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自分を生かす

月曜日の「ZIP!」で、水卜麻美アナウンサーが結婚報告しているのを見ていたら、自分も急に結婚したくなってきた。

ひとり暮らしを始めて2年以上が経つけれど、ふとした瞬間に寂しさを感じることは、今でもある。炊飯器のスイッチを入れ忘れるとか、天気が悪くなるのに洗濯物を干しちゃうとか、食パンを盛大に焦がすとか、何かをやらかすたび、こういう時に助け合えたり、笑え合えたりする人がそばにいればなあ、と考えてしまう。

たまには気合を入れてごはんを作ったりもする。でも、テレビの音声だけが垂れ流される部屋で、1時間以上かけて作ったごはんを15分くらいで平らげてしまうのは、ただの効率が悪い作業にも思えてくる。

そして今月は特に、ひとり暮らしの辛さを痛感した。というのも、今までコロナにかからず、これといった風邪もひかなかったのに、ついに体調を崩してしまった。でも、誰も病院には連れて行ってくれないし、ポカリとかゼリーも自分で買いに行かなくちゃいけないし、雑炊も自分で作るしかない。「もし今ここで倒れたら、誰も見つけてくれないかもしれない」という恐怖にも襲われた。

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というわけで急遽、実家に帰って羽を休めることにした。大分空港の到着ロビーで待ってくれていた両親の姿を見て、この上ない安心感を覚えたのは、「誰かがそばにいる」という事実を確認できたからなんだろうと思う。今は、母親が作ってくれるごはんを毎日食べて、だんだん元気を取り戻しつつある。

今週火曜日の深夜に放送された「午前0時の森」でも、水卜アナの結婚が祝福されていたのだけれど、その中で、オードリーの若林さんが、自身の新婚時代を語る場面があった。

ごはんって、明日も生きるために食べるものじゃん。それを誰かが作ってくれて、ナスのお味噌汁と鮭と白いご飯、目の前に初めて運ばれてきて、俺びっくりしたんだから。「この人、俺を明日も生かそうとしてる」って。
午前0時の森/若林正恭

食事に限らず、自分を生かすためのあらゆる営みを、自分自身でこなさなければいけないのと、少しでも誰かにやってもらえるのとでは、大違いだ。そばにいる誰かに生かされつつ、自分もそばにいる誰かを生かす。そういう関係性の尊さを、住み慣れた土地に帰って来た今、身に沁みて感じている。

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地元の同級生の多くは、この春に大学を卒業した。彼らの姿を見ていると、自分が「選ばなかった道」をどうしても想像してしまう。もっと地元に近い大学へ進学する世界線や、この春、社会人になるという世界線も、あり得たのかもしれない。でも、過去は変えられないのだから、自分が選んだ道を正解にできるように生きていくしかないし、そうすると決めたはずだ。

東京に戻ったら、自分を生かすための営みを、自分自身でこなさなければいけない日々が、また始まる。地元からは遠く離れているけれど、東京にも信頼できる人はたくさんいるのだから、もっと他人を頼って、大学生最後の1年を乗り切りたい。そして、笑顔で卒業式を迎えたい。

新しい生活を始めるみんなも、元気に日々を送ることができますように。

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