない

~ 私がITEGや内山塾を立ち上げたワケ ~

■ 他流試合のススメ

日本企業は新しい取組みを開始する際に、研修から入る傾向が強いように感じます。確かに人材育成はとても重要です。筆者もデジタル人材向けのイノベーション研修などを手がけているため、うれしいことではあるのですが、少し違和感を持つこともあります。
とくに大企業では、社外講師を招くなどして座学中心の社内セミナーやワークショップ形式の実習を用意し、上司推薦などで招集して行う研修が多く見られます。もちろん啓発的な意図や気づきを与えるという点で、意義ある取組みといえます。しかし、デジタル時代を牽引する人材は、口もとまでエサを運んでもらうのを待つひな鳥のような人ではないはずです。特に人材育成に熱心な伝統的な大企業は要注意です。
経験上、人がもっとも育つのは他流試合をしたときです。社外の、できればさまざまな業種や職種の人々と意見やアイデアをぶつけ合ったときに、知識や技能よりも貴重な体験を得ることができます。今は、社外のアイデアソン/ハッカソンイベント、ハンズオンセミナー、コミュニティによる勉強会や研究会などがあちこちで盛んに行われています。このような他流試合の場に、みずから参加する人こそイノベーティブな資質を持った人材ではないでしょうか。
企業は、これまでの人材育成や教育研修プログラムといった自社に閉じた考えを捨て、自主性を重んじ、外の空気に触れる場と機会を提供することが大切だと考えます。

図1

ちなみに、ここまでの内容は下記新刊書籍のコラムでも紹介していますので是非そちらもご一読ください。

ITEGと内山塾

私は、以前から他流試合の重要性を訴えていましたが、2008年に2つの行動を起こしました。1つが企業のIT部門の方々の交流と共同研究を実践する場として「企業IT力向上研究会(ITEG)」の立ち上げです。ITEGの主旨や活動については下記URLをご参照ください。https://www.itr.co.jp/company/iteg.html

そしてもう1つが次世代リーダー育成プログラム「内山塾」の創設です。10年間30期で600名以上の卒業生を輩出しており、2018年(11年目)からは内容を一新した企業内イノベーター育成プログラム「内山塾X」を始動しています。内山塾の主旨や活動については下記URLをご参照ください。https://www.itr.co.jp/event/uchiyamajyukuX/index.html

先が見えない時代である今日において、これまでと同じ企業文化で、同じ事業を行い、同じ働き方や業務を遂行していては生き残りさえ危ういといえます。今こそ会社の外に出て(もちろんオンラインでも構いません)、違う空気を吸ってみてはどうでしょうか。

#企業IT力向上研究会 #ITEG #内山塾 #内山塾X #ITR

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