見出し画像

言葉のことばかり【モチモチ】

モチモチとか
シャキシャキとか

食べ物がおいしいと思う理由のひとつに
「食感」があります。

「味」じゃないところで、
うまいとかまずいとか感じるってのも
不思議な話ですが、

みんな無意識に「歯ごたえ」とか
シャキシャキ感がいいよね」
とか言ってるわけで、

食べ物の好き嫌いを
大きく左右しているのは間違いありません。

で、ボクが好きな食感は
『モチモチ感』です。

一番わかりやすいのはポンデケージョね。
ブラジルのパン…。

あとぬれ煎餅なんかも好きです。

モチモチってのは、
決して「やわらかい」わけではなく、
かといって、
噛みごたえがある…というわけでもなく、
まあ中途半端な食感ですね。

パスタのアルデンテってのとも、
ちょっと違いますね。
どっちかというと、さぬきうどんに近いか…

でも、しこしこ
なんて表現されるところをみると、
やっぱり違うような気もする。

じゃあ、何が拠りどころなのか…。

当たり前ですが「モチ」ですね。

モチモチ感って、餅のような感じ
ってことなんでしょうから…。
Like a Mochiですね。

モチのようであること

とすると、同じようでも
シャキシャキとはちょっと違う。

シャキシャキは音から来てて
モチモチが餅みたい、だとすると
似てるようで違うということになります。

いやいや、
モチモチってそれ自体が食感じゃん、
って思いは消えません。
うーん、謎は深まる(大げさだ)

そもそも餅。

ここで思うのが、
そもそも「モチ」という言葉が
食感から来てる
説です。

モチモチはモチから来てるけど
元のモチは食感から来てるんじゃないか。

語源を調べてみました。

おもちの語源には、4つの説があります。

一つ目は、植物「モチノキ」に由来説。モチノキの樹皮から取れる粘着成分を使い、ガムのように野鳥をくっつけて捕える「トリモチ」に似ているからといわれています。ベタベタくっついて伸びるという点ではそっくり! かなり有力です。
ニつ目は、満月を意味する「望月」説。今でこそ長方形の「切りもち」が主流ですが、鏡もちは丸もちを2つ重ねたものですし、お祝いの時に投げるおもちは平らで丸い形をしていて、名残を感じさせます。実りや和をイメージさせる丸、満月の形に似せていたのだとしたら、縁起物の「もち」にピッタリ。なんだか風流ですね。
三つ目は、長持ちで持ち歩きできる保存食・携帯食としての「持ち」。シンプルすぎる気もしますが、それほど身近な存在だったとも言えるのかも?
最後は、台湾語で「もち」という意味の「モワチー」由来。これは日本語の音訳説もあり、どちらが先かよくわかっていません。

https://cp.marumiya.co.jp/omochitei36/post/06.html

二つ目の「望月」説がおもしろいですね。
じゃあこの望月の「望」は何かと言うと、

望月(満月)もちづき
陰暦十五夜の月。満月のことで、狭義には陰暦8月15日の夜の月をさす。「もち」は「持ち」の義でつり合う意といい、陰暦大の月16日、小の月15日の月が太陽と東西に正しく相対するために「もちつき」というとか、この日の月が全円形となって左右対称となるからなどとする説がある。

https://kotobank.jp/word/%E6%9C%9B%E6%9C%88

まさかの「持ちつ持たれつ」で
つり合ってるから来てるとは。

持つ→いっぱい→満ちる→満月
ってことでしょうか。

持つという行為と満足するという感覚が
繋がってる気分はわからんではないです。

モチの膨らむ感じとか、
腹持ちが良くて満足する感じとか。

三つ目の「持ち」は「保ち」で、
こうなると時間まで入ってきます。
期間が満たされる。

なんかとんでもなく深くなってきた。

待て待て、
名前が食感から来てるという説が
どこにもありません。

ここで一つ目。とりもち説です。

この説、僕は
おもちのモチに似てるからとりもち
だと思ってました。

ですがとりもちの方が先みたい。
で、その前に
「モチノキ」ってのがあるらしい。

そしてなんと、モチノキのモチは
粘り気を表す言葉として使われたらしい。

これは食感ではなく触感の方ですが、
やっぱ元を辿れば感覚の表現ぽいです。

モチとモチモチの違い。

もう勝手に
「モチ」は食感だと決定したいと思います。
決定です。

そうするとさらに見えてきます。

モチは「モ」と「チ」でできている。
食感と言っても複合技なんですね。

モーと伸びて、チ、と切れる。

これが独特の感覚を表している。
ただ伸びるだけじゃない
この「チ」がポイントなわけです。

自分はこの感覚が好きなんだと思う。

じゃあモチとモチモチの違いは何か。

モチ単体でも、
「モチっとした」というふうには使う。
たぶん感覚に違いはない。

モチモチはそれの連続性を表してます。
おもちを食べるところを想像すると
一口にかける時間が長い。
わりと口を大きく開ける気がします。

しかしモチモチの方はそれに比べて
ちっちゃく何度も食べる感じがする。

つまり
おもちを食べてもモチモチとは言わない。
というか、言えないと思う。

逆に言うと、
モチモチにはそれほどガッツリ感がない。

つまりモチモチに満足感はない。

なので「モチの語源」にあった
満ちる、保つ、というニュアンスは
失われていることになります。

モチモチはすでにモチではない。

これが結論ですね。

これだけモチモチのことを
考え続けたことはありません。
まあ普通ないよな。

ずっと
「モチモチ」という字を見続けてたら
ゲシュタルト崩壊じゃないですが、

文字が、ハングルとか
中国漢字の簡体字に見えてきた。

これ以上続けると胃もたれしそうなので
この辺でやめときます。
長くなってすいません。

次回の言葉は「あいことば」です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?