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ピザをFAXする【ジョーク】sending pizzas by fax(ジャスパー・フォード『文学刑事サ-ズデイ・ネクスト』)
I had learned from my mother’s many letters that Mycroft had invented a method for sending pizzas by fax and a 2B pencil with a built-in spell-checker, but what he was currently working on, I had no idea.(p.95)
筆まめな母さんの話によると、マイクロフト伯父さんは、ビザをFAXする方法と、スペルチェック機能付きの鉛筆(2B)を発明したそうだけど、今何に取りかかっているのかは、皆目見当がつかなかった。
本の世界に入って事件を解決する文学刑事シリーズ。発明家の伯父について語られる箇所だ。
FAXでピザを送信するってすごくおもしろいアイデアだ。この本を読んだのはたぶん20年近く前で、筋はほとんど忘れていたけど、一度だけ言及されたこのアイデアだけはずっと覚えていた。
野暮を承知でなにが面白いのか説明してみると、その昔、世の中にFAXというものが登場した時に、「紙を送信できる」と勘違いする人もいて、平たくて薄いものだったら送信できそうな感じがあって、宅配ピザの普及もあり、『ザ・フライ』(1986)のヒットで物質の転送という概念が一般化していたこともあって、「ピザをFAXで送る」というジョークが生まれる素地があったんだと思う。
この、ありえないけど一瞬ありそうな気もする感じがたまらない。お好み焼きはムリかもしれないけど、味付け海苔くらいなら余裕で送れそうな感じが、当時FAX という夢のような機械にはあったのである。
私の職場からも、今年度中にFAXはその姿を消す。ピザをFAXするという夢もやがて消える。
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