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【本について】
タイトル: OPEN TO THINK

著者:ダン・ボンテフラクト 出版社:あさ出版

Q.どうしたら自分の思考の悪い癖から抜け出すことができるか?

A.「クリエイティブ思考」→「クリティカル思考」→「アプライド思考」で考えること


【WHY】

私たちは、思考をショートカットし、クローズドな思考をしてしまいがち。じっくり考える時間を取ろうとしない。

判断を急ぎ、情報が誤っていても無視し、ニュアンスを汲み取らず、自分のものの見方を頑固に当てはめて結論に飛び付こうとする。考えることの放棄/SIriやAlexaといった人工知能に思考を預けてしまっている。

短期的な視点に囚われ、タスクを完了させることに追われ、起こりうる結果を恐れて素晴らしいアイデアを無かったことにしてしまう。

「しんどいから」「時間がかかるから」という理由で尻込みする。

テクノロジーに頼り、日々の単純な行動の中では、思考を批判的に働かせる機会を失っている。その結果、多くの人が、ものごとをどのようにして考えたらいいか忘れてしまっている。

人は忙しさに駆り立てられると、やがて人生の意義に関わる問いを考えなくなってしまう。

「何をするか?」ということで、頭がいっぱいになるあまり、「なぜ?」「その価値はあるのか?」といったもっと重要な問いを忘れてしまう。

【WHAT】

■思考とは

思考とは、提案すること。可能性を考えること。慎重に検討すること。意見を持つこと。そして、自らの態度を表明すること。

思考は、食事と同じく、私たちが日々行うこと。食事に健全な食生活と不健全な食生活があるように、思考にも健全なものと不健全なものがあることを、私たちは意識しなくてはならない。創造的思考、批判的な思考をする時間をかけることなく、行動に飛びついてしまうのは、毎日ドーナツ12個入りを1袋食べるのと変わらない。不健全な結果になることは避けられない。

■オープン思考

オープン思考は、これから人間中心的な社会をどんどん創造していくために、求められていく思考の形で、1つの哲学。

「思考」の質は、物事に対して継続的に問いをぶつけていく能力の程度によって決まる。

より良い思考ができるかどうかは、3つの要素にかかっている。

「思い描き」「意思決定して」「行動する」+(繰り返す)


この相互作用が「オープン思考」と呼ぶコンセプトの中核になる。

■「カルチャー」「目的」「オープン思考」

思考をよりよくしていくための3本柱。
「カルチャー」「目的」「オープン思考」

社会が自律的に繁栄していくためには、そこに生きる人たちが自由を持っているか、ものごとを評価する能力があるか、創造性を育むことができるかどうかにかかっている。粘り強さ、判断能力、他者との協力、そして行動することが、より良い社会には必要。

【HOW】「熟考」と「行動」

■オープン思考の3つのフェーズ

1、クリエイティブシンキング(創造的思考)

制約から解き放ち、新しいアイデアを生み出すこと

創造性は、私たちが夢想にふけった李、ぼーっとしていたりするときに花開く傾向にある

2、クリティカルシンキング(批判的思考)

道義的かつタイムリーな判断をするために、アイデアや事実を徹底的に分析すること

思考を促す質問(例):この主張は本当だろうか?この点を裏付ける情報ソースは他にもまだあるか?

3、アプライドシンキング(実践的思考)

決断をきちんと実行に移すこと

速いことはいいことか?(アクション・バイアス)

タスクをどのように完了させていくかは、意思決定を同じくらい重要。

何か行動をしようとするとき、果たして同時に頭を使って、この仕事で何が求められているか冷静に考えることができているか?

「あらゆるところにいるということは、どこにもいないということに等しい」(セネカ)

あれこれ手を出しても中途半端では意味がない。

アクション・バイアスとは・・
「忙しくしていたい」個人的性質

通知が来ると、すぐに反応しなければいけない衝動に駆られてしまう。

アクション・バイアスによって自分の価値を証明しようとし続けている限り、せっかくクリエイティブ思考やクリティカル思考を経てここまで持ってきたアイデアや決断も実際に結実させることはできない。

忙しくあろうとしてしまうことで、いつまでたってもアクションが完了しないことの繰り返しになる。非効率な忙しさ故に、いつまでたっても結果が出ない。

■意図的な先延ばし

時間のバッファを設けることで、意思決定の内容を改善し、クリティカル思考が実践できるようにする。

アイデアや事実を徹底的に分析するようにする。

■ノーと言う

「イエス」と言い過ぎると、私たちはすぐに容量オーバーになる。「イエス」をいってしまえば、アプライド思考に問題が出る。人が集中できるかどうかは、「ノー」を言える能力にかかっている。

「本当に重要なことにイエスというために、その他全てにノーというのだ」(「エッセンシャル思考」)

■流されずブロックする

自分のスキルや情熱、興味をしっかり育む時間が取れないと、私たちはマンネリに陥る。また、注意力散漫になり、本当に重要なものが何かを理解できなくなる。

短期的あるいは、長期的な目標を定義することも難しくなる。何かをするのかに問わられて仕舞えば、なぜするのかというところがすっぽり抜け落ちてしまう。エネルギーを無駄遣いすることになる。成果をあげるためには、「固まりの時間」が必要不可欠。

■思考を妨げる3つの悪い習慣

オープン思考の実践には、「熟考」と「行動」のバランスが大事になる

そのバランスを崩す原因が、「無関心思考」「優柔不断思考」「硬直思考」の3つ。

1、無関心思考

一度学習した習慣をそのままにしておきたいと思うばかりでは、新しい成長のアイデア創出が妨げられてしまう

2、優柔不断思考

頭の中で、再現なく夢想を続けてしまうだけででなく、きちんと前進することを明らかに脇に置いてしまう。

優柔不断思考に陥ると、自分の手が届く範囲にある選択肢、自分が創りあげた選択肢の数が多すぎて、帰って意思決定したくないという衝動が湧くことがある。

3、硬直思考

きちんと考えることなく、行動に飛びついてしまう。状況に応じて柔軟に熟考することができず、何かを達成することばかりにフォーカスしてしまう。思考のプロセスに重きをおかず、「どうせ時間がかかるだけだから」と単純に行動することを選ぶ。いつも忙しく、仕事を完了させることを第一主義(仕事を完遂することへの過剰なまでの執着)とする。行動することが絶対だと思うと、想像力を働かせる時間がなくなる。

【WHAT IF】

■末長く存続し、末長く価値を有し続ける組織を作ることを目指す個人と組織のためにブランドとロング・ナウ協会のメンバーが作ったガイドライン

・長期的な視点を持つ

・責任感を養う

・粘り強さを尊ぶ

・目に見えないものを大切にする

・対立を乗り越える

・何にも肩入れしない

・長く生き続けるものを活かす

■ウォーレン・バフェットの習慣(熟考することの大切さ)

「私はほぼ毎日、座って考えごとをするためだけの時間を、必ずたっぷり取るようにしている。本を読んで、思索にふける。読書と思考に時間をかけるほど、衝動的な判断をしてしまうことがなくなり、それが大多数のビジネスパーソンと私のさになっているのだ」

【響いたメッセージ】

■人の行動は、「学習」(learn)によって習慣になるが、学習した習慣は「捨てる」(unlearn)こともできる

■21世紀の文盲とは、読み書きができない人のことではない。学ぶことができず、学んだことを捨てられず、また学び直すということができない人のことであるーアルビン・トフラー(未来学者)

■目的は「見る」ことではなく、自分がいまここに「ある」こと、つまりその本質を理解することにある。そうなれば、人はその本質自体として世界を自由に飛び回ることができるージョセフ・キャンベル

■一朝一夕にイノベーションは生まれない。アイデアも空から偶然降ってくるものではない。「偉大なアイデアには時間がかかる」

■人の価値は、自らがなす決断によって決まるージャン・ポール・サルトル(哲学者)

【学び】

たった一度きりの人生を深く味わうためには、「熟考」が欠かせない。
自分の大切な時間を大切なことに使うためには、「反応的」ではいけない。

【アクション】

・長期的な視点を持つ
・責任感を養う
・粘り強さを尊ぶ
・目に見えないものを大切にする
・対立を乗り越える
・何にも肩入れしない
・長く生き続けるものを活かす

手帳に記入する。


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