見出し画像

年末に食中毒になった

※食事中の方はお読みにならないでください。


2023年も終わろうかという日。自宅にて。
私は突然ゲ◯を吐いた。
最初は吐き気だけ。超絶ムカムカして動けなかった。水も飲めなかった。最悪レベルの乗り物酔いのようだった。
「これは吐く!」
と思ってから走り、ぎりぎりトイレに間に合った。
その勢いがまさにマーライオン。
「ドボドボ……」じゃない。「ジャーッ!」だ。
食べたものがすべて出てしまった。もったいないと思った。
悪寒がして震えが止まらないが、感覚に反して微熱程度。
横になっても気持ち悪くてビニール袋が手放せなかった。
これは間違いなく何かしらの感染症をもらってきたのだろう。

定時で帰ってきた夫に、うどんやゼリーを買ってきてもらったが、それも吐き気で食べる気にならず。ちょっと食べたが、やっぱり吐いた。もったいない。
そして翌日。

夫も吐いた。
トイレがとても賑やかな日に。
ベッドの横にはお揃いの手桶とビニール袋。
しんどい。
この時点で正体はわからないが、何かしらの感染症が広がってしまっていることだけはわかった。
微熱とはいえ発熱しているので、ふたりで予約を取って仲良く発熱外来へ行くことに。

なお、吐き気がするとき、横向きで寝るのが一番楽だということを学んだ。
座ったまま前屈みになったり、うつ伏せから起き上がるときに胸を逸らしたりすると、急激に胃の中のものが逆流してきた。
気をつけよう。覆水盆に返らず(?)

診療所で

発熱外来の先生は、言葉遣いが丁寧で、とても穏やかで上品な人だった。「私と全然違って育ちがいいんだろな」、とちょっと羨ましくなってしまった。まあ、お医者さんだし……。

私だけ新型コロナやインフルエンザの検査をされたが、どちらも陰性。
夫が痛い思いをしないように、私が身を張って鼻グリグリされてあげたのよ。

そして、先生に訊かれた。
「この一週間で、焼肉やお刺身などを召し上がりましたか?」
実は私たち、この日から5日前に焼肉屋で食事をしたのだが、すっかり忘れていて
「いいえ」
と答えてしまった。
昨日の夕飯でさえ思い出せないのに、どうしてここ一週間の食事を覚えているだろう。
夫が、
「彼女は忘れていますが、焼肉を食べています」
と訂正してくれたおかげで、先生はひとつの考えを提示してくれた。

『カンピロバクター食中毒』

食中毒といえば、該当する食物を食べてから数時間後に具合が悪くなるイメージがある。
カンピロバクター菌は、動物の体内にいることがあり、その肉を摂取してから症状が出るまでに1週間ほどの間隔が空くのだという。
なお、該当する食物を口にしていなくても、共用のトイレなどから感染する場合もあるので注意が必要だ。
(余談だが、人間は動物ではないと思う。ちょっと火を通してない肉を食べただけで病気になってしまうほど弱い生き物だと、身にもって感じた)

さて、先生が提案した治療法は、

・解熱剤を使わず、菌を体の外に出し切る

・カンピロバクター菌にも有効な抗生剤を服用

・消化の良いものを食べる

という3本柱。とてもわかりやすい説明だった。
慌てて予約したクリニックだったが、ここを選んでよかったと思った。
とりあえずコロナやインフルでないことがわかったので、この日は調剤薬局にて処方された薬を受け取って帰宅。

年末年始で病院が休みに入る前に診てもらえたのは、不幸中の幸いだった。
先生、薬剤師さん、ありがとうございました。

発症から受診までの流れをまとめたイラスト

帰宅後、先生がちょっとだけ触れていたギランバレー症候群についてグーグル先生に訊いてみた。
主に筋力の低下や手足のしびれなどがあらわれるらしい。食中毒への感染がトリガーになり、食中毒自体が回復してから数週間後に発症することがあるのだと。(ギランバレー症候群も通常は時間とともに回復するらしいが。)
ちょうど今の時期からその『数週間後』なのだが、大丈夫だろうか。正直こわい。

なお、現在ギランバレー症候群で闘病されている方には、センシティブな話をしてしまいすみません。

コロナよりつらい

翌日、私はずいぶん身体が楽になっていたが、夫の方は悪化。なんと大量の黒い吐瀉物を出してしまったと聞き、私の方が大慌て。胃からの出血が時間が経って黒くなったものだと思われた。今度は一番早く診てもらえそうな別のクリニックへ。
私は夫について行っていないので(受診者以外建物に入れない)、詳細は不明だが、診察の結果、問題はなかったらしい。胸をなでおろした。

しかし、家で休んでいても夫はなかなか良くならない。嘔吐対策の桶と一緒に横になりながらひとこと。
「コロナよりつらい。」
まじかー。

夫がコロナに感染してからの日々を残した記事はこちら↓

私は、気持ちだけなら、夫がコロナに罹っている時より楽だった。コロナの時は、絶対に私にうつらないように、非っ常〜に気をつかっていたから。それも丸一週間、毎日。
今回はどちらも感染しているので、隔離する気も、神経質になって家の共用部分を消毒する気もなかった。(本来正しい行動なのかはわからないが。)
少しでも体調が良い方が、悪い方の世話をすれば事足りると思った。
結局、夫の方が悪化してしまったので、ドラッグストアに買い物に行ったり、食事を用意したり、枕元のポカリを補充したり、私の方が病人の世話をしている時間が長かった。それが愛を深める行動なんて思わない。ふたりで元気でいるのが一番いいよね。

回復してから食べたもの

カンピロバクター菌くんが私の身体の中で大暴れしていた時は、何も食べられなかったので、「あれもこれも早く食べたいな」と思っていた。
クリスマスに食べそびれたケーキとか、K◯Cのフライドチキンとか。ちょうどその時、テレビCMはそればかりだったから。(私がいやしいだけの可能性あり)
いざ元気になってから食べてみると……、そこまで感動しなかった。もちろん、美味しいのだけれど。数日間ゼリーやお粥ばかり食べていたので、「こんなに味濃かったっけ?」と驚いてしまった。
でも、いつも当たり前に食事ができる感謝は忘れてはいけないのだと思う。またいつどんな理由で食べられなくなるかわからないからだ。

学んだこと

焼肉は美味しくて、食べたら元気になる特別な料理だ。それは間違いない。
でも、大事な行事の前の、たとえば壮行会や景気付けの場では選ばない方が無難だと思った。(バーベキューとかも)
なぜなら、ちょうどその大事な行事の最中に食中毒を発症してしまう可能性があるから。
カンピロバクター食中毒に罹って学んだことだ。
そして私は、また数週間後には懲りもなく焼肉を食べるのだろう。

おまけ

このマーライオンのイラスト、自分でもちょっと気に入っているので、はじめて、noteの『みんなのフォトギャラリー』に投稿することに。
よかったら使ってください。(どんな状況で使うんだ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?