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ダンゴムシの夜

得体の知れないプレッシャーに苛まれる。ただ目の前のことに夢中になって、或いは地に足を着けて生活をすればいいだけなのに、遠くにいる誰かのことが羨ましかったり、憎たらしかったり、まだ会ったことのない人や知りもしない人にいつか出会うべき日があるのではないかとか、考えても仕方のないことを考える。もしそれを望むのなら、それ相応の正しい努力がきっとあって、そのことについて考えるべきなのだろうけれど、体が宙に浮いてしまう。蝶のように舞い、蜂のように刺す表現がしたい、そう思うけれどこうして極めてパーソナルな文を加えるとダンゴムシのようで、飛びもしなけりゃ刺しもしない。綺麗でもなければ厄介でもない。ただなんとなく「できれば居てほしくないもの」として存在してしまう。石をひっくり返してはじめて見えるような、そんな鈍い存在で、多くの人はわざわざ石をひっくり返したりはしてくれない。どんな生態で生きていようと、目に留まらない。つつかれるたび丸くなり身を隠し、遠くへ、遠くへ。そう思って移動するが、ダンゴムシ比でガンバッテ遠くへ行ったとて、蝶や蜂や、まして人と比べたら、これっぽちも遠くへなんか行けていない。あぁ、誰かに会いたい。そう思う夜、石の下から。

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