創造性は制約がだいすき,リモート時代の実験思考
在宅という制約の元で仕事をしていると,正直仕事のアクティビティは減り気味,すきま時間はあるし,なんだか工夫して面白いことができないかなあと,ウズウズしてきます。
そこでリモート時代にこそできる実験思考をまとめておきたいと思います。
観客と顧客の違いを分ける身銭
例えばnoteでもたくさんのクリエイターさんや店舗の方々をフォローしているので,商品や店舗の状況が目に止まる事が増えてきています。まさに最近は経営的に厳しいという投稿もたくさん拝見するようになり,心苦しい限りです。
でもこれは言ってみればまだわたしは観客の状態。
この観客が顧客になるためには,身銭を切る,というプロセスが必要です。これこそが観客と顧客の違いです。身銭を切ってくれない限り,その相手は顧客候補ではなく,たんなる観客です。
身銭でわかる有用データ
もちろんここでいう身銭とは商品やサービスを購入するというお金だけの話ではなく,時間や,クリックする手間という身銭にも当てはまります。
身銭を切ってくれるとなにがいいかというと,それは極めて有用なデータになるということです。オンライン環境で質の高いデータを手に入れることができるのです。
そこでどれくらいの身銭を切ってくれるかを測る実験をご紹介します。この動画はあるデザインスタジオが商品を売り出すときに,IKEAの商品棚に実際にその商品を置いて一日観察してみたのです。映像ではIKEAの店員に扮するところまで徹底されています。
これはオフラインでの検証とはいえ,ディスプレイの前を通った人数,手にとってレジに向かった人数など,彼ら自身にとって非常に有用な情報が低コストで検証可能になったのです。
もちろんSNSのフォロワー数やコメント数などの指標も有用ではありますが,こんなオンライン時代にさくっと検証できるプロトタイプができると自身の商品やサービスに特化したデータを手に入れることができるのです。
XYZ仮説
先ほどのIKEAの例は本当に上手いなあと思います。実際に自分たちの商品に馴染むような環境に商品をおいているからです。こんな風に,堅い仮説を打ち立てる際に良いフレームがあります。
それがXYZ仮説です。
一般にX, Y, Zというのは変数として定義するようなアルファベットとして用いられていますよね。その変数っぽさをつかって,ここに入るXYZをみなさんのじぶんごとで考えて見ましょう。
少なくとも X% の Y は Z する。
たとえば先ほどのIKEAの例だと,
少なくとも(X=5%)の(Y=商品の前を通ったひと)は(Z=レジへ持っていく)
という感じです。オンラインの指標も同じ枠組みでみなさんの生活や商品,サービスに根ざした良い仮説を立ててみましょう。
創造性は制約が大好き
ではどのようにそのいい仮説を検証するプロトタイプをつくりあげていくのが良いのでしょうか。例えばみなさんの自分ごとでのプロトタイプ作りの例で考えて見てください。10万円の予算があるといったら何をするでしょうか。一発勝負で10万円の商品のプレゼント企画?
では制約をつけて,1万円の予算だったら何をするでしょうか。SNSで広告を打つでしょうか。では1千円の予算だったら...こんな風に制約をどんどんつけていく。
そうすると低予算でも(もしかしたら無料でも)面白いアイデアで仮説検証ができる可能性が広がります。こんな風に創造性は制約が大好きなのです。
こんな時代だからこそ,なんでもありに挑戦することができると信じているひとです。
いろんな取り組み,
どんどん試してみましょ!
この記事のエッセンスはこちらの書籍によく書かれています。