『スーパーマンII 冒険篇』(1980)仮定法過去のbe動詞
おそらく初めて映画館で観た映画だと思います。父に連れられて兄と3人で、立ち見で、座席の後ろの柵にもたれて観た記憶があります。
吹替版などはなく、字幕の漢字を父に読んでもらっていたら、近くにいた人に「静かにしてくれ」と言われて、後で父が「怖かったのう。ありゃ、ヤ◯ザじゃ」と言っていたのも、なつかしい思い出です。
さて、上で引用したのは、スーパーマンが愛するロイスのために力を失ってふつうの人になり、酒場でふつうの人に殴り倒されたあとの場面です。
I wish + 仮定法過去は願望を表す、と習うと思いますが、実際はもっと多彩で、未練とか、後悔とか、 虚勢などでもあると思います。
ロイスは、力なんて求めていない、あなたがそばにいてくれればいいの、と言っているにも関わらず、クラークはそこに同情を感じ取り、屈辱を覚え、「君が愛してるのは僕じゃなくて、スーパーマンなんだろう?」と、卑屈な言葉を吐いてしまいます。「僕がその人だったらって思うよ」でもいいかもしれません。
当時はスーパーマンの力が着脱式?なのが不思議で、その無様な姿は衝撃でしたが、ラストの逆転劇でスッキリしていたと思います。
大人になって観なおすと、男のプライド、虚勢、情けなさ、そして女の優しさや包容力などがうかがえて、また違った味わいがあります。そしてこの映画を見るたびに、幼い息子に対して格好をつけずにヤ○ザの怖さを認めた父の率直さも思い出されます。いまだに大好きな映画のひとつです。
ちなみに個人的には子どものころからロイス役のマーゴット・キダーより、悪役アーサ役のサラ・ダグラスの方が好みです。
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