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嘔吐恐怖症を根本から治す方法

治療は2段階に分かれる

私はパニック障害に伴う嘔吐恐怖症も患っていましたが、現在では吐くことへの恐怖感はかなり薄れ、克服しつつあります。

そこで今回は嘔吐恐怖症への治療をどう進めたら良いかについて書いていきたいと思います。

まず治療は2段階に分かれると思います。まずは現在吐き気が出ているのだとしたらそれを抑えるための治療、それから吐き気が出ても問題ないと思えるようになるための治療です。

1.吐き気を抑える薬を服用する

嘔吐恐怖症を持つ人の中には常に吐き気があり、そのことによって行動範囲が異常に狭くなってしまっている人がいます。

例えば歯医者とか美容室とかにいくのをためらってしまうような人です。

そうした人はまず吐き気をしっかりと抑える薬を飲むことが必要です。

食事の後に膨満感を感じて吐き気がする人はプリンペランやドンペリドンが効くと思います。

また歯医者や美容室など、閉鎖空間にいくとパニックになって吐き気を催す人は抗不安薬や抗精神病薬が効くと思います。

抗不安薬でいえばロラゼパムの舌下投与はかなり効果的だと思います。

ほとんどの人は抗不安薬で予測性の吐き気は抑えられますが、たまに抗不安薬だけでは抑えられない人がいます。

そういった人には抗精神病薬がおすすめです。

抗精神病薬だとオランザピンが吐き気止めとして効果があるとされています。抗がん剤の吐き気止めとしても使われていますから試してみる価値はあります。

またそれ以外にもミルタザピンという抗うつ薬も吐き気に効果があるという研究結果が出ています。

うつ病治療にはミルタザピンは15mgから使いますが、嘔吐防止にはたった2.5mgで効果を発揮したそうです。

さらにアモキサンという三環系抗うつ薬もドパミンD2遮断作用があり、吐き気を抑える効果が期待されます。

私の経験ではアモキサンを50mgなどの比較的高用量で使うと抗精神病薬のように働いて吐き気を抑えてくれる効果があるように感じました。

これらの薬を使って吐き気をしっかりと予防しておくことが大事だと思います。

2.吐き気が出ても問題ないと思えるようになる

次に吐き気が出ても問題ないと思えるようになるための治療です。

ここからが嘔吐恐怖症との本当の戦いです。なんせ吐き気が出るような環境に自分から飛び込まなくては行けないからです。

抗不安薬などの吐き気防止薬をしっかりと使ってから、吐き気が出やすい環境に自分で突入します。

この時に吐き気が出るようなら無理して我慢しないで吐いてしまってください。

たとえあなたが電車の中で吐いてしまっても気にするような人はいません。

案外日本人は他人に対して無関心で厳しいので気にしてくれる人は少ないです。

そうして、「吐いても何も危険なことは起きなかった」ということを体験することが大事なのです。

私も電車の中でパニック発作が起きて何回もオエっとなってしまった経験があります。

吐いても電車の中の誰も気にしているそぶりは見せませんでした。

その経験から、「吐いても誰も気にしてないんだな」と思えるようになってから、吐くのが怖くなくなりました。

むしろ吐いてしまえば吐き気がなくなってスッキリするから、「吐き気がしたら吐いちゃえばいいや」と思えるようになりました。

たとえ美容室や歯医者で吐いても、命までは取られません。「迷惑な客だな」と思われるくらいです。

嘔吐恐怖症の人は吐いてしまって周りに迷惑をかけるのを極端に怖がっている人が多いですが、「迷惑をかけるくらいでちょうどいい」のです。

美容室や歯医者はこちらがお金を払って行っているのですから、こちらはお客様です。だから多少迷惑をかけても問題ないのです。

吐き気を抑える薬をすでに飲んでいるわけですから、これ以上吐き気を抑える術はありません。

ですからそれでも抑えられなければ、容赦なく吐いてしまっても良いのです。

吐くという行為は人間の生理的な反応ですから仕方がないことです。

ですからそのことで周りに迷惑をかけていると思わなくても大丈夫です。

存分に吐いてください。

「もういいや、吐いちゃえ」と思えたら、それがあなたが嘔吐恐怖症を克服できた時です。

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