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人生最大の後悔。起業さえしなければ…

2009年5月に私は6年間務めたインテリジェンス(現パーソルキャリア)を退職して、仲間7人と共に会社を起業しました。そして私はその会社の代表取締役に就任しました。
私が大学生の時に起業すると決意してから7年が過ぎていました。

しかし、起業してすぐに、会社の資金難、株主同士の喧嘩に巻き込まれ、これまでに経験したことがない種類と強さのストレスがかかり私のメンタルはだんだんと壊れていきました。

(参照)起業、そしてメンタルが崩壊するまで

2か月ほどこの状況が続いたある日、私は家に帰ろうとオフィスを出てアパートの玄関の前に立ったとき、私は家に帰るまでの記憶が一切ないということに気付きました。
いえ、正確には記憶が一切ないのではなく、家に着くまでに「自分が行動した記憶」がないと言った方が表現が正しいかもしれません。

その日、帰ろうとオフィスを出たのですが、家の前に着き鍵を開けようとしたときに、オフィスを出てから家に着くまでの間の「駅の改札を通り、電車に乗り、途中乗換えをして、自宅の最寄り駅で降り、駅から歩いて自宅まで戻る」この一連の行動の記憶がなく、どうやって自分が帰ってきたのか分からなかったのです。。

さらに家に入り、シャワーを浴びているときにも、妻に風呂のドアの外から「大丈夫?」と声をかけられるまで身動きせずただずっとシャワーを浴びていました。

そして寝ようと思って布団の中に入ると、今度は頭の中で営業のことや資金繰りのこと、株主同士の喧嘩のこと、それがまったく解決できるイメージが持てずに、ただその不安と恐怖だけが頭の中をぐるぐると回っていました。

ふと我に返り時計を見ると夜中の3時でした。「寝なければ」と思えば思うほど寝られず、結局朝まで一睡も眠ることが出来ませんでした。

この時の私は、少しでも気を抜くと心と体が離れてしまい、意識を「今」に保つことが難しい状態になっていました。

「なんでこんなことになったんだ」
「つらい。。。」
「逃げたい」

いつしか、そんな考えが頭を支配するようになりました。
しかし一方で

「起業して苦労することなんて分かっていたことだろ」
「これはお金を稼ぐ能力を身に着けるために必要なことなんだ」
「乗り越えなければいけない壁なんだ」

と自分に言い聞かせました。

ただ、あまりの辛さに私はこの時起業したことを心の底から後悔しました。

経営者Sさんとの出会い

そんな時に、営業で訪問した経営コンサルティング会社のS社長と話す機会がありました。最初はいつも通り自社のサービスの話しをしていたのですが、なぜかS社長は私に興味を持ってくれたようで、これまでにどんな経験をしてきたのか、なぜ会社を起業したのかを聞き始めました。

私もこの方になら話しても構わないと思ったのと、また誰かに今の心境を聞いてもらいたい衝動にかられ、これまでの事や今起こっていることを全て話しました。
その方は私の話しを否定したり、付け足したりすることなく全て聞いてくれました。そして私が全て話し終わったときにS社長は私に一言

「そうか、佐藤さんは仕事の仕組みのことがまったくわかってないんだね」

と言いました。

そして、この言葉をきっかけに私はビジネスの本質を知ることとなったのです。

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