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「変化」は見えづらいところから起きてくる|自然農とプロセスワークについて。

2月4日は立春。暦のうえでは春。
季節の変化を感じているだろうか?

私は、細々ながら畑を借りて自然農をはじめて3年目。ベランダのプランターから数えると4年目。農が生活の一部になってから、今まで以上に季節の変化に敏感になった。

1月中の畑はシーンとしている。
野草も小さく小さく縮こまっている。
花もほとんどないし、虫もほぼいない。
畑も「冬眠」しているのです。

でも、そんな中でも少しずつ季節は進んでいて立春前後から、少しずつ野草が伸びはじめ、野草の花も咲きはじめる。

野菜・野草を生長させるのは気温、土(栄養素&多様な微生物)、水。日照時間が伸びていくと、土のなかでも変化が訪れるのだろう。

立春の前の18日間は「冬の土用」(今年は1月17日から2月3日まで)だったけれど、土用の時期に避けたほうがいいことの一つが「土動かし」
「土を動かす神様の力が作用しているから、この時期は土を動かしてはいけない」とのことだけど、もしかしたら「手を加えるまでもなく自然のままにしておけば土が豊かになる」という智慧を伝えようとしているのかもしれない。

あと、雑草の手入れは必要ないし、何より寒いし、畑に行く必要がないだろう。
(「夏の土用」の時期なんかは、暑さがきつくて、畑作業をしていたら倒れてしまいそうだ)

草や野菜が土のなかから変わっていくように、
変化は、見えないところから起きてくる。

これ、人にも同じことが言えるかもしれない。

先週末、日本プロセスワークセンターが主催する「プロセス指向のトラウマケア」入門のセミナーに参加してきた。

まず
「自分にはトラウマなんてない!!」
と思う人がいたら、全力で「NO!!!!」と言いたい。

プロセスワークにおけるトラウマの定義は「一度に処理しきれなかったもの」。そのタイミングで処理しきれずに溢れてしまった部分が身体に入り込んでしまい、さまざまな身体的な症状として現れてくる……と考える。
だから「気がついたらいつも肩凝りがあって。。。」などの慢性的な症状の背景にはトラウマが隠れているかもしれないーーと見立てたりもする。

もちろん、身体に入り込んでしまったトラウマは外からは見えない
あと身体で入り込んだものは「頭」の知恵だけでは処理しきれないことが多い。たとえばコーチングなどを通じて「言葉」で内省を深めていっても限界がある。

じゃあどうすればいいのか……という方法論を学び、自分のトラウマを扱ってきたわけだが、2日間を通じてしみじみ思った。

一見、大丈夫に見える人だって、本当にたくさんのトラウマを抱えて生きている
私はもちろんそうだし、思わず見惚れてしまうような美しい女性も、場の空気を明るくしてくれるあの子も、いかにも仕事がうまくいっていそうに見えるあの人も。

もうね、みんな生きてるだけで傷だらけ。見えない傷を抱えて生きているし、自分が傷ついていることにさえ気づかない人、自覚のないケガ人がたくさんいるのです。

だけど、見えないものに向かいあう智慧や技術があれば、癒して大きな力(可能性)に変えていくこともできる。

私自身も、2日間でいろんなトラウマと向き合った。
「えっ! これがトラウマだったの!??」と驚くような気づきもあった。

たとえば、私にトラウマとして残っていたことの一つが「全力を出せないこと」。全力を出したら誰かを(他人も自分も)傷つけてしまうから、全力を出さないほうがいいというパターンをくり返してきたらしい。
でも、それに真剣に向かいあっていったら、あら不思議!
びっくりするほど元気になり、どうも全力を出しきれず「どう関わるべきか……」と悩んでいた仕事への関わり方について、これまで思いつかなかったような選択肢が急に見えてきた。

あやしい? 嘘みたい?
でも、これは私に起きた真実なのです。

「土用のあいだは土をいじってはいえない」という慣習の根拠は「神様の力」だったらしいけれど、私はこの手の話を聞くとよく思う。

実利がないことを人は続けられるのだろうか?
ただの信仰心だけで、人の行動を縛れるのだろうか?

この手の智慧や伝統は、何かしらの実利、生活上のメリットがあるから長く続いてきたと考えるほうが合理的なのではないか?と。

「見えない世界」に目を向けることもまた、伝統的な智慧・叡智。
見えないところ(見えづらいところ)から変化が起きていくーーと、ご先祖さまたちは知っていたのかもしれない。

さて、野菜の話に戻って。
冬のあいだは成長を止めていた野菜たちが、ぐっと大きくなるのもこの時期だ。
たとえば、ソラマメは秋に種を蒔くのだけど、冬期中はほとんど伸びなくなり(だから寒さが厳しくなる前に、ある程度の高さにまで育つように逆算して種を蒔くのがポイント)、2月に入ると生長を再開する。

そして2月下旬〜3月上旬になるとジャガイモの植え付けが始まり、菜の花も咲き始め、いよいよ本格的な農のシーズンになっていく。4月・5月になると、畑はいよいよ目まぐるしく変化して、雑草の管理で忙しくなっていく。

人も動物だから、季節にあわせて変化していくのが自然なのだろう。
立春を過ぎ、春分を迎え、桜が咲く頃になると、いろんな変化が表に現れてくる。

ここから先は変化が大きくなる季節
そんなタイミングだからこそ
「起きるべきこと」が起きるように促すーーというプロセスワークの態度を取り入れてみてはいかがでしょう?

「変わること」が自然なのだから、無理に逆らわないほうが身のためだと思う。(無理に逆らうと傷つきやトラウマが大きくなってしまうかも)

* * * * *

というわけで、noteの更新も少し変化させることにした。
1月は毎日noteを更新していたけれど、毎日だと少し無茶が必要だし、何より別のこともしたい。
なので「できるだけ毎日」を目指しつつ、今後は週に3日(原則として火・木・土)に更新しようと思う。

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