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うつ病持ちは冠婚葬祭に出るのがしんどい

祖母の通夜と告別式に参列してきた

先日祖母が亡くなったので、その通夜と告別式に参列してきました。そこで感じたのはうつ病などの精神疾患を持っていると親戚との会話で気まずい空気が流れるということです。

冠婚葬祭では親戚付き合いがどうしても生じます。身の上話と言ったら良いのでしょうか、儀式の合間に時間ができると親戚から何回も話しかけられます。

「今何をやっているんだ?」「もう大学は卒業したのか?」「就職はどうしたんだ?」とか色々と聞かれるわけです。

そこでうつ病だったり発達障害を患っている人は大体返答に窮すことが多いと思います。なぜなら正社員として働くことが健常者と比べてとても難しい、もしくはできたとしても長続きしないからです。

私も今回は親戚との会話で結構気まずい空気になってしまったことが何回もありました。とある親戚から「もう大学は卒業したのか?」と聞かれて、「もう大学は卒業したのですが、もう一回別の大学に進学することになりまして...」と答えるともうすでに空気は凍り付くわけです笑

まあ「変わっているねえ」と言われて会話は終わりましたが、やはりこういう会話が何回も続くとメンタルが消耗します。しかもその再入学先の大学でさえも退学する予定なのですから尚更です笑

葬式に参列して良かった点

一方で葬式に参列してみて良かった点もあります。1点目としては葬式がどのような流れで行われるのかを知れた点です。わたしは恥ずかしながらこれまでにそうした儀式に参列したことがあまりありませんでした。

以前に祖父が亡くなったときは浪人生だったこともあり、予備校の授業があって告別式には参列することができませんでした。

これから年月がたてば私の父と母が亡くなる可能性もあるわけで、その時は喪主を自分が務めなければいけません。しかし、そうした儀式に参加したことがなければ、どういう流れで進んで行くのかがわからず大変です。

ただ今回、通夜と告別式に参列してみて色々と勉強になるところがありました。特に通夜と告別式で来る人の受付を担当していたのですが、親戚の名前と顔を一致させることができた点は大きかったと思います。

これまで、家族との会話で親戚の名前が出て来ることは何回もありましたが、実際にあったことがある人は少なく、顔と名前が一致していない人がほとんどでした。

しかし、今回は「受付で香典を受け取って引き出物の引換券を渡す」という役割を担ったことで、親戚や家族の職場の同僚の方などの名前と顔を一致させることができました。

葬式で辛かった点

ただ、良かった点ばかりではありません。もちろん精神疾患を持つものとして辛かった点もありました。それは儀式が全て終わった後の疲労感です。

冠婚葬祭全ての儀式に共通するものだと思いますが、こうした儀式はとにかく気を張っている時間が長くて、精神疾患を持っている人にはとても負担になります。

私もお坊さんがお経を唱えている場面では疲れすぎて眠ってしまいそうになりましたし、その疲労感は半端なかったです。

儀式が全て終わって家に帰った後も疲労感が取れず2、3日寝込んでしまいました。私の母もうつ病を患っていて、同じ葬式に参列していたのですが、やはり2、3日調子が戻らなかったそうです。

さらに、私はパニック障害を持っているのでその点で辛かったこともありました。それは通夜の儀式の前に一般人で参列される方の受付の準備をしていた時、パニック発作が襲ってきた時です。

一般の人の受付をしなければいけないということで緊張感が強くなって、パニック発作が起こりそうになってしまいました。しかし、なんとか周りの親戚にバレないように頓服薬のリーゼを口に放り込んで急いで舌下投与することで難を逃れました。

舌下投与すると、普通に水で薬を流し込むよりも効いてくる時間が早くて、緊急時には助かります。特にリーゼは最高血中濃度に達するまでがとても早い短時間型の薬なのでどうしても乗り切らなければいけない場面では役に立ちます。

精神疾患を持つ人は冠婚葬祭に参加した方が良いのか

では果たして精神疾患を持つ人は冠婚葬祭などの儀式に参加した方が良いのかについてですが、結論から言うと「体調に問題がない範囲で参加した方が良い」と思います。

私の場合はパニック障害とうつ病を患っていますが、症状としてはパニック発作が出てしまっても、最悪頓服薬でどうにかすれば良いと思っています。

そのように、症状をコントロールできるのであれば儀式に参加しても全く問題ないと言えます。むしろそうした社会的な場に立ち会うことで体を慣らせることができるので社会復帰には有効だろうと思います。

もし儀式に出た後で疲労感が出てしまってもそれは仕方がない体の反応です。以下の小山さんのnote記事に書いてあるように、疲れやすい体質を改善するための方法は「慣れる」しかないのです。

現代社会における疲労感の正体は精神的疲労がほとんどです。そうした種類の疲労に対応する術はやはり段々と体を慣らしていく脱感作法しかないわけです。

精神疾患を持つ人が社会復帰を目指していく上で大きな関門となるのが、そうした「疲労感」や「体力のなさ」をどう克服していくかです。私は個人的に今回の葬式への参加を通して社会復帰への良い訓練になったなと思いました。

もちろんその時の体調によりますが、精神疾患に悩んでいる人はそうした冠婚葬祭を一つのチャンスとして捉えてみるのも良いかと思います。

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