見出し画像

episode47 第四次 最終オーディション


 僕が最終オーディションに残ったという連絡は3次審査の後、すぐに来た。

 そして迎えた、オーディション当日。
 「いよいよだね」
 東映の銀座本社へ着くと、あからさまに緊張した面持ちで川口さんが言った。エレベーターを降りると、スタッフの方が控え室へと案内してくれた。
 広い、会議室のような空間だった。そこに、同世代の俳優が何人もいて、今までこの人たちと競い合っていたのかと、ライバルのはずなのに、ずっと見えなかったものが可視化された安心感のような、不思議な感情が芽生えた。
 あたりを見回していると、一際光り輝いている人がいた。容姿はみなそれぞれに魅力的だったけど、その人だけは纏っている空気そのものが違って見えた。僕はなんとなく、その彼が『龍騎』の役に選ばれるんじゃないかなと思った。
 「では、須賀さん、松田さん、お願いします」

ここから先は

3,478字
この記事のみ ¥ 100

いま一度、人生を振り返りました。こんなどうしようもないやつでも、俳優になり、そして仮面ライダーになることができたという道のりをありのまま書き記しています。 50日で完結するハッピーエンドです。 ぜひ最後まで読んでください✨