見出し画像

①歌唱における心技体〜『こころ』について

注:前々回に記載したざっくり目次の内容と若干変わっていますが、内容的には含まれています。ざっくり目次は読み進める際の目安にして頂ければと思います。

1.1 こころ

こころ。
その人の思考や精神状態を指します。


 歌う時って、心の様子があからさまに反映してくると私は感じています。そしてそれは良くも悪くも聴き手に伝わります。
そこに歌い手の心を感じた時、退屈にも感じるし、涙を流す程に胸を打つ場合もあるし、静かに興奮を覚える事もあるでしょう。

皆さんもそんな『心』を感じる瞬間ありませんか?

 歌うためには技術的な事も勿論大切ではある事は言うまでもありません。
これは技術の話とは違います。しかし、根底ではとても深く太く繋がっているのです。

技術と身体を支える土台のようなものです。

 この先の『技と体』にも繋がっていくのですが、心という土台が危うい状態であると、集中や脱力感が削がれて技術にも影響を及ぼしますし、ストレスから体調にも悪い影響を及ぼすでしょう。



『こころ』が乱れるとどうなる?

 精神的にショックな事があったり、怒りに囚われてしまったり、精神が不安定になってしまうと、当然歌う事に心を傾ける事が出来にくくなってしまいます。

歌う為に必要な心の要素として言うとすれば

a. 雑念が無く、穏やかにリラックスした状態であること
b.集中力が最大限まで引き上がっている状態であること
c.歌だけではなく自分以外のものや人全てに対して真摯な姿勢であること

かな、と思います。
 

鬼滅の刃における竈門炭治郎をちょっと思い出してしまいましたw
全集中の呼吸というやつですね。まさしくそれです。
スポーツや仕事、とにかく何事にも通じる事だと思います。

 c.に関しては、一見歌う為の技術として関係のない事のように感じるかもしれませんが、前提としてとても大切だと個人的に思います。
 例えば、技術に自信があるからといって、そこにあぐらをかいて歌おうものならば、鋭い聴き手さんは簡単にそれを見透かしてしまいそのステージに何の魅力も感じないかもしれません。心は動く事もなく、只歌い手の上手い下手にしか気持ちが行かずに、採点するだけの存在になってしまうかもしれません。鋭い奏者の方は、素晴らしい演奏をする事を辞めてしまうかもしれません。鋭いスタッフさん達は、嫌な気持ちになって細やかな対応を諦めてしまうかもしれません。鋭いエンジニアさんやmix師さんは、こちらの意図を理解する事を辞めてしまうかもしれません。

リスクでしかないw

 そしてあなた自身、ステージ上で致命的なトラブルに襲われた時、それを軌道修正する事が困難になってしまう可能性が高くなるかもしれません。
心が乱れると、見えていたものも見えなくなります。
逆に心がしっかり落ち着いていれば、普段は見えないものも感じ取る事ができるはずです。沢山の仲間達もあなたを助けてくれる事でしょう。
沢山の方々のサポートや仕事があって初めて歌う事が出来る。それを忘れてはいけません。

 一番悲しい事は、色々当たり前と思う事であなた自身がそのステージや楽曲の中で何も感じる事が出来ないという事。

歌は情緒に訴えかける物です。
(情緒とは、激しいものもあれば静かなもの、無に近いものもあり様々です。)


こころとの向き合い方は色々ある

 歌ってみたやカバーなどの場合は楽曲の知名度やクオリティに助けられて(判りづらいかもしれませんが)何となくいい歌を聴いている風に感じるかもしれません。(名曲達に触れる機会は勿論素晴らしい体験とはなりますが)
 この心の在り方と精神をコントロールする事の難しさを特に感じるのは、自身のオリジナル曲を歌う時かもしれません。私自身はそうです。

(オリジナルを作った事のない方は、是非一度体験する事をお勧めします。単音のメロディでもいいんです。再現する→表現する、創造するに変わります。見える世界が変わりますよ😊)

歌詞、メロディ、歌唱、所作。
無の状態から作り上げた物を、迷いを捨て全身全霊で体現し、表現だけでプレゼンするようなものです。羞恥心、迷い、驕りや怠慢、適当さも何もかも全て歌に反映されてしまいます。練習の段階でこれらの気持ちとしっかり向き合い、本番に臨みましょう。それも含めて練習です。

(オリジナル曲は時間をかけて信頼関係を築いていくものです。焦らず大切に歌っていきましょう。自分が大切にすれば、他者からも愛される曲へと成長して行く事でしょう。)

 心の中がごちゃごちゃするようだったら、一度歌う事をストップして、
心の中の騒めきが落ち着くまで待ちましょう。
自然の音を感じながら散歩したり、
歌う事とは関係のない本を読んでみたり。
 とにかく心というものはすぐにどうこう出来るものではないと思うんです。

 誰かが笑顔になるような事をしてみたり、
大切な人と一緒に美味しい食事を楽しんだり、
好きな映画をもう一度見返してみたり。
沢山笑う。
感動する機会を得る。
沢山泣く。

 どうしていいか本当に判らない時は、とにかく只時を過ごす。
日々を丁寧に暮らす。
かな、と思います。

(他にも何かいい方法があったら是非私にも
教えてください😊)


 常日頃から自分のこころを大切に。
疲れたら休めて、栄養を与え、地ならしをしておきましょう。
それが良い歌を歌う為の土台(基礎)作りとなるのです。

あなたが心動かされた曲やLIVEはありますか?今一度思い出してみてください❤️

本日はここまで。読んでくださりありがとうございました😊

最後まで読んでいただきありがとうございました(u_u)