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単純接触効果について調べてみた

単純接触効果という「触れれば触れるほど好きになっていく」効果という言葉を最近知り、興味がわきました。しかし私は専門家でも研究者でもないのでぜひご自分で調べてみてください。

社会心理学の分野の効果

こちらのサイトによると社会心理学の分野で発展した研究のよう。

この記事の中にもありますが、「「知覚的流暢性の誤帰属」説」という説があるそうで、刺激になんども接触することにより親近感がわき、好印象だと感じるように誤帰属するようです。

記事にも以下のように書いてあります。

「ある刺激に接触し続けることで,刺激に対する知覚情報処理レベルでの処理効率が上昇することによって刺激への親近性が高まる。この親近性の高まりが,刺激自体への好ましさに誤帰属される」というものです。

この「帰属」に関しては帰属理論の分野として起因される要素を誤ったまま帰属させてしまっていることかと思いますがどの帰属理論を提唱しているかまでは今後の宿題とします。

ただ単純に接触機会が多いからと言って、(例えば、同じ広告になんども当てられるからと言って)必ずしも好きになるとは思わないと思います。

少女漫画でよく意地悪してくるような男の子がなぜか好きになる、のようなパターンはあるかもしれませんが、なかなかそこまでシンプルにはいきません。

単純接触効果について調べてみた (2)

【論文】バナー広告への単純接触が商品評価と購買意図に及ぼす効果

私自身マーケティングの分野で広告に携わったことはないですが、おもしろい論文があったのでご紹介します。

松田 憲・平岡 斉士・杉森 絵里子・楠見 孝(March 2007)「バナー広告への単純接触が商品評価と購買意図に及ぼす効果」という論文です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/14/1/14_1_133/_pdf

この論文は,「インターネット広告の一形態であるバナー広告を用いた単純接触効果の認知科学的研究」と書いてあり、認知科学の分野から単純接触効果について研究しています。

この論文の中には「知識表象の形成」という言葉が何度か出てきます。「表象」というのは簡単にいうと「イメージ」なので、ある物事に対する知識を持っていて、それにどのようなイメージが形成されていくかというとても興味深い形成過程です。

例えば、食べたこともない新製品のお菓子に対し、きっと○○でおいしいだろう、というイメージが知らぬ間に形成されているのは、私だけではないかと思います。

ちなみにこの「おいしい」というのは好印象ですが、「まずそう」というイメージになることもあるので、単純接触効果は絶対ではないですね。もちろんこの好印象の低下も研究では言及されています。

好意度・購買意欲の形成における「典型的表象」への既知感

前述した論文では以下の考えを述べています。

広告に繰り返し接触することによる商品への好意度や購買意図の形成には,概念形成および,当該概念の典型的表象に対する既知感が介在している可能性があると考えられるからである.

全く知らないものに対するよりは、すこし知っている状態である程度のイメージがあるほうがいいのでは、という感じでしょうか(間違っていたら教えてください)

この研究で支持された仮説はこちら(実験1から):

仮説 2-1:商品名の事前典型性が高いほど,その商品名への再認判断が高まる.
仮説 3-1:商品名の事前典型性が高いほど,その商品名への好意度が高まる
仮説 4-1:商品名の事前典型性が高いほど,商品の購買意図が高まる
仮説 5:商品名の事後典型性は再認判断,好意度を媒介して商品の購買意図を高める

事前典型性を支持するものが多いですが仮説5は、事後典型性も好意度を媒介して購買意欲を高めると述べていますね。「知覚的流暢性の誤帰属) に
よるものではなく,典型的刺激に対する既知性から来る安心感を介した好意度が上昇したものと考える.」と述べています。(へー。むずかしい)

実験2もあったのでぜひ確認してみてください。違う仮説が支持されたようです。

単純接触効果について調べてみた (1)

「知っているから好き」→「好きならば欲しい」

この研究では、「バナー広告の反復呈示による,知覚→商品名の典型性形成→既知性→好意→購買意図」という流れが明らかになったとしています。(AIDMAモデルにも対応している結果としています。)

この論文の「商品名」の典型性については以下:

高典型の商品名とは,その商品の名称として“もっともらしい”,“よくありそう”等と表現されるものである.そしてその判断は消費者の当該商品への事前の接触経験,すなわち,これまでの広告や商品との接触経験によって形成した商品名のプロトタイプとの類似度に基づいて行われると考えられる.

なので新しい商品としつつも、「それっぽさ」がない商品名では知っている気がする・こういうイメージだなという理解につながらないのかなと思います。

商品名は難しいです。私は商品名を作るひとではないですが、よくプレスリリースなどで新商品・新機能に枕詞をつけています。商品名だけでは意味がわからないことが多いからです。より「ありそう」と思われるようなつけ方をしていきたいなと思いました。

おわり

他にもこのような論文も見つけました。

松田 憲,中嶌拓希,楠見 孝(2015)「バナー広告の集中呈示とインターバルが単純接触効果に及ぼす影響」

また今度読んでみたいです。

広告効果として,「インプレッション効果」と「レスポンス効果」という名前も出ていたので今後また調べてみたいと思います!

改めて、筆者は専門家でもマーケターでもないので間違っていたらすみません!趣味で調べてみたという程度ですので興味がある方はぜひご自分で調べてみてください。

では!


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