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episode final 『仮面ライダー龍騎』


 手元に届いた台本には、「秋山蓮/仮面ライダーナイト」と書かれた下に、しっかりと「松田悟志」と書かれていた。この名前に生まれ変わった僕が立ち向かう、最も大きな仕事であることは間違いない。まぎれもない、人生をかけた試練だった。
 そして、この役を通じて、僕は今まで僕のことを全く知らなかった多くの方々に出会うことになるだろう。そのことを考えると、ページを捲る手が震えた。

 川口さんとの電話を切ったあと、母に電話をかけた。
 「なんやのん。なくなったり、またやるってな
  ったり、ややこしいなぁ」
 「まぁな、そういう世界やねん」
 どういう世界なのか。僕だってまだ3年しかこの世界にいないんだから、真実の姿が掴めているとは思わない。それでも、努力や情熱や想いのようなものが、時としてまっすぐ相手に届く世界であることは間違いのないところなのかなということを感じ始めていた。
 オーディションぶりに会った武部プロデューサーに、なぜ僕を採用したのかを尋ねた時、武部さんは「第一次で、オーディションルームに入って来た時から、私も白倉さんも秋山 蓮はこの人って決めていましたよ」と。そして「何度も呼んじゃってごめんね」と笑った。 

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いま一度、人生を振り返りました。こんなどうしようもないやつでも、俳優になり、そして仮面ライダーになることができたという道のりをありのまま書き記しています。 50日で完結するハッピーエンドです。 ぜひ最後まで読んでください✨