見出し画像

言葉と音楽とセピア色のあの頃

Saturday Morning Park」って聴かれた事がありますか?
パーソナリティは、小児歯科専門医であり、写真家でもあるAsayanさん。

わたしの思い出の曲「Saturday in the Park」から始まるこのラジオは、お天気の良い日に、公園で日向ぼっこしながら聴いているような心地よさがある。
時には「あるある」と頷きながら、ラジオの向こう側と対話している様な気持ちになったり。

カレー屋さんのお話しをされていた時は、「そのカレー屋さん、知ってる!」と鼻息荒くなりながら、口に水を含んで辛さを麻痺させながら食べていた学生時代を思い出した。

阪急3番街の「インディアンカレー」
皆さん、知ってますか?笑

NYのカバブ屋さんにて

2月19日の放送回は、Asayanさんが「似ている」と言われていた大江千里さんのお話し。


「大好きなアルバム」と紹介されている「APOLLO」は、1990年にNYでレコーディングされたアルバム。

そのニューヨークの友達のアパートで、小さな窓を開けて、降っている雪を眺めながらピアノで作ったのが『APOLLO』という曲です。その時、絶対ここに帰ってきてレコーディングしようと決めて。だからアルバムの『APOLLO』はニューヨークでレコーディングしたんです。
文春オンライン大江千里58歳


1989.冬のNYで生まれた「APOLLO」

初めて聴いたのは、千里さんの文章と出会った2018年だった。メロディを追いかけて聴いていた80年代。

今は言葉を追いかけている。

朝のNY

まだ若干20代のこの時期に、沢山のアーティストに曲を提供されている千里さん。松田聖子さんの
「Pearl-White Eve」の制作秘話は現在公開中。

美しいメロディに、透き通る様な歌声。Senri Jazzアレンジも聴いてみたくなる、名曲。

デビュー40周年アニバーサリー企画で発売されるアナログ盤の「Rain」は、1988年に発表され、沢山の方がカバーされている曲。

20代の甥っ子も、この曲と「ドラえもん のび太の南海大冒険」で、千里さんの事を知っている。これだけ幅広い音楽を作られて、老若男女に愛されているのは本当に凄いな。

同時発売の「Letter to NY」はレコードプレーヤーと言うより、ターンテーブルで聴いてみたいX-Over ジャズ。カッコいい!

「太陽がいっぱい」も1989年発売。キラキラした時代のこの曲を改めて聴いて、千里さんの凄さを実感する。新曲発表のこの回では、作詞作曲家としてお話しされているのが印象的だ。

発売翌年の1990年9月。
偶然LAのハードロックカフェでお見かけした光GENJI。

この頃のアメリカンカルチャーが好きだった私は、1990年に初めてアメリカを訪れた。レンタカーを借りて、まずスイッチを入れたのはラジオ。ノンストップで流れる音楽と、聴き取れないお喋りにアメリカを感じながら景色を眺めた。

書かれてる日程を見ると、私達と同じ時期に🇺🇸に来て、それぞれの場所から同じ日にLAに移動してる偶然。

記事にあるメルローズアベニューは、あの頃好きだった場所。その通りの小さなアイスクリーム屋さんで友達とアイスを食べていたら、隣に座っていたシルバーヘアの方に「日本人?」と話しかけられた。コンサートで日本に行かれたお話しや、首にかかった黒い紐のネックレスの話しを聞いたり、カタコトの英語で楽しくお喋りして別れた後日、「Tokyo is crazy.」と言っていたその人の顔が雑誌の表紙になっていたのには友達と顔を見合わせて驚いた。
ただのそっくりさんだったのか?本物?
今でも謎の中。

Spin Magazine September 1990 Billy Idol
Spin Magazineは千里さんもライブに出演されいる。
あの頃
これは時間を共有したもの同志が、ちょっと後ろを振り返る時の合言葉。
僕のあの頃は、君のあの頃とは違うかも知れない。
だけど
確かに僕のあの頃は
あそこにある…
東京FM 大江千里のSUZUKI STATION KIDS
Midtown

「Saturday in the park」は、戦争のない平穏な日々を願う気持ちがこめられた歌。

遠く離れた場所から、そう願っている友達の気持ちを考えると胸が痛む。

ポーランド人の彼女は、母国でロシア語の先生。料理が好きで、作ってくれる素朴なポーリッシュ料理は、食べると何故か懐かしい気持ちになる。ロシア人の彼女は、近所でも厳しいと評判のピアノの先生だけど、姉の病気の話しで一緒に涙を流してくれる優しい人。
ウクライナ人の彼女は、母国で芸術学校を出ているバイオリン奏者だけど、出会った時は住み込みのベビーシッターをしていた。
娘の尊敬するアーティストさんはウクライナ在住。彼女のEtsyアカウントには「This shop is taking a short break.」と表示されている。

「母国に最後に帰ったのはいつ?チケットは安く買えた?」と話していた平穏な日々が、遠い昔のことのように感じられてならない。

NYは、3/1から全ての規制が解除されていました。

ボーダーレスの様に海外を往来する様になった80年、90年代から、宇宙に行ける時代になった今。逆に国境をまたぐ事がこんなにも難しく、争いのタネになってしまうとは。

ピアノの音色を聴きながら、これ以上のことが起こらない様に願わずにはいられない。



Anyway…


ここ数日暖かく、久しぶりに短パンにTシャツで過ごした。着る物が軽くなると心もはずむ。鳥の声を聞きながら、土から顔を出したクロッカスの花を見ると、長い冬眠から目覚めたようにストレッチしたくなる。
「早く散歩に行こう」と見つめるCocoに「ちょっと待ってね」と話しかけながら、ヘッドセットをつけると、ラジオからはいつもの曲が流れてきた。

この平和な日常がいつまでも続きます様に。

Prayers......


この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

わたしとポッドキャスト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?