味,香りを化学で説明することの限界
学生時代にミシュランを獲得したレストランでアルバイトしながら考えていた問い。
全ての味覚というのは,素材と舌の関係であって,それらは化学式で全て説明できるはずだから,一緒に働くシェフがいる意味は??
京都大学で開催された日本ブドウ・ワイン学会に参加しました。
フランス,モンペリエの農業大学,SupAgroから講師を招いてのプログラム。講演タイトルは「ブドウからワインへ,単一品種のチオール生合成について」難しいながらも必死に学びました。
ハイライトは,
ブドウが持つ香りのうち80%は,それに寄与する化学化合物として分類されたとの研究発表でした。ただいろいろな化学反応によってその香りは二度と戻らなくなってしまったりする。
ここで感じた。
え。2020時点でブドウ一つとっても80%しか味覚に寄与する化学は解かれていないんだと。
さらに驚き。
今回の学会に招待してくださったワインメーカーの方は,この辺の化学式による味覚の変化を理解して,ご自身のワイン醸造に活かしていた。
当時学生の頃に感じていた私の仮説はまだまだアマいものだった。
こつこつ更新します。 こつこつ更新しますので。