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「疲れやすい」体質を改善するための、たったひとつの現実的な方法

「すぐに疲れてしまう」という悩みを持つ人は多い。

例えばいわゆる「ひきこもり」と呼ばれる人たちの中には、通院のため何時間か外に出ただけで疲労困憊して何日も寝込んでしまう──という人が少なくない。ここまで重症でなくとも、定時で仕事が終わるのに毎日疲れて疲れてどうしようもない、という方も居るだろう。

片や、世間には信じられないバイタリティを持つ人々も存在する。連日連夜のハードワークをこなしながら、真夜中まで飲み歩き1,2時間仮眠を取っただけで元気に翌日職場に現れる───そうした人々も数多く存在する。特に昨今はSNSの普及により、良くも悪くも「見知らぬ同世代」の動向が目に入ってしまう世の中だ。そうした体力モンスターたちが仕事に遊びに恋愛にとバリバリ全開で邁進していると、つい焦りや劣等感を抱いてしまう…という方も少なくないに違いない。

なぜ、「疲れやすさ」はこうまで個人差があるのだろうか。

「疲れやすさ」はまたの名を「体力」とも言う。なぜ少しの活動で疲れてしまう人がいる一方で、どれだけ活動しても疲れない人がいるのだろう。できることなら無限の体力を手に入れたいと多くの人々が願っているはずである。疲れやすい人と疲れにくい人の間には、一体どのような違いがあるのだろうか。

「疲れやすさ」の別名が「体力」であるように、一般的に筋力や心肺機能などの運動能力と「疲れやすさ」は関係していると言われている。この民間信仰を信じて、タフになるため筋力トレーニングや有酸素運動に励んでいる読者も居るかもしれない。しかし基本的に、運動能力と「疲れやすさ」の間に直接的な因果関係は存在しない。冷静になって世間を見渡せば、激務で有名な救急医やキャリア官僚は別にビルドアップされた身体付きをしているわけではないと気付くはずだ。小柄な女性でも激務をこなす人はいくらでもいるし、逆にボディビルダー並みの体格でも疲れやすくてまともに働けない人もいる。

それでは「疲れやすさ」とは一体なんなのだろうか。

どうすれば「疲れやすい」身体を改善することができるのだろうか。

実のところメンタルヘルス領域ではこれは大真面目な研究の対象となっており、ほとんど定説となった「疲れやすさ」の改善法も存在する。本稿では「疲れやすさ」をめぐる虚報と実態について解説していく。


「疲れやすさ」の解像度を上げる

まず最初に、巷でよく広まっている最大の誤解を解いておこう。

それは「疲れにくい人間は何をやっても疲れない」という大誤解だ。

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週に1-2回程度更新。主な執筆ジャンルはジェンダー、メンタルヘルス、異常者の生態、婚活、恋愛、オタクなど。

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