デザイナーとエンジニアが協働する価値
みなさんは普段、どのようにプロダクト開発を進めていますか?
今回の記事では、とある施策の進め方を紹介します。
この施策では、UXの5段階モデルの「目的設定」や「要件定義」といった、ユーザー体験の設計からエンジニアと協働して進めました。
個人的に、とても進めやすい開発の動きができた事例でもあります。
🙋♀️こんな人にオススメ
他チームが「どのように施策を進めているか」を知りたい
チームメンバーが「どのようなコミュニケーション」を取っているかを知りたい
前提:チーム編成
施策では、以下メンバーで対応しました。
PO:1名
UXデザイン担当/UIデザイン担当:各1名
スクラムマスター:1名
iOSエンジニア:2名
Androidエンジニア:2名
ステップとその内容
具体的な施策のステップは以下の通りです。イメージしやすく、担当者も明記してみました。
施策目的のすり合わせ(PRD立て)
PO/UXデザイン担当/UIデザイン担当
既存仕様の把握
メンバー全員
競合の仕様調査
メンバー全員
ユーザー課題の探索
メンバー全員
ユーザー課題に対する解決案出し(方向性の決定)
メンバー全員
UI案検討
UIデザイン担当
解決案のチーム合意
メンバー全員
デザイン仕様書作成
UIデザイン担当
実装開始
iOS、Androidエンジニア
ポイントは施策前段であるステップ2〜5時点から、エンジニアを含めた【チーム全員で協働】した点です。
よくある施策では、上記ステップをデザイナーが担うケースが大半です。
(デザイナーだけで既存仕様の把握が難しい場合は、都度エンジニアに声をかけています)
協働の価値とは?
協働したことで、3つの価値がありました。
既存仕様の把握漏れが防げた
影響範囲や解決案の実現性を、事前に把握できた
認識合わせや、相談にかかる時間をカットできた
これらの結果、施策の進みが「シームレス」となり、課題に対する解決案の方向性がスッと決まりました。
これによりユーザーに早く価値を届けることへ繋がりました。
それぞれのメリットについて、もう少し共有させてください。
1️⃣ 既存仕様の把握漏れが防げた
Chatworkではチャットのメンバー権限やマルチアカウント利用など、条件により画面に表示するコンポーネントが変化します。
こういった変化は、エンジニアの方が条件を細かく把握されている場合も多く、一緒に既存仕様を見ることで把握漏れが防げます。
もれなく情報をインプットしておくことで、施策が進んだ後で「このケースはどうするの!?追加で対応しないと!」…という事態が防げるため、開発着手までのスピードを上げることに繋がります。
2️⃣ 影響範囲や解決案の実現性を、事前に把握できた
「ユーザー課題の探索」や「ユーザー課題に対する解決案出し」を、チーム全員で行いました。
これにより、エンジニアならではの視点で、解決案を出してもらうことがきました。UIデザイナーからは出せない視点のため、デザイナーとしても学びでした。
案出しと平行して、付箋にストーリーポイントをエンジニアに付けてもらいました(以下画像参照)。
ふわっと出した案でも工数感や難易度が把握できると、実現困難な案に対し、過剰な検討工数かけずに済むため、デザイナーとしては助かりました🙏
3️⃣ 認識合わせや、相談にかかる時間をカットできた
施策の前段は、デザイナーがまるっと引き受けているケースが多いです。その結果、一時的にPOやエンジニアとユーザー視点における情報差分が生まれます。
通常は、情報差分を埋めるために資料を作ったり、アジェンダを設計したりと工数が必要です。そのため、デザイナーは検討作業の手を一時的に止めなければいけません。ただし、施策後半で手戻りの発生を防ぐためにも、これらの情報差分を埋めることは必要用不可欠なアクションです。
ユーザー体験の土台設計から一緒に取り組むため、「視点合わせ」を目的としたアクション(MTG)が割愛できる状態でした。
その結果、課題解決の検討にスムーズに入ることができ、そこにパワーを割きやすくなりました。
まとめ
エンジニアにユーザー体験の土台設計から入ってもらうことで、異なる職種の視点が入り、デザイナーだけでは時間がかかる部分を効率よく進めることができたと感じています。
そしてそれは、詳細なデザインの相談や開発着手などの施策後半でも良い影響がありました(…が、こちらは別の機会に紹介します)。
PJ内容やチーム状況にはよりますが、今後も早期からエンジニアとデザイナーが協働できる場合は、今回のような動き方ができると良いなと思いました!🙌
Chatworkでは、デザイナーを募集中です!
募集要項だけでなく、メンバーのインタビュー記事など、関連資料をnoteにまとめてますので覗いてみてください!