[アモキサン]うつ病治療の最後の一押しとなる薬
うつ病治療には段階があり、急性期→回復期→維持期というふうに段階が進んでいきます。もちろん、この通り順調に回復が進めば良いですが、多くの人が回復期にいまいち体調が良くなっていかない停滞期に陥ってしまいます。
今回はうつ病の回復期における停滞に効く薬を医師のブログの紹介も含めて書いていきたいと思います。
ドパミンが足りていない
私の経験からいうと、うつ病の回復期においていまいちやる気が起きないとか、もう一押しにかけるという場合は脳内で「ドパミンが足りていない」のです。
ドパミンはやる気や意欲、「何かをしたい」という欲求に関わってくる神経伝達物質です。
多くの患者の場合、セロトニンやノルアドレナリンはよく使われるSSRIやSNRIといった抗うつ薬で補えているので問題ありません。
しかし、ドパミンを増やす抗うつ薬というのはあまり存在しないので、うつ病回復まであともう一歩というところで回復が停滞してしまうのです。
もちろんドパミンだけを増やす薬としてエビリファイとかレキサルティといった抗精神病薬はありますが、私が服用した限りではかなりの確率でアカシジアが出て使いづらいといった印象があります。
ドパミンにも効果のあるアモキサン
そこでドパミンに効いてくれる抗うつ薬としてアモキサンという薬があります。今ではアモキサンは販売停止になって日本国内では処方が限られているので、個人輸入をするしか入手方法がなくなってしまいました。
私の場合はオオサカ堂というサイトでよく個人輸入をしています。ジェネリック医薬品ですが2週間ほどで届きます。
このアモキサンはネット上や精神医学の書籍上では主にノルアドレナリンを通して抗うつ作用を発揮すると書いてあります。
しかし、以下の医者のブログにもある通り、ノルアドレナリンだけでなくドパミンにもしっかりと効いてくれます。
このブログの中ではサインバルタを60mgまで使ってもいまいち効果が表れなかった患者に対して最後の一押しということでアモキサンを50mg使っています。
そのおかげでこの患者は引きこもりから回復してアルバイトを週に3〜4日できるくらいまで回復したと書いてあります。
ストラテラとアモキサンの違い
ノルアドレナリンとドパミンの両方に効いてくれる薬といえば、ADHD治療薬のストラテラがあります。
このストラテラとアモキサンの違いはその「効果の純粋性」でしょう。
ストラテラはどちらかというと効果がとてもシンプルで、ノルアドレナリンとドパミンだけ増やして終わりという薬です。
しかしアモキサンは三環系抗うつ薬です。昔から使われている歴史があり、ノルアドレナリンとドパミンの他にも、ヒスタミンなどのさまざまな神経伝達物質に作用します。
kyupin先生風にいえば「効果に厚みがある」のです。
実際に私が使用した感じだと、ストラテラは日中の活動時間が増えます。気持ちがカラッと元気になる感じがします。
それに比べてアモキサンはむしろ服用するとちょっと眠くなります。夜服用するのにちょうどいい感じです。
ストラテラはカラッとした効き目ですが、アモキサンはもっとこってりとした効き目があります。アモキサピンの方が効き方が複雑ということです。
抗精神病薬としてのアモキサン
アモキサンの服用量ですが、以下のkyupin先生の記事によるとかなり個人差があるようです。
ちなみに私の場合はアモキサンの用量調整中ですが、25mgでは何も効果を感じません。
50mgを服用すると精神がベールに包まれたような感じになって、刺激に対して動じなくなります。
アモキサンはドパミンD2遮断作用があり、抗精神病薬のような効き方をすることがあるからでしょう。
おそらく私の場合は50mg以上服用するとアモキサンが抗精神病薬として働き、神経を保護してくれているのだと思います。
抗うつ薬でありながらメジャートランキライザーとしての一面もあるというのがアモキサンの面白い特徴だと思います。
吐き気止めにも使える可能性がある
ドパミンD2受容体を遮断するということは原理的に言えばドンペリドンのような制吐剤と同じような働きをするので、吐き気を止めてくれる作用もあると考えられます。
アセチルコリンの遊離が促進され、胃腸の動きが活発になるのです。
抗がん剤の吐き気止めとして使われるオランザピンほどの効果はないと思いますが、少しは吐き気止めとしての効果を期待しても良い薬だと思います。
食事の後の膨満感による吐き気が気になる人は使ってみると吐き気が軽減されるかもしれません。
アモキサンの用量
kyupin先生の他の記事を読んでみるとたった10mgでも効果がある人がいるなど、かなり少量でも効く人がいるようです。
なので試すときはできるだけ少量から試していくのが良いと思います。
少量から試すとまずは抗うつ薬としての効果が発揮され、用量を増やすと抗精神病薬的な効き方になっていくと思われます。
吐き気のあるうつ病に使う場合も10mgなどの少量から使うのが良いと思います。
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