狂人日記

「フェミニズム版ソーカル事件」を起こした哲学者、大学から追放される

「フェミニズム版ソーカル事件」を起こした哲学者、大学から追放される

「第二のソーカル事件」と呼ばれる事件が2017年に起きたことをみなさんはご存じだろうか。 「ソーカル事件」とは言わずと知れたポストモダン思想史における大事件だ。1990年代初頭、ニューヨーク大学の物理学教授だったアラン・ソーカルはポストモダン思想と呼ばれる知識体系に疑問を抱く。当時のポストモダンは数学や物理学の知識を援用して社会構造を論ずることが流行していたが、本職の物理学者であるソーカルには彼らの科学知識があまりにも不確かに思えたのだ。 ポストモダン思想の学術的欺瞞を告

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「心の時代」の終わりと始まり

「心の時代」の終わりと始まり

かつて「心の時代」と呼ばれる一時期があった。 もちろん明確な定義などないのだが、自分の感覚としては1980年代初等から2010年あたりまでの期間がその時代に該当すると考えている。特に1990年代における心理学ブームは凄まじいものがあり、フロイトやらユングやらの解説本が雨後の筍のようにポコポコと発売され、大学の心理学部は全学部屈指の倍率を誇った。 しかしそのような時代は、どうやら終わってしまったらしい。心理学を志望する学生の数は往年の半分程度にまで落ち込んだし、「心」に何か

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男女の「友達格差」はなぜ生じるのか
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男女の「友達格差」はなぜ生じるのか

なかなか興味深い話題がバズっていたので紹介したい。「男性の友人関係」に関して、グレイソンペリー(英国の芸術家。女装家としての側面も持ちジェンダーに関する著作がある)を引いて解説する一連のツイートだ。 「男性のつらさ」問題が珍しく万バズを引き起こしていると思ったら、典型的な「男性学」ロジックが展開されていて真顔になってしまった。 上掲の主張は「男性のつらさは男性規範によって形作られる」という「男性学」の主張そのままの焼き写しだ。男性学の説くところによれば、男性はマッチョイズ

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なぜフェミニストは男児向けシェルターの設置に反対するのか

なぜフェミニストは男児向けシェルターの設置に反対するのか

なかなかに陰鬱な一件があった。性暴力被害や虐待被害などの過去がある方は注意して閲覧してほしい。 児童虐待とそのサバイバーの問題に取り組む「NPO法人虐待どっとネット」の代表理事である中村舞斗氏のTwitterが「炎上」した。 どのような発言が怒りを買ったのだろう。以下が「炎上」を引き起こした一連ツイートになる。 中村舞斗氏の問題提起はごく素朴で穏当だ。実際、男児を受け入れる子供シェルターの数は極めて少ない。もちろん虐待や性暴力の被害にあう男児は少なからず存在するのだが、

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9月の総括と、革命前夜の三部会

9月の総括と、革命前夜の三部会

というわけで9月も終わってしまったわけだが、個人的に2021年の9月に対しては言いたいことがかなりある。

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「性欲をなくす薬」でペドフィリアは救われるのか
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「性欲をなくす薬」でペドフィリアは救われるのか

先日、とある小児性愛者の方から切実なお便りを頂いた。 「もし性欲をなくす薬が発明されても自分の苦しみはなくならないだろう」 そう綴る彼の手紙は、何かと悪魔化されがちな「性欲」という欲望の根源的な部分を突いているように感じられた。 少々長いが、以下に引用しよう。 この投稿は「性欲とは何か?」「なぜ性関係からの疎外は人間を害するのか?」という命題について、重要な核心を見事に突いている。 昨今は「男性のつらさは実存の問題」「非モテ男性は男同士で集まってバーベキューでもして

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中学三年生の国語の時間に偶然出会った作家と友達になれたこと
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中学三年生の国語の時間に偶然出会った作家と友達になれたこと

私が中学三年生だったとき。この日の国語の授業は、新しい単元に入ることになっていた。 「ふーん、今日は小説か。・・・え、この作者、これ何て読む?」 教科書の目次にあった名前が、読めなかった私。 魯  迅 (ろじん)「ろじん?なんか面白い名前!へ~、中国の作家か・・で、これどんな小説?」と、クエスチョンマークだらけになって教科書の本文を読み始めた。 『故郷』他郷で知事にまでなった私は二十年ぶりに、故郷に戻る。母が住む古い家を人手に売るために。また、子どものころ知り合った少

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エッセイ:なぜザクIIの型式番号は覚えられるのに人の名前は覚えられないのか

エッセイ:なぜザクIIの型式番号は覚えられるのに人の名前は覚えられないのか

どんなに頑張っても人の名前が覚えられない。そんな悩みを抱えている人はきっと多いのではないか。何を隠そう自分もそのひとりである。 その人がどういう人で、先日会った時なにを喋って、どんな家庭環境やら経歴やら職業の人で…ということは全て覚えているのだが、悲しいことに名前だけが思い出せない。こんなことが自分の人生では100万回ほど発生しており、何回目かの酒席で大いに盛り上がったあと「そういえばお名前は…」となり先方を憤慨させてしまったこともある。 ここまでならよくある話なのだが、

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「性的客体化」論の根底にある「弱者を排除したい」という女の欲望
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「性的客体化」論の根底にある「弱者を排除したい」という女の欲望

もはや何度目かもわからないが、またしてもオタク系表現物がフェミニストに燃やされているらしい。 千葉県警が交通ルールの啓発動画に採用した「戸定梨香」なるVtuberの外見が「性的」で「女性蔑視にあたる」との抗議が全国フェミニスト議員連盟から送られ、千葉県警は啓発動画の削除を余儀なくされた。 フェミニスト議員連盟のロジックはいつもお馴染みの「性的客体化」論で、女性を性的な表徴として描くことは「女性とは性的なものだ」というスティグマを促進させるから問題なのだという。 自分がし

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「ポルノの自由」が体制を揺るがす 中国ボーイズラブ規制10年史

「ポルノの自由」が体制を揺るがす 中国ボーイズラブ規制10年史

中国が「ボーイズラブ」などのカルチャーに対し規制を強めているという報道が注目を集めている。自分は中国情報の専門家ではないのだが、数年ほど前から密かに中国のBL規制についてヲチっていた一人として収集した情報のまとめをみなさんに提示してみたいと思う。 まず、中国のBL規制は今に始まったことではない。少なくとも10年以上前から続く中国の国内政策であり、その目的は体制の維持にある。 2011年から2021年までの中国のBL規制と、そこから伺える中国政府の方針について本稿では綴って

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