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【美術展レポ】耽美、官能、悪魔的…弥生美術館 #谷崎潤一郎をめぐる人々と着物 ~事実も小説も奇なり~展に行ってきた!


こんにちは、宮寺理美です。

大正時代の華やかな文化やファッション、文学を愛する方に、
超おすすめの展示が、10月2日よりスタートしました。
弥生美術館で開催中の「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物  ~事実も小説も奇なり~」展です。

谷崎潤一郎は、明治時代後期から昭和時代にかけて活躍した小説家です。
その作風は、よく
「耽美」「悪魔的」「官能的」等と表現されます。

今回は、「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物  ~事実も小説も奇なり~」展の
見どころを取材させていただきました。

※当記事に掲載した写真は、特別な許可を頂いて撮影しております。
 展示室は撮影禁止です。ご注意下さい。


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展示の概要


会 期:2021年10月2日〜2022年1月23日まで
休館日:月曜日、火曜日、年末年始(12月27日〜1月3日)
開館時間:10:30〜16:30(最終入場は16:00まで)
入館料:一般1000円/大・高生900円/中・小生500円

弥生美術館・竹久夢二美術館は、
1回分の入館料で二館併せて見学ができる、大変太っ腹!な美術館です。

オンラインによる事前予約が必要です。
事前予約ページはこちら
※入館料はご来館時に受付にてお支払い下さい。
※受付で、検温と手指消毒があります。
※館内にはエレベーターがないので、上下階への移動は階段となります。詳細はこちらをご参照下さい。
※新型コロナウィルスの影響により、休館日&開館時間等が変更になる可能性があります。
弥生美術館・夢二美術館Twitterアカウント公式サイトで、最新情報をご確認ください。

谷崎潤一郎ってどんな人?


本展では、谷崎潤一郎のことを、こんな風に紹介しています。

「事実は小説より奇なり」という言葉がありますが、谷崎はその生涯自体が、まさに波瀾万丈で驚愕のエピソードに満ちています。

谷崎潤一郎といえば、
妻を親友の佐藤春夫にに譲る事を決め、
3人連名の挨拶状を関係者に配り(!!!?)
それが仇となって新聞や雑誌に掲載され、大騒動となった「妻君譲渡事件」などなど、
スキャンダラスな人生も、その作品たちと同じくらい有名です。

本展は、そんな谷崎潤一郎の人生と作品、
どちらにもスポットを当てた内容です。


本展のみどころ

本展では、小説家・中河與一が谷崎潤一郎の生涯を書いた作品「探美の夜」に添えられた田代光の挿絵(初公開原画数十点)を用いて、谷崎の人生を辿りつつ、谷崎文学の登場人物のモデルになった人々に焦点を当て、紹介していきます。彼等が着用した着物や装飾品の数々も合わせて紹介します。


「谷崎潤一郎をめぐる人々と着物  ~事実も小説も奇なり~」展は、
弥生美術館の1階展示室・2階展示室で開催されています。


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1階の展示室には、
「蓼食う虫」「神童」「痴人の愛」「細雪」
など、谷崎潤一郎の作品の登場人物の装いを再現した、アンティーク着物が並びます。
着物はアンティーク着物店Wingの田中翼さんのコレクションより。

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生涯、崇拝対象となる女性を求め続けた谷崎潤一郎は、
着物にも大変な拘りがありました。
その拘りは、作品の随所に散りばめられています。
谷崎潤一郎のこだわりを拾い集めたようなコーディネートばかりで、
ゾクゾクしながら拝見しました。
半襟や帯揚げ、帯留めなどの小物までぬかりありません!


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弥生美術館の2階展示室の手前にはフォトスポットもあります。
この女の子は「覚醒前」のナオミちゃんでしょうか…笑
(ちゃんとマスクしてる!)


2階展示室には、「細君譲渡事件」渦中の人でもある、
佐藤春夫や千代の所持品、
そして「細君譲渡事件」の前から好意を寄せていた松子の所持品が並びます。
松子の姉妹は「細雪」のモデルになった事でも有名ですが、
所持品も上品でたおやかなイメージそのままです。

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反対側には小説の登場人物の再現が続いております。
手前のトルソーは、
写真家 荒木経惟さんの作品で数多くスタイリングを担当された、
岩田ちえ子さんのコーディネート。
「本牧夜話」に登場する、激情家な弥生の装いを再現しています。

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官能的な指先も岩田さんの仕業なんだとか!
展示にお越しの際は是非アクセサリー遣いや指先にもご注目下さい♪

「本牧夜話」のコーディネートの奥に見えるのは、
メリンス(毛織物)の着物。
メリンスのアンティーク着物は発色が鮮やかで美しいのですが、
虫食いが多く、こんなに保存状態が良いものはとても珍しいです!
デフォルメされた猫ちゃんの帯も、遊び心が溢れていますね。

メリンスの着物は谷崎潤一郎の作品にも度々登場します。
現代の感覚だと「ファストファッション」のような感じでしょうか。

コンパクトながら見ごたえたっぷりの展示、
最初から最期まで瞳孔が開きっぱなしでした。


今回の展示の図録は、フルカラー(!!)で2,300円(税抜)です。
(ミュージアムショップで先行発売されています)
また、展示には行けない…と言う方にもおすすめです。
写真も勿論ですが、解説も面白くて読み応えがあります。

併せて楽しみたいコラボ企画展&竹久夢二美術館


3階展示室では、
10月8日よりTVアニメが放送される『大正オトメ御伽話』とのコラボ企画展示中でした。

高畠華宵×『大正オトメ御伽話』展
会期:2021年10月2日~2022年1月23日

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竹久夢二美術館では 「30のキーワードでひもとく竹久夢二展」が開催中です。
「夢二式美人」「子供」「港屋絵草子店」
などなど、夢二とゆかりの深い30のキーワードから、夢二の世界と人生を紐解きます。

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会期:2021年10月2日(土)~2022年1月23日(日)

※コラボ企画展および竹久夢二美術館の展示は、入館料のみで見学ができます。

展示の最期にはフォトスポットがありますよ♪

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大正ロマングッズ都内最強の品揃え!?なミュージアムショップ&併設カフェ港や


弥生美術館・竹久夢二美術館のもうひとつの魅力は、
大正ロマングッズがふんだんに取り揃えられたミュージアムショップ。
多分、こんなにたくさんの夢二や華宵のグッズがあるのは、
都内でここだけだと思います♪

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展示の帰りに是非寄ってみてください♪

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、書籍の中身のチラ見は見本を御利用下さい。
※ミュージアムショップの利用人数制限は6名までとなっております。


併設カフェの港やさんもとってもオススメです。
美術館を見学した後の休憩にいかがですか?

昨年の秋に立ち寄った時、窓からの景色がとっても綺麗でした。

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展示をイメージした期間限定メニューも毎回可愛くて美味しいんです!
今回も期間限定メニューがあるそうなのですが、
時間の関係で立ち寄ることができなくて…(涙)
※期間限定メニューは続報があり次第追記いたします!


秋の根津周辺はお散歩も楽しいです。
紅葉の時期の根津神社はとっても綺麗なので、
お天気がよければ散策も楽しめます。

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まだまだ安心できない生活をお送りの方もいらっしゃると思いますが、
「そろそろ気分転換したいな…」
という気分になったら、
ぜひ弥生美術館も検討してみて下さい。
大充実の展示、可愛いの大氾濫なミュージアムショップ、
おいしい併設カフェ、お散歩にぴったりの立地。
気分転換にぴったりです♪


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