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ザ・モデルについて、その1:読んだ人が気をつけないといけないこと

こんにちわ
みなさん「ザ・モデル」読んだことありますか?
セールスについて調べてらっしゃる・興味を持ってらっしゃる方は一度は手にしたことがあるかと思います。元セールスフォースの福田さんがご自身の経験からかかれてらっしゃいます。

WEBマーケ・インサイドセールス・ナーチャリングにフィールドセールス・エンタープライズセールスにカスタマーサクセス・チャーンにオンボーディングとカッコヨなヨコ文字がバンバン出てきてめちゃめちゃスマートです。

新規架電をガンガンかけて、お客様先に足しげく通い、飲み会にゴルフ、土下座、根性丸出しで押し売りしまくるイメージの日本のザ・営業とは全然違うイメージです。
SAASでこれから起業をしようと考えている起業家からしたらこのようにスマートに立ち回りたいですよね。

SAASスタートアップのセールスのお手本のように言われていますが(僕が思っているだけかもしれません。笑)なかなかどうして受け取り方を間違えるとtoB営業をしたことがない人にとってはミスリードされかねないと思っております。

toB営業に精通していないとミスリードされるものとはなにか?

ズバリ、ザ・モデルは
マーケでリードをざくざくとってこれることが前提になっていることです。

ザ・モデルの考え方や仕組みは非常に洗練されていて、今までベテランで優秀なセールスが一人で行なっていた「リード獲得・商談・受注・深掘り(利用額拡大)」といった非常に複雑かつ全てを完璧に行うには職人並みの経験と熟練度、センスが必要だったプロセスを見事に分業し、属人的になり得たセールス業務を属組織的に作り変えた素晴らしいものです。

人に依存しないので、トップ営業がやめても変えが簡単に効き、人には必ずある得意不得意を加味して配置をさせることでその個々人の得意領域を伸ばしていくことができる仕組みですが、膨大な資金力で投下をしてマーケでリードがざっくざっく取れる企業しか使えないのです。

新規営業で一番難しいことは何か?

ズバリ、「新規リードをとること」です。

ザ・モデルを読んだ人は、かっこいい!泥臭い新規架電や飛び込み営業などをしなくてもスマートにセールスをすることができる! 物やサービスは作れるけどどうやって売ればいいのかわからなかったが、ザ・モデルのようにマーケでリードをとってきて、ナーチャリングしインサイドセールスがアポをとってフィールドセールスが商談クロージングしカスタマーサクセスにパスしてオンボーディングからのチャーン防止をやれば、古臭い日本の営業手法とはおさらばだ!って思ってしまうんですね。

そうすると、何が起こるか?

マーケ・インサイド・フィールド・カスタマーサクセスの部署だけ作って満足するんですが、売り上げ計画を外し続ける。ってことになります。
そして頭をひねる。おかしいな?なんでこうなるんだろう?と

売り上げ計画=事業計画のTOPラインを構成するのは獲得社数×社単なんです。そして売り上げを伸ばす角度を決めていくのが毎月の獲得社数にほかならないんですね。

なぜ事業計画を外してしまうのか?

マーケでリードを取るのはお金が非常にかかる&リード獲得数を予想できない&コントロールできない(狙った会社からとれない)&顕在化したニーズしか取れないってことなんです。

つまり、事業計画を達成させるための一番大事なキーファクターである新規リード数をマーケ任せにするしかなく、問い合わせしてくれる人任せ、はたまた展示会に来てくれる人任せにせざるを得ないわけです。

ザ・モデルは、問い合わせて来た人をいかにコンバートさせるかという組織設計なので、売り上げ達成できない理由をリードがたりないから。とか、マーケがうまくいかないから。とか挙句の果てにはまだマーケットが出来上がっていないから。とか言って責任転換しちゃうしできちゃうって問題があるんです。

だが待ってほしい。(笑)

自ら売り上げコントロールできない人を事業責任者や売り上げ責任者って呼べるのでしょうか? 
僕は呼べないと思います。(自身がそれに当てはまっていて批判されているように思われる方がいらっしゃったらごめんなさい)

事業責任者は事業計画を達成させることが仕事であり、プロであればあるほど数字は必達させるものなのです。それを考えると、限られた予算の中でWEBマーケや展示会などでのリードに頼る手法はあまりにもアンコントーラブルであり無責任であると思います。

ちなみに、
セールスフォースの方からお聞きしたのですが、あのセールスフォースでさえもリードを取るのにかかっている金額は以下のようなのです。

ターゲットでもなく決裁権もない名刺で@3万〜5万 
ターゲットでかつ決裁権のない名刺で@10万〜
ターゲットでかつ決裁権のあるエンタープライズな名刺は@50万〜100万
ターゲットでかつエンタープライズで役員レベルになるとマーケでは獲得不可能

すごくないですか?
天下のセールスフォースが膨大な資金を投下してリードを集めるのにこれだけのお金がかかっているんです。
僕たちのような名もないSAAS企業であればその何倍もかかっても然るべきですよね。

ではどうするのか?

やはりアウトバウンド(新規電話)です

自らの行動量によってアポ獲得数をコントロールでき、かつ、どこの企業からアポを取るのかすらも自らで決められる。また潜在ニーズ企業もコンタクトが取れる。

一人のセールスに40万/月 払っていたとして、そのセールスが1ヶ月に1,000件架電し、ターゲット顧客から7件アポを取れたとする(アポ率0.7%)とリード単価は5.7万です。(安い)

セールスは新規架電だけさせていると必ず潰れますので(新規架電業務はストレスとマンネリの戦いです)商談もクロージングも任せます(もちろん教育した上ですが)。
するとクロージング部隊を別に揃える必要はなくなりますし、セールスのやりがいにもなります。

そうすることで、事業責任者もどれだけのセールスをおけばどれくらい売り上げが上がるのかがわかるので、人員計画と生産性を高めることを事業計画に盛り込んで戦略を立てることができるようになるんです。

ただ、新規架電の方法やマネジメント、組織作り、モチベートの方法を間違うと人は一気にやめていきますし会社が回らなくなりますので注意しましょう。その方法はまた後日書きたいと思います

ちなみに、前述のセールスフォースもエンタープライズ企業の役員やキーマンへのアプローチは新規家電や手紙、夜討ち朝駆けなどをフィールドセールスやエンタープライズセールスのTOPレイヤーが毎日毎日ゴリゴリと行なっているようです。

それを聞いて僕のやっていることは正しかったんだなってホッとしたのは内緒です。笑

※はじめからマーケをおいてマーケのとってこれるリード数ベースで事業計画をひいている企業ではこの限りではありません。


まとめ

ザ・ゴールの手法は素晴らしいが限られた条件の企業でしか活用できない。立ち上げ期やCVからの大量の資金調達ができないうちはきちんと新規架電でリードを取ってくるセールスを育て、マーケに投資できる資金が溜まったらザ・ゴールを真似るのが良い

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