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お受験

 我が家の子供たちは、小学校はドイツのインターナショナルスクール、中学校は日本の公立学校でした。息子は中学一年の7月にドイツから帰国したので、帰国枠で国立大学の付属中学校へ入学しました。帰国枠でも試験がありました。試験の内容は親には判りません。試験を受けた次の日合格の発表がありました。「難しかった」という態度が息子からなかったため、入試形式ではなく一般常識程度の問題だったと推測しています。
 小中学校における「お受験」は息子の中学編入時ぐらいで、まともに受けたものが無いため経験として語れません。とはいえ最近は小学校から私立に入れるご家庭も多く、私が通勤で使っている神奈川県内の私鉄にはたくさんの私立小学生が乗車してきます。一年生からいるので、小さいのに電車通学大変だなと思いつつ、時には微笑ましい光景もありますが、電車が走行中に移動するなど危険な場面にも遭遇します。
 入学当初は親がホームまで見送りに来ます。電車が走り出すと、そこはもう子供たちの空間です。本を読んだり、おしゃべりをしたり、まだ足がつかない列車の椅子に座って、皆さまざまに時を過ごします。大抵の子達は友達と一緒ですが、制服が違う子が一人で寂しく乗っていたりすると、ちょっと心配になります。後から友達が乗ってきてホッとすることもあります。他人の子供ですが、子供は今や貴重な社会の宝ですから、この心の反応は正しいと認識しています。
 電車に乗っている子供たちは、基本「お受験」をパスした子供たちなので皆幸せそうな表情をしているように見えます。良かったね。
 半面、パスできなかった子供たちがいるのも事実です。その子たちの毎日の表情はどんなものなのでしょうか。知る術はありませんが、そんなことを考えると、この電車内の空間と外が全く違った世界に思えてしまう時があります。考え過ぎですけれど。
 子供なのでお受験の意味を余りよくわからず、毎日元気に楽しく遊んでくれていたらいいな、と思っています。

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