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ペンシルバニア・ダッチの「Pork and Sauerkraut」で迎える元旦

ペンシルバニア•ダッチと呼ばれているドイツ系移民が多いこの辺りでは、元旦にグッドラックの意味を込めて「ポークアンドザワークラウト」を食べる習慣があります。

ザワークラウトはキャベツと塩だけで作る発酵食品。今は余り見かけませんが、昔は春に収穫した野菜を瓶詰めにして保存。野菜の水煮やピクルス、果物のシロップ漬けが入ったメイソンジャーが、地下室の棚に沢山並んでいたのを覚えています。

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ローストポークを作ってから塊をシュレッドして混ぜるのが定番の作り方ですが、私はスライスされた豚肉とザワークラウトをそのまま入れます。

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仕事に行く前にセットしてクロックポットで、1日時間をかけながらゆっくりゆっくり煮込んでいきます。

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家に帰るとドアを開けた瞬間から良い香り。
寒い外から帰って来た時のコンフォートフードです。日本のおでんの様な癒される感じでしょうか。冬が長いせいか、白い豆で作る「ビーンスープ」や、ポーリッシュの「Halupki」(ロールキャベツ) の様にコトコトじっくり煮込むタイプの料理が多い気がします。

おばあちゃんの家では大きなタッパーに入れて保存してあるハロプキーが、いつもかなりの確率で冷蔵庫にありました。
遊びに行くと
「Do you want some Halupki?」
聞かれた時には既にお皿にのせられていてレンジで温めてくれたのを思い出します。
ひき肉とご飯が混ざった具材をキャベツで巻いて、トマト味のソースでコトコト.......
キャベツと馴染んで美味しいんです。

贅沢では無いけれど、そこには温かい料理とシンプルな暮らしがありました。

おじいちゃんに教えてもらった唯一知っているペンシルバニアダッチ。
Kannst du micka funga?
(Can you catch flies)
”カンチテミケファナ” と聞こえます。
違うのかも知れませんがこれでちゃんと通じます、笑。
そう言うと必ず           
Ja, wann sie hucke bliebe.
(Yes, if they sit still.)と返って来ます。
ダッチジョークみたいな言葉遊び。
喋れるのは80代の方くらいまででしょうか?

おじいちゃんもおばあちゃんも亡くなってしまった今は使う事もありませんが
2つ目の故郷となったペンシルバニア。
ドイツ移民の忘れさられ様としているこの言葉が何故か頭の中にずっと残っています。

カンチテミケファナ?

Can you catch flies?

ポークアンドザワークラウトは懐かしい故郷の味。



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