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Day271:実践「ジョブ理論」ハーバード・ビジネス・スクール クリステンセン教授 最新マーケティング理論

タイトル:実践 「ジョブ理論」

著者:早嶋聡史

出版社:SOGO HOREI PUBLISHING

「顧客がほしいのは、プロダクトではなく、彼らの抱える問題の解決策だ」

「顧客と市場を知るのは、顧客のみ」ーピーター・ドラッカー

《問題提起》

企業はいつの間にか属性を顧客ターゲットの指標として用い、購買理由を明らかにする作業をすっとばして、商品を提供することに焦点をあてはじめるため、「なぜ」がないがしろにされる。

AIやビックデータからは、イノベーティブな商品は生まれない!

顧客を整理することばかりに頭がいき、“ジョブの発見“から遠ざかる。

多くの企業は、顧客が商品を購買することにフォーカスし、顧客が購買したあとのことには無関心(顧客フォローが苦手)商品使用におけるジョブを再発見する企業はあまりない。

正しく論理的思考を身に着けて、理性的な判断をすればするほど、出てくるアウトプットは同じになる。

《問い》

◆ジョブ理論とは?

顧客が商品やサービスを購入する理由を明らかにして、それにまつわる解決策を提供する一連の考え方

◆ジョブとは?

“特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩“

※「顧客はなぜ買うのか?」に焦点をあてる

《ジョブの理解》

顧客が、その状況下で「なぜ、その行動をとらなければならないのか」を徹底的に分析して、定性的に、文脈として、ストーリーで表現する。

ニーズ的な商品で市場が埋め尽くされている今、打ち手としての差別化は、顧客の“ウォンツ”に目を向けて価値を提供すること。

ニーズは顧客が望む最低限の欲求なので、ある程度属性や塊によって共通で、基本的欲求なので分析そのものに苦労しない 。一方で、ウォンツは顧客によって異なる。そのため、顧客を個の客と捉えて正面から向き合い、この客の目指したい姿に対して商品を提案することができれば、当然、その個の客は価値を見出す。

「ジョブハンティング」(ジョブを見つけるための取り組み)
-「ビジョナリーカンパニー4」ジム・コリンズ

狂言的規律(行動の一貫性) 「自分は対象顧客のジョブを探し続ける」というぶれない心が大切。

実証的創造力  人はすぐに慣れた行動をしたがる(慣性の法則)人から聞いたことではなく、自分で対象顧客の特定の状況を観察して、実験を繰り返し、具体的な事実と向き合う。

建設的パラノイア  常に最悪のシナリオを認識し、その打ち手をシミュレーションする。

《ジョブをみつける5つのポイント》

1.身近な生活のなかでジョブを探す
2. 無消費
3. その場しのぎ対応
4.できれば避けたいこと
5. 意外な使われ方

《ジョブ(例)》ミルクシェイクの学び

午前中に解決したい”ジョブ”がある

例)仕事先まで長く退屈な運転の退屈しのぎ(というジョブ)

例)優しい父親の気分に浸る(というジョブ)

《ビックハイアとリトルハイア》※ハイア(雇用)

購入するタイミング→”ビックハイア”

購入したあとに実際に使用するタイミング→”リトルハイア”

事業の源泉はリトルハイアのなかにこそ多くの可能性がある。(競合がノータッチ)

《特定の状況を捉える》

ジョブとは、「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」

顧客のジョブには必ず発生するまでに背景が存在する。特定の状況を理解するには、特定の顧客に焦点を当て、その状況に至る背景や置かれている立場を分析する。

特定の状況を把握するためには、ジョブが発生する前後、ジョブが発生するまでの背景をその後の状況を観察して、一連のストーリーとしてとらえることが大切。

《響いたメッセージ》

ひとつですべてを満たす万能の解決策は結果的に何ひとつ満たさない。

ジョブとは、商品を雇用するための動機(ジョブを片付けたい動機そのもの)

成功するイノベーションは、顧客の成し遂げたい進歩を可能にし、困難を解消し、満たされていない念願を成就する。

ジョブを解決しても、障害があればかってもらえない。

販売に軸足をおく企業は力を弱め、販売後の顧客のフォローに軸足を置く企業が、そこから得た情報をもとにさらに顧客の問題を解決していく流れができ始めている。

ニーズよりもウォンツに目を向けたほうが顧客に対して付加価値の高い商品を提供しやすくなる。

30%の市場シェアであれば、巨人。それでも70%は自社のモノを買ってくれない。我々はその70%についてなにも知らない(70%が非顧客)

《アクション》

「特定の状況」で「顧客」が「成し遂げたい進歩」をインタビューを通して明確にし、対象顧客のウォンツを探る。

「ジョブ理論」(理論編)↓

今回ご紹介した本はこちら↓


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