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スタバの居心地

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私はよくスタバを利用する。

コーヒーが美味しいというのもあるが、それだけでは年に何十回も通うことはない。

スタバにはサードプレイスという戦略がある。

家でも職場でもない第三の場所という意味だが、誰もがくつろげる場所を提供することに全力を注いでいるのだ。


今日もスタバにやって来た。

店員も客に心地よさを提供することに余念がない。

丁寧な接客は言うまでもなく、レジ待ちの客への気遣いもすれば、小まめな清掃や後片づけも徹底している。

しかもそのすべてにおいて落ち着いていて、慌ただしさが全くない。

レジにできている行列に並ぶのも嫌な気がしない。

店に入った瞬間から、スタバという空間を楽しんでしまっているのだ。


私だけではない。

ほとんどの客がリラックスして心地よさを楽しんでいるように見える。

1杯400円もしない美味しいコーヒーを注文するだけで、落ち着いた空間と時間を心行くまで堪能できるのだ。

店員も本当に楽しそうに働いている。

満足そうな客を見て、逆に心地よさをもらっているようにすら思える。

心地よいからもっと接客したくなる。

やりがいも感じるし、プロフェッショナルなプライドも持てる。

客との間に、しあわせのwin-win関係が築けているということではないだろうか。


これはどれだけ凄いことだろう。

実はスタバにはスタッフマニュアルがないらしい。

多くは薄給のアルバイト店員のはずだが、そんなことは微塵も感じさせないほど、スタバのコンセプトを正しく理解し自ら考えて行動しているのだ。

そこには経営者の強い信念とぶれない意志が強烈に感じられる。

自ら考えて行動するよう、スタッフへの教育が徹底されていることがすぐにわかる。

スタバには全国何十店も行ったが、どの店も例外なく居心地がよい。


私のお店の目指すところも同じだ。

お客様に居心地のよいお店だと思ってほしい。

ホームページを訪れた瞬間からしあわせな気分になってほしい。

あれ?

いつものようにリラックスしに来たスタバで、今日は身の引き締まる思いになってしまったようだ。

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実は、この記事は、一年前、私のお店のホームページに載せるために書いたものです。

この直後に、世の中の在りようがガラリと変わり、カフェでくつろぐ日常が突然奪われました。

私は、もうずっと、スタバでくつろぐことが、できずにいます。

お店の前を通るたびに、遠目から中の様子をうかがってみますが、お客様も店員の方も、みんなマスクを付けて、できるだけ静かにされているようです。

やっぱり、これが新しい日常になってしまうのは嫌です。

あの頃の日常が、早く戻ってくることを願ってやみません。

最後までお読みいただきありがとうございます。少しでもあなたのお役に立てたなら嬉しいです。