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「大企業病―パラダイス症候群」という悪夢を見た。

昨晩、大企業病についてのなんとも後味の悪い、不気味な夢を見た。
悪夢過ぎて、冬なのに寝汗で起きてしまった。悪寒が止まらない・・・

今朝の私

大企業病とは、お客様本位(カッコよく言うと、Customer First)ではなく、自分本位・現状維持が優先されたりスピード感のない経営がされている様のことを一般的には言いいますよね。

創業者である松下幸之助が経営の根幹に据えているのが「お客様大事」。
創業者の経営基本方針を大切にしているパナソニックで働いている者として「お客様大事」から離れてしまった組織では何が起きてしまうのかー、
夢の中の記憶の限りメモを残してみることに。

※下記はどこかの会社で起きていることでは全くありません。
100%、私の悪夢の中だけの出来事です。
その点は強くご了承をお願い致します🙇
(そもそもこんなことが起きている会社があったらもう潰れているはず)

それではよろしくお願い致します。

夢の中の設定?のようなもの

夢の中では、「大企業病」という表現は少し昔の通称のようです。
「xx社は大企業病だ」という言い方は大企業で働いている人に対しての差別表現であること、そしてコトの本質を捉えていないという理由から使用を控える動きがあり、そのかわりに「組織免疫不全パラダイス症候群」という医学的ぽい?正式名称(通称としては単に「パラダイス症候群」)として呼ばれているそうです。

「パラダイス症候群」という呼び名に個人的には不覚にも笑ってしまったのですが、名前とは裏腹に、極めて深刻な免疫不全症候群であるとのこと。
しかし、夢の中では額に「パラダイス症候群」と書いてある楽しげな人がたくさん出てきており、極めてコミカルに話は進んでいきます😅。

楽しげな登場人物

「パラダイス症候群」の発症~死に至るまでのメカニズム

病気が発症するのは主にバックオフィス組織から。
(営業組織における売上・利益目標のようにお客様に対して発揮した価値を構成する成果指標が存在していないために病の発症を許しやすいそうです)

メカニズムは7つの要素(覚えている限り・・)で成り立っている模様。

  1. ひとりの自分本位から始まる

  2. 自分本位の活動を追認する禁断の一手

  3. ブラックボックス化による予算・権限拡大

  4. 働き方の高い満足度と神格化の加速

  5. 相互不干渉による免疫不全スパイラル

  6. 人は成長しないが就職人気は落ちない

  7. 加速度的に転移し死に至る

続いて、メカニズムの詳細です。

「パラダイス症候群」のメカニズムの詳細

1.ひとりの自分本位から始まる

  • (お客様に対して発揮した価値を構成する成果評価が存在していないので)組織のメンバーは、「自分がやりたいことをやりたい。誰(お客様、組織長、上位者)からも干渉されたくない。振り回されたくない。振り回されると中長期的な活動が出来ない。

  • 「活動リソースは継続的に会社に提供してもらいたい(自分で稼ぐことはしない)」
    という気持ちから始まるキッカケだそうです。
    (パナソニックが大切にしている「お客様大事」「社員稼業」がない)

2.自分本位の活動を追認する禁断の一手

  • 組織長/上位者は(お客様に対する価値・利益創出より先に)メンバーがやりたいことを全力で挑戦出来るように環境を用意するらしい。

  • 組織内メンバーはやりたい仕事をやらせてもらえるので組織長への信頼が厚くなり、「組織長は私たちの活動を守ってくれる。そのお陰で活動が存続出来ている」と組織長を神格化するようになるらしい。
    (パナソニックが大切にしている「社員稼業」「任せて任さず」がない)

3.ブラックボックス化による予算・権限拡大

  • 組織長はメンバーの自由な活動を守る(継続し、更にリソースを獲得するために)ために活動の目的・成果・進捗をブラックボックス化し、予算・権限獲得に奔走するらしい

  • お客様に対して発揮した価値を構成する成果指標や目標の導入を見送り、あくまでも自分たちに都合が良い指標や見方で成果を計るとのこと。

  • ※なぜブラックボックス化するのか?⇒オープンにすると他の組織と重複した仕事、お客様本位ではない仕事を大きく修正・または手放さざるを得ない(=予算を減らされる)からとのこと。
    (パナソニックが大切にしている「衆知経営」「社員稼業」がない)

4.働き方の高い満足度と神格化の加速

  • パラダイス症候群に陥っているバックオフィス組織では多くのメンバー(=部下)を抱える人・組織の待遇が高く(つまり部下の人数が大事)、良くないと分かってはいるが意図的にパラダイス症候群を起こしてしまう(=組織免疫異常)らしい。そして組織長の神格化は強まるらしい。そのため、働き方を示す各種サーベイ・調査をすると、パラダイス症候群に陥っている組織ほど、従業員の働き方の満足度が高くなる傾向があり、全社的には模範的な組織だと評価されやすいのだとか。

  • しかし、営業組織などパラダイス症候群に陥りづらい組織や経営トップからは、あの組織は自己満足を追いかけているだけで本当にどうしようもないわ・・・と評価は正反対になりやすいとのこと。お客様本位の前提なしに、DEIの浸透から入ると苦戦もするらしい(多様性を認めよう、社員の可能性を信じよう が強くなりすぎる)
    (パナソニックが大切にしている「お客様大事」「産業報国の精神」がない)

5.相互不干渉による免疫不全スパイラル

  • 各所に上記の組織が生まれる中、自組織の利益を出来るかぎり確保・減らないように共存をしようと考える。自分が文句を言われて予算を削られるリスクを減らすためには、互いが互いのことについて不干渉になっていくらしい

  • お互いに敢えて関心を持たない・接点を持たないようにして、重複活動を知りながら、お客様本位ではないことを理解しながらも自らの利益のためにやり過ごすことが当たり前になっていくとのこと。
    (=本当は知っているけど、知らなかった と弁明することが増える)

  • パラダイス症候群に陥っている組織からはこの状態を問題視する声も多数出るが、パラダイス権益を享受している、より上位者からことごとく揉み消される。知らないふりをして重複作業や付加価値を生まない仕事を増加させ、そのために人員を増やし、人が増えるので社内の人事評価が更に高まる「→4」という免疫不全スパイラルに陥るそうだ。
    (パナソニックが大切にしている「素直な心」「公明正大の精神」がない)

6.人は成長しないが就職人気は落ちない

  • パラダイス症候群に陥っている=お客様価値を生みだすために必死に試行錯誤している状態ではないので、ポテンシャルに優れた人材であっても、ポテンシャルを最大限活かして価値を生みだすための能力の成長曲線は鈍化しやすく、人材の価値は若くても下落してしまうこともあるらしい。

  • パラダイス症候群に陥る自社に絶望した若手優秀層の離職が止まらないが、「あいつはマネジメントの本質を分かっていない」、「清濁併せ呑むことが出来る器がなかった」とパラダイス権益層は切り捨てるので、本質的な問題には切り込まれず、昔ながらの「年功序列の仕組み」に「ジョブ型」を組み込もうとはする。パラダイス権益を奪われてしまう上位者層からの静かなる、そして強い反発で制度改革も骨抜きになってしまうらしい。

  • 厳しい競争環境に晒されながらプロフェッショナルとしての成長を志向する職場ではないが、(上位者の考えを受け入れれば)自分がやりたいことをまったりやれる職場として就職人気ランキングは大きくは落ちないのだそうだ。むしろ働きやすさを重視したランキングは高まることもある。

  • 「歴史と信頼のブランドがある会社」、「若くても自分がやりたいことを任せてもらえる会社」として認知される。成長志向の人からは全く相手にされなくなり、会社に安定を求める人や(お客様に対峙するのではなく)自分がやりたいことを探求したい人から人気の企業になるらしい。つまり、志望する人の質はものすごく大きく変わる。つまり、「会社に利益をもたらす人」ではなく、「会社の利益を享受したい人」が志望する。
    エントリー者数やエントリーもとの大学名は大きく変わらないので一見何も変化していないように見えてしまう。
    (パナソニックが大切にしている「物をつくる前に人をつくる」「お客様大事」がない)

7.加速度的に転移し死に至る

  • 1~6が各所で繰り返されることで、「お客様本位ではない」&「組織長が神格化された」&「メンバーの働き方の満足度が高い」&「ブラックボックス/蛸壺化した」&「人が成長しない」強固な集団が出来上がってしまう。その内、良くない動きだと目立つようになり、世間からリソースを預かっている経営トップの独断で、突然組織やチームごと解体させられる、または大幅に予算・権限を奪われることになるのだとか。

  • しかし、免疫不全に陥っているので、組織長もチームメンバーも内省や自責として捉えることはなく、あくまでも他責(xxxのせいで自分の活動を続けられなくなった)。無能な経営陣や仕事をしない自分の上位者のせいで自分たちの活動が認められなかったと嘆く。

  • そんな状態だから、すぐに「1」の発症、「2→5」の連鎖が起きてしまう。モグラたたきをしても加速度的に悪化していき、これらを繰り返すうちに過去築き上げてきたすべての資産を吐き出してしまい、最後は死に至る。

  • ※死に至ることが分かってもこの免疫不全症候群に陥ると誰しも「パラダイス=楽園」のように感じてしまうことからパラダイス症候群という名称になっているとのこと。辛過ぎる・・・😢
    (パナソニックが大切にしている「世間は正しい」「自己観照」がない)


と、悪夢はここまで。

夜中にガバッと目が覚めて・・・
とにかく現実の出来事ではなくてホッとした。

中途入社1年目の私は「大企業」について、まだ語れる経験を十分には有していない。

しかし、この発症メカニズム自体が正しいのであれば、
多くのウイルスの侵入に対して「手洗い」が有効なようなようにー、

私たちにとっては「経営基本方針(経営理念)」が盾になる。

創業者の経営基本方針を大切にしているパナソニックでは、絶対にこんなことを起こしてはいけないと感じた。

特にバックオフィス側で働く人間として、絶対にこのようなことが私たちの会社で起きないように肝に銘じて真剣に向き合わなければならない。

創業者が残してくれた経営基本方針(経営理念)を大事にしなくては。と強く、強く思いました。

パナ社内、「学ぶココロ」内でキャラ化した幸之助さん

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