今日はなんの日、カレーの日
夕食を作っていると、仕事から帰って来た父は必ずこう聞いてきた。
「おっ、今日はカレーか。」
違うメニューだと分かっていながら、こう言うのが恒例。
まだ甘口カレーでも辛いと感じていた幼い頃は、美味しそうに混ぜながら食べる父の食べ方が好きだった。成長すると、ご飯とカレーをすくって食べるスタイルに変わって、
その頃からかな、父との会話も少なくなっていったように思う。
55歳の若さでこの世を去ってしまった父。
好きなカレー屋さんがあった訳でも、自分で凝ったカレーを作るわけでもない、普通に家庭で作るシンプルなカレーが大好きだった。
今回は父を想いながら、いつものカレーを作ってみようと思う。
わたしの住んでいるペンシルバニアの田舎でも材料が手に入るカレーは、クロックポットに入れてパーティーに持って行っても喜ばれるメニューの一つ。アメリカ人もカレーが大好きだ。
お天気が良かったから、ドライブして農家さんの直売所で野菜を調達することにした。
にんじんが無かったから、結局スーパーへ行き、セールでお買得になっていたお肉も購入した。
材料が揃った。
ぐつぐつ煮ること30分。
1日じっくり煮込むカレーじゃないけれど、限られた時間の中で作るありきたりの味だけど、家族にとっては世界に一つだけの味。
なんか聞いたことあるフレーズ、笑。
でも、そんなカレー。
ざわざわした夕方
いろんなことがあった1日に
帰宅してほっとする。
部屋中がカレーの香りでいっぱいになると、
今日も父の声が聞こえてきそうだ。
今日は何の日?
カレーの日。
***
最後にカレーと同じく、元気にしてくれる音楽。
大江千里さんで”Dubidubiduo”
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