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元気の状態に関する一考察|「元気」ではないが「サバーイ」ではある

「サバーイ」はとても便利なタイ語だと思う。

耳から覚えたタイ語なので正しいかどうかわからないが、「サバーイ」は、「楽チン」とか「快適」、リラックスしている時の「気持ちいい」「心地いい」を表す言葉のようだ。

暑い日にエアコンの効いた部屋で涼んでる時、吹く風が気持ちいい時、マッサージを受けている時、学生が課外活動に行って授業がない時、ベッドやソファーの上でのんびり過ごしている時。

タイ人は口元に微かな笑みをたたえて「サバ〜イ、サバ〜〜イ」と言う。

この「サバーイ」に、「いい」という意味の「ディ」をつけると、

「サバーイ ディ マイ?(お元気ですか)」
「サバーイ ディ(はい、元気です)」

になる。

つまり、タイ人にとっての「元気な状態」とは、力が入っていないリラックスした状態、もっと言えば、無理して頑張っていない状態のことを指すのだろうなぁと思っている。

そしてそれは、とてもタイらしいなぁと思う。

一方、日本語の「元気」はパワーがみなぎっている、はつらつとした状態であるように思う。「みんなの日本語」の「元気」の絵カードも寒い中走ってる絵だし。

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これを「元気」というのなら、今の私は決して「元気」ではない。学校が始まってから、なんだか調子が悪い。「コロナ疲れ」ってやつだろうか。

雨季に入って蒸し暑いので、マスクをしていると息苦しい。寝つきも悪いし、変な夢も見る。オンライン授業も手応えを感じられることが少ないし、行くはずだった日本での研修もキャンセルになった。

心身ともにストレスを感じている今の私にとって、日本語の「元気」はあまりにもハードルが高過ぎる。ならばせめて「サバーイ」でありたい。

できるだけ早く家に帰って、アロマを嗅いだり、瞑想したり、首や肩にお灸をしてみたり。扇風機にあたりながら、ベッドでごろごろ過ごす。

ようやく営業を再開した整体にも美容院にも行った。体や髪の毛を丁寧に扱ってくれるサービスは、ないがしろにされているような気分をよしよしと優しく撫でて、小さく小さくしてくれる。

「大丈夫、大丈夫。サバ〜イ、サバ〜〜イ」呪文のように心の中で唱えてみる。

パワーみなぎっていなくとも、きっと大丈夫。「元気」ではないかもしれないが、「サバーイ」ではあるのだから。


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