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開業後まもなく、ツバメが来店した話。

この話を人にする時、心のどこかで

「そんなのあるわけないでしょ」
「は?警戒心の強い野生の鳥が??」

と思われるのではという不安があります。

まぁ思われたところで実際は大した問題ではないのですが、
時間差で気持ちがブレて落ちやすいタイプなので
少し未来の自分を案じてしまうのです。


さて、どんな話かと言えば
お店を開業して1ヶ月経つか経たないかくらいの
良く晴れた日。

換気のために窓と入口の扉を開け放ち、
ホウキとチリトリを取りに行こうとした時のこと。

気配を感じてふと扉の方に目をやると、
物凄いスピードで、ペンケースくらいの大きさの青黒い影が
外からシュピッと飛び込んできました。

その飛行物体のしなやかな動きと
透明で短く、品のある鳴き声を聞いた瞬間に
あっツバメだ とすぐに分かりました。
(料理屋をしている田舎の実家にもツバメが巣を作るので
子供のころから馴染みがあり、声も姿も記憶にあったのです。)

ツバメは縁起のいい動物。
ツバメが来る店には人が集まり、商売が繁盛する。
幸運が舞い込む。

そんな風に言われることも知っていたので、
店内をツバメが飛び回る姿を

おっ とか
おおぅおう とか

取り敢えず変な声を出しながら嬉々とした表情で見守っていました。
(お客様が途切れたタイミングでよかったです)


あの日の非日常な光景は、いまでも鮮明に思い出せます。

壁や梁をよけるように旋回する、その滑らかな軌道。
細くて長い木製の笛のように、透き通った鳴き声が3回。
まるで黒い剣のように先が尖った翼。

不思議な話ですが、扉から出ていく瞬間、
ふいに 兆し という言葉が頭の中に浮かびました。
口の中で小さく また来てね と言っていました。



はてさて、あれから1年とちょっと経過した現在。
ツバメのおかげか、常連のお客様含め本当にたくさんの
そして素晴らしいご縁を毎日たくさん頂いています。
ありがたいことです。



目立たない場所で小さく地味にやっているお店ですが
実はこのツバメのエピソード以外にも色々あって、

「繁盛店になる」
「これから関わる仕事が次々良い方に広がっていく」

という予感がずーっと消えずにあります。
内緒ですけどね。



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