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銀シャリ【慣用句】white on rice

‘What’s on?’ I’d ask.
‘A motorcycle picture and a Poepicture,’ he’d say. I, of course, was on that combo like white on rice. (P.47)
「いま何がかかってんの?」と私が訊くと、
「バイクものと、ポーもの」とあいつは言う。そのカップリングに乗らない手はない。まさにネコにマタタビだ。

Stephen King / On Writing: A Memoir of the Craft (2000)

スティーブン・キングが子どものころ、友だちと毎週ヒッチハイクで遠くの街に映画を観に行っていたというエピソード。Poepicture とはキングと友だちの間の符丁で、B級ホラーのことだ。

white on rice は「ぴったりくっついている」「付き物」というような意味の言い回しだ。「切っても切れない関係」と言ってもいいかもしれない。

米に白、なぜこんな組み合わせが慣用句になるのか、もうひとつピンとこないので、あえて取り上げてみた。black on ink, red on blood, blue on sky なんでもいいじゃないか。ニュアンスとしては、豆腐は白い、白いはウサギ、みたいな感じなのだろうか。

一説によると、20世紀半ばに精米技術が上がって、お米が真っ白になってから生まれた表現らしい。ある時期から突然米が真っ白になった驚きとともに、この言い回しが定着したのだろうか。

さらに、日本語の hirame ni shiro (ヒラメに白?)に由来している、という人もいる。ヒラメは獲物にぴったりと付き従うから、とのことだが、そんなことわざを聞いたことがないので、真偽は定かではない。

上の引用の訳では、太字の部分はなくてもいいと思ったが、オミットするのもどうかと思ったので、日本のことわざを入れた。意味は違うが、文脈にはあっていると思う。


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