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古民家で暮らそう!⑭「立つ鳥跡を濁さず」

この移住&リノベーション体験記は、10年前に我が家が兵庫県・多可町に引っ越しをしたときのことを振り返りながら執筆していますが、今は「古民家空間 kotonoha」という民泊&レンタルスペース兼自宅、デザイン事務所として活用しています。

まずはきれいになった下記のページをご覧いただき、「ボロボロだった状態が頑張ればこうなる!」という過程を楽しんでいただければと思います。そして、是非、いつかお泊りに来てください。お待ちしております!

夢の別荘生活?

6月末に家を購入しましたが、8月末までは生瀬の家も賃貸契約をすることにしたので、2ヶ月間は家が2つ自由に使える夢の別荘生活を送ろう!と思っていましたが、実際のところは仕事が立て込んでいた時期だったので、あまり通うこともできませんでした。
しかも、節約のために片道2時間弱で往復4時間を高速を使わずに通っていたので微妙に遠く、必要最低限しか行かないという残念な結果に終わりましたが、改修作業の途中経過の写真も撮りたかったということもあるので、特に用事がなくてもできるだけ訪問するようにしていました。

壁と柱の補修

新居に行く時間があまり無いにしても、引っ越しの準備には取りかからないといけません。
賃貸だった生瀬の家は、元々かなり古い家で柱や梁などもずいぶん歪んでいたし、壁や柱も釘の穴だらけだったので問題はないのですが、壁は猫たちに随分やられていました。
黒猫のコージィより前にいた猫たちは、壁や柱をガリガリすることは全くなかったのですが、コージィがやりはじめたら、その後から来たニノとシシィもやるようになってしまいました。しかも綿壁なので、かなり悲惨なことになっています。どうしよう…。

2階の踊り場に作った洗面台
こんなのがあちこちに…
ピカピカではなく、適度に馴染むように補修
似た色の綿壁材で目立たないように補修

さらに悲惨なのが襖。襖の枠が半分の太さになっています。ここまで来ると襖そのものを取り替えるしかないので諦めもつきます。一旦、襖を解体して、細くなった材だけを取り替えて組み直し、紙を貼り直したら新品になりました。
柱も多少やられていましたが、これぐらいなら砥の粉で埋めて、サンダーで磨けばきれいになるので大丈夫でした。

襖もボロボロ
柱も傷だらけでした

その他、納屋の壁にこんな絵を描いたりしていますが、これも塗りつぶせば良いだけなので大丈夫です。

アクリル絵の具で描いた壁画
きれいに塗り直し

ウッドデッキの解体

そして、庭のウッドデッキも自分で作ったものですが、これも撤去しないといけません。材木としてはまだ使えるので、新居の中庭のウッドデッキ用に分解して持って行こうと思っていましたが、すでにネジが錆びていてドリルで抜こうとしても抜けないし、途中でネジが折れてしまったりします。
きれいに外れたものは再利用して、外れない箇所は丸鋸で切り刻んで解体しました。捨てる場所も無いので、次の場所で設置しようと思っている薪ストーブの燃料として持って行くことにしました。

自作のウッドデッキ
解体して持ってきました

出ていく準備

生瀬の家はすでにかなり古くて、武庫川沿いの14軒は河川拡幅のために「立ち退き」という話も出ているので、僕たちが出た後はたぶん誰も入居しないでしょう。14軒の内、我が家だけが借家だったので我が家的には全然問題はなかったのですが、持ち家の方は立ち退きエリアという噂がたってしまって、売りたくても家が売れなくて困っていたみたいです。
そうは言っても、賃貸の契約書にも「ペットによる破損は借り主が修復することに同意した」って書いてあったので、出て行くときにはそれなりにはきれいにしないといけないかなと思って頑張りました。
そのお陰で、入居時に敷金として預けていた3ヶ月分の家賃は、全額戻ってきました。

13年も住み続けた家から出て行くのも、新居に移り住むのと同じぐらい大変なことというのを実感しました。

結局、更地に…

しかし、引っ越しをした数年後に見に来てみると、更地になっていて、お気に入りだった大きなモミジの木も切り倒されていました。
この家では半年に一度ホームコンサートを開催していろんな人に出会えましたし、JR福知山線の事故後にはたくさんの遺族や負傷者の皆さん、メディアの方との出会いもありました。良いことも苦しいこともたくさんあった家でしたので、なんだか時の流れを象徴する出来事のようでちょっとショックでした。
その他の川沿いの家も、立ち退きということもあってか、すでに数軒が更地になっていました。

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