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ヒトと菌の贈与経済

発酵文化人類学
以前にこんな記事を投稿しておりました。

このnoteの中で,こんなことを書いていました。

成果物を評価する指標は優劣ではない。
作るプロセス自体が特別なものになります。
その場の幸せは誰とも比較することができない。
評価軸が自分の内にある状態。
それって生きるのラクです。

この考え方に至るにおいてエッセンスをもらった本がこちらです。
発酵文化人類学

著者の小倉ヒラクさんは,
味噌作りワークショップなどを通して,
発酵という人が媒介しないプロセスから次のような示唆を導き出しています。

Something Newを求められる結果主義では自分の特別さを感じにくい。
プロセス自体を楽しむことで,Something Specialなものが生まれ,
その場の幸せは誰とも比較できないので幸福だ。

そこにはヒトと菌の贈与経済があるんだと。
モースの贈与論では不等価交換における副産物が大事だと述べています。
つまり,財や富を交換する際には,
そのものの価値だけが交換されるのではなく,
交換する際の振舞や踊りなどによって生まれる関係性
つまり副産物こそが大事だ,ということです。

先ほどの例だと人間の労働を介してパンが生まれるが,
出来上がるパンの味はさまざま。
単純にパンの味だけでは比較できない。
パン作りというプロセスの喜びこそが大事な副産物なんです。

発酵は楽しいんです。
パンでもつくってみましょ。


こつこつ更新します。 こつこつ更新しますので。